収録というものを説明してみた

朝、会津から戻ってきてから、台本のチェックなどをして 10:30 には収録現場へ。
いやー、眠かった<当たり前
思ったのが、良い声優さんというのはいかに台本で繰り広げられるドラマを頭の中で映像化し、あたかも自分がその場にいるかのようにシミュレーション出来るかというのが、一つの指標であるのかなと。シナリオ・ライターからするとそもそもその技能がないと、エロゲのシナリオというのは出来ない。これはアニメ的・映画的な映像化ではなくて、本当にエロゲ的な映像化である。背景があって立ち絵があって、っていう。そうしないと、演出的にも齟齬が出てくるからだ(アニメ的・映画的な映像だとアングルは自由だし、コンテも自由になってしまう)。

ところがこの頭の中での映像化、わりとライターさんも出来ていないことが多い。立ち絵がどう動いて、それに合わせて背景もスクロールしたり拡縮したり、SE が鳴り、BGM が切り替わり……そういうのを想定しながらシナリオを書いていないライターも多い。そうなると声優さんもなんとなーくな演技となってしまう。この辺、なかなか難しい所だ。そして力量のある声優さんはそういうシナリオであっても、違和感なく成し遂げる。それは自分の引き出しにもかかっていることもよく解った。
そしてそれが解っていると、ここはどんな演技をするんだろうというのが色々と解って面白い。そしてそれら全体をシミュレーションしながら演出プランをボクの頭の中で構築しながら収録すると、自分が書いたパートは、自分が意図したとおりの演出になっていく(もちろん声優さんの力によって、ボクのシミュレーションが修正されることもある)。
今書いたことは当たり前のことなんだろうけど、何となく文章化することによって、ボク自身も色々納得したしだいである。