エロゲの雑誌事情

このところ動かしているプロジェクトが進んできて、広報関連にもちょいちょい首を出す様になった。で、これは前々(10 年以上前)から思っていたことなんだけど、自分のプロジェクトの記事を雑誌社さんから校正が来て、それを見て間違っているところとかを指摘して、んで最終的に記事になるのね。
ボクはそれが当たり前だと最初は思ってたんだけど、ちょっと待って、なんかちがくない?
というのも、例えば殺人事件が起きて、まー、日本の場合は警察の発表とかで記事にするみたいだけど、でもその書いた記事をまた警察に持っていって「あってます?」って聞いたりしてるのかなーってこと。何が言いたいかというと、各雑誌社が取材をし、雑誌社がその取材を元にゲームの中身を理解し、そして表現したい場所を見つけ、記事にする。そしてそのゲームのどこに目をつけたか、何がよかったか、何に期待しているかなどなどはその雑誌社が決める。そうすることによって雑誌社ごとに特色が出る。
そこでできあがった記事は、もはや我々作り手のものではなく、その雑誌社(もしくは記者)が見た、我々のゲームなのだ。だからそれがどう表現されていようが、それにとやかく言う筋合いはボクらにはないと思うのだ。 だから、ボクら作り手が記事を校正するのはおかしいのではないかと思っているのだ。
好きに書いたらええ。確認するにしてもそれはスペックであるとかスタッフ名であるとか、そういう決まり事だけであって、記事の内容そのものをメーカが確認するのはそもそもジャーナリズム(?)的な倫理という観点からも NG ではないかなーと思うのだ。たとえばさ、ゲーム・メーカーだけから話を聞くんじゃなくて、実際の絵描きさんとかシナリオ・ライターさんとかに取材してもいいと思うんだよねー。

で、それにつながってもう一つ前から気になっていたのが、「攻略記事」。これは前にも書いたと思うのだけど、攻略情報っていうのはゲーム会社から雑誌社に提供するんだけど、これもおかしな話だなと。雑誌社がゲームを攻略し、独自の記事を作るべきで、もちろんそこは間違いもあるかもしれないけれど、少なくともプレイしたことによる生の情報であるし、プレイしたことによって得られるフラグだけじゃない情報もいろいろあるはずだ。
それをゲーム会社からフラグ表をもらってそれを記事にするのって、やっぱり変じゃないかな。っていうか、それって「記事」って言わないよね。
実はボクがコンシューマの仕事をしていた頃(15 年以上前)は、少なくともコンシューマは雑誌社が自分たちでゲームを解析し、自分たちで攻略記事を作っていた。なのでエロゲ業界に来て「攻略情報ください」って言われたときは、目が点状態だった。

そんなわけで、なんつーか、雑誌とのやりとりをしてて、そんなもやもやした気持ちをずっと抱えているのであった。

3 thoughts on “エロゲの雑誌事情”

  1. 一つは下手なことを書いたり、データ(タイトル名やスタッフ名、スペックなど)を間違えるとメーカーが怒鳴りこんでくるから、こうなってしまったという側面もあると言うところでしょうか。データは確認すべきですが記事ない用に関しては、雑誌社に一任というか雑誌社の視点で書いてもらい、それについてメーカーがとやかく言わないような流れをつくりたいですね。

  2. 大昔にエロゲ雑誌の編集をやっていた者ですが、間違いがあった時にメーカーからクレームが来るのでチェックをお願いしてるのです。
    リリース資料自体が間違っていたり、すべての事項に(仮)とついている設定を渡されて書いた記事なのにおかしいですね。

  3. メディア側がメーカーや制作者に確認するのは「保険」の意味が大きいと思いますよ。記事で何かあったとき、あるいは責任問題になったときに、「目を通されましたよね?」という感じでしょうか。嫌な印象かもしれませんが、そういうズルさも含めてマスコミのような気がしますね。記事に広告が絡んでいる場合は、記事にジャーナリズムなんて全くなくて、メーカーの言いなりになるケースもしばしばあります。

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