Re:Thankfull 東京(nao さん、ライブ

今日はいつも主題歌を歌ってもらっている nao さんのライブに行ってきた。ロックというか軽音楽のライブは久しぶりだ。色々楽しみである。場所は吉祥寺というのも行くきっかけとなった。吉祥寺ならそんなに遠くないし、18 時に行くのも苦ではない。駐車場事情にも詳しいし。
ライブハウスは CLUB SEATA ってところ。今は亡き LAOX の地下なのだが、あんなところにライブハウスできたんだなぁ。結構広かった。個人的にはもうちょっと天井が高いと嬉しかったんだけどね。梁が巨大で、ちょっと高くなっているゲスト席からはその梁が邪魔でステージがよく見えないのよね……orz

ライブの方はというと、20 曲以上歌うという 2 時間 30 分近くにも及ぶライブで、よく声がもつなぁって思ってしまった。

やっぱり生音はいいねっていっても、軽音楽だとエフェクタ通しだし、基本スピーカーからの音出しで生音とは言えないんだけど、演奏と歌い手さんの本当の声とライブの空気感って言うのは本物なワケで、そこで得られる情報量は CD や PC で聞くのとはまったく異なる。
あとボクはエロゲの歌をほとんど聴かないので、他のエロゲの歌も聴けて面白かった。萌え系とかロリ系なのに短調のわりとカッコいい系の曲とかあって、「え、どういう使い方してるんだ?」って思うこともしばしば。あれはどういうことなんだろうか(汗)。
あと新鮮だったのは、自分が発注した曲がゲームから離れてなんて言うんだろうね、うまく言えないんだけど、曲だけの力っていうんだろうか、価値っていうとなんかちょっと嫌味な言い方になってしまうんだけれど、とにかくゲームから切り離されたというかそういうか、しかもそれをライブで聞くっていうのがなんか妙な気分で、くすぐったくて、恥ずかしくて、妙な体験だった。

まぁそんなこんなであっという間に 2 時間終了。アンコールも 2 回あって、サービス満点のライブだったのではないでしょうか? ただボクはゲスト席だったんだけど、あっちはアレだね、座ってみるようになってて、お客さんと一緒にサイリウム振ったり、一緒に踊ったりすることができなかったのが残念(マテ

nao さんは自分主催のライブは今回が初ということで、1 年に何度もライブをやったりはしていないらしい。ボク的にはもっとライブをやって、いつも PC のスピーカーとかヘッドフォンとかで聞いている人たちに、この空気を伝えられるといいなぁと思った。ので、せめて 1 シーズンに一回はできるようになるといいなぁと夢見ている。

6 月燃費まとめ

恒例の燃費情報。6 月はマスター作業があったためほとんど会社に泊まり込んでいたので、移動が少なかった……割には 4 回給油。6/24 の妙に燃費がいいのは、草津にある父の別荘に PC の調子を見に行ったため。車種はエスティマ アエラス 3.5L(Estima GSR50W)

Date 走行距離 給油量 単価 燃費 メーカー 油種 給油地
6/8 495.1km 58.13L 154 8.517km/L MITSUI OIL ハイオク 東京都練馬区関町南
6/22 不明 50.73L 157 ENEOS ハイオク 東京都杉並区井草
6/24 424.4km 35.52L 157 11.948km/L 出光 ハイオク 東京都中央区新富
6/30 457.2km 54.25L 157 8.428km/L ESSO ハイオク 東久留米市大門町
まとめ 1376.7km 198.63L 156.25 9.308km/L

6/8 ~ 6/22 まで全然給油してない部分が、まさに修羅場の時。車は会社に駐めっぱなしか、自宅に駐めっぱなしだった。ガソリンの値段は相変わらず 155 円突破状態で、正直かなり財布に痛い。なんとかならんものか……。原油に投資しないで欲しいなぁ……っていうか先物自体、個人的にあまり理解を示したくない。困ったもんだ。
ハイオク 1L = 100 円以下だった時代が懐かしい……っていうかその頃にハイオク車買ったんだよねぇ。

サムザナ(インドカレー屋

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打ち合わせの帰りにフラッと入ったインド料理屋。といっても、実は店そのものは探した(汗)。打ち合わせ相手と何を食べようかという話で、インド料理に決まったのはいいが、時刻は既に 22 時過ぎ。スマフォで色々と探した結果、見つけたのだった。日本にインド人が料理店を営み始めた頃( 1999 ~ 2000 年)、どこも夜遅くまでやっている店ばかりだったのだが、最近のインド人がやっているインド料理屋は 22 時には閉まってしまう。
なので検索にはけっこう時間を要した。小岩という場所も問題だったかもしれないけど(ぁ

お店の名前は「サムザナ」。場所は京成小岩駅
食べログの点数は振るわなかったけれど、セットが安くてイイ感じ。ナンとご飯がお代わり自由で、カバブもついたセットが 1000 円だったかな。カレーのセットだと 850 円。そして店内が凄く広くて、ゆったりしている。ボクらが入った時は店員さんは一人しかいなかった(おそらく店主だと思われる)。
ビールもインド・ネパールのビールがおいてあって、面白い。
料理そのものは、インドというよりはネパールよりなのかなぁ。
味は普通というかなんというか。一番辛いのを頼んだんだけど、ボクは普通に食べられた。ナンがふわっと言うよりはしっとり系。バターは少なめ。手軽にインド料理を楽しむには充分なお店だと思う。店内も広いし、落ち着けるし。
写真は携帯で撮ったんだけど、微妙に暗くて写りがよくない……orz
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来吉のラーメン

昨日から何も食ってなくて、でも仕事のキリも悪くて、打ち合わせがあと 10 分で始まる。ところが打ち合わせが 15 分延びるというので、腹ごしらえするなら今しかないと言うことで、来吉に行ってきた。歩いて 1 分もかからないところにあるラーメン屋(ぁ。
5 分で出てきて、5 分で食べて戻ってきた(ぁ

ここはつけ麺屋なんだけど、今回はラーメンを頼んでみた。急いでいるのに、何故ラーメンを頼んだ、ヲレ(ぁ
ラーメンはあっさりしていて、いいね。レモン入れるともっと美味しいかも。
出汁がそこそこしっかりしているからかもしれない。でも、個人的にはもうちょっとコクが欲しい。

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オイル交換とか、ドライブの話

正確には昨日のことになるが、エスティマのオイル交換してきた。最近、といっても今回入れて 2 回だけど 1 万 km で交換している。それまでは 5000km だったんだけど、エスティマという車はファミリーカーというか、車のメンテに疎い人が乗る車であるからして、頻繁にオイル交換するよりもわりと伸ばした(という表現でいいのかな?)オイルでもいいのかなと思ったからだ。
使っているオイルは今のところディーラ標準の 10-20W ってヤツである。
いつも 0-40W とか 30-50W とか入れていた人間なので、未だにこの数字には少し心配してしまう(汗)。

で、後輪のダンパがへたっていて中のオイルが漏れてきつつあると言われたので、部品を注文した。これは部品が届きしだい、後日交換する予定である。当分、山道などは行かないようにしよう。

そういえば最近、ドライブしてないなぁ……。忙しいんだよね、なかなか。
あと「ちょっとドライブ」なんていう距離はだいたい行き尽くしちゃったんだよねぇ。で、まぁ、最近気になっている道路をいくつか備忘録も兼ねて書いておこう。

  1. 国道 152 号線(長野県~静岡県)
    この道路は、かなりの酷道らしい。エスティマで行けるかなぁ?
  2. ぶどう峠(埼玉県~群馬県)
    ここはあんまり遠くないので、近々行ってこようと思う。全行程 4 ~ 6 時間程度であろう。但しここは心霊スポットでも有り、登山者がよく事故に遭っているところでもある。救助のヘリも落ちたことがある(ぁ
  3. 犬切峠(山梨県)
    こちらもあまり遠くない。これの南側の R411 はよく通るのだが……。
    ここも色々と曰く付きの場所らしい。心霊スポットとまでは行かないが、女性が埋められていたり、捨てられてそのまま行方不明になったりといった事件が発生しているらしい。
  4. 寄居近辺(埼玉県)
    地図を見ると、林道っぽいモノが縦横無尽に走っている。
    なかなか面白そう。

とりあえず 1 以外は一晩で走ってこられる場所なので、何かの合間に行ってこようかなぁと思っている。

over there / liquid sky

夕方になると潮風が吹いてくる。
海はまだここから十数キロも離れているというのに、ほんのりと潮の香りが運ばれてくる。
空はまるでヘラでのばした様にぺったりと夕焼けのオレンジ色が広がっていた。
電線も電柱も見えない空。
空を邪魔するのは、白い雲だけ。
でもその白い雲も、うっすらとオレンジ色に染まっている。
「んん~~~~~~……!!」
こんな何もない空を見上げていると、なんだか自然と頭の中も空っぽになる。
頭の中が空っぽになると……今度は何も考えられなくなる。
何も考えられなくなると……??
「眠くなるのだ……」
それは仕方のないことだのー。
と心の中で、うんうんとうなずく。
「こら、ハルカ!」
でもそんなウトウトとした寝ぼけた空気も、後ろからの一声ではじけ飛んでしまう。
「わっ!」
びっくりして目をぱちくりとさせる。
「シーツが地面についちゃってます! 早く運んでください!」
「ふにゃ」
でもやっぱり眠いものは眠いのぅ……。
ハルカは心の中でつぶやきながらも、手に持っていたシーツを慌てて腕にくるめた。
「はいはいはいはい」
なんと返事をすればいいのか解らなかったので、テキトーに答える。
「もう……」
緩慢な動きでシーツを運ぶ姿を見ながら漏れるため息。
「なんというかのー、おやつを食べてまったりしていると、眠くなるのだー……」
そんなこと言われなくても見れば解る。
現にそのシーツを運ぶ様は、実にゆっくりで覇気がない。
ピンクの髪を揺らしながら、目は半閉じ、いつもシャキッとしている頭のバンダナもなんだか斜めにずれている。
もう本当に何にもやる気ねーというのが、一目瞭然だ。
「シーツは二階まで持って上がってくださいね。それから今度は花壇に水をやってください」
だが、そんなヨタヨタと歩く姿なんか関係ないと言わんばかりに、追い打ちを掛ける声が続く。
「うー、わかってるよー、うるさいなー、トーコめー!」
そんなにいっぺんに言われたら、余計に疲れるのだっ!
などと強く心の中で否定するも、その言葉を発する元気すらないのであった。
一方のトーコはというと、何も命令しているだけではない。
自分の横をゆっくりと通り過ぎるハルカのピンク髪を尻目に、せっせと細かい洗濯物を籠にしまっている。
その手つきは非常に慣れており、全く隙がない。
彼女が干してある洗濯物に腕を伸ばすたびに、ふわふわの白い髪の毛が軽く舞う。
そのキビキビとした動きと較べて、自分の動きがあまりにも緩慢であることに気づいたハルカは、そのギャップのおかげで自分が眠いということを余計に自覚させてくれるのだった。
「く~~、こんなことなら秋都の誘いを断らなければ良かったのだ……」
そういえば学校からの帰り際にネカフェに誘われたのに、眠かったから断ったのだった。
あのままネカフェでカラオケなりネトゲなり漫画読むなりして暇をつぶしていれば、そもそも洗濯物を取り込むという家事をやらなくてすんだに違いない。
ん?
ということは、眠かったのはおやつを食ったからじゃないのか?
ハルカは自問自答してみる。
そもそも、授業中からして眠かった気がするのぅ。
いやいや、授業があったから眠くなったのに違いないのだ。
などとブツブツと考えていたら、いつの間にか二階の寝室に入っていた。
きれいに磨かれたフローリングはまるで掃除したばかりのように輝き、立っているハルカを映し出している。そして、その床に映ったハルカの姿もまた、現実同様なんだか疲れているように見えた。
寝室はそよそよと西日が流れ込んでおり、さわやかな風がすーっと窓から入り口に向かって差し込んでくる。
何という心地よい空間。
ハルカの手には乾いたばかりの真っ白なシーツ!
目の前には西日を浴びてぽかぽかになったベッド!!
「こ、こりわ……!!」
自然とバンダナがずり落ちるのが解る。
いや、自然じゃない。
しっかりと右手でバンダナを握っている。
「ね、ねるのだ~~~~っ!」
持っていたシーツをベッドに放り投げると、そのままベッドにダイブ。
靴も着ている服もそのまま。
靴下もはいたまま。
スカートもめくれあがってしわくちゃになり、かわいい下着が丸見えになる。
だがそんなことはどうでもいいのだ。
顔を枕に埋めてしまった彼女には、もう何も見えない。
「おやしゅみ~~~~………」
誰に言うでもなく、自然とそんな言葉がもれて……そしてそれは静かな寝息に変わるのだった。
一方、庭ではすべての洗濯物が籠に収められた所であった。
「ふぅ……」
別にそれで疲れたわけではないのだが、自然とため息が漏れる。これはあくまでも一つの仕事が終わったということを自分で確認するための、いわば儀式に近いため息である。
「トーコ?」
すると不意に後ろから声がかかる。いや、正確には上からといった方がいいかもしれない。
洗濯物の籠を持ち上げながら、トーコと呼ばれた白髪の彼女は振り向いた。
あのふわふわの長い髪が優雅にゆれて、それは夕焼けの光をキラキラと反射する。
「悪いんだけど、すぐにお茶の用意してくれる? 三人分。私の分はいいわ」
声の主は二階からだった。窓から顔だけ出して、庭にいるトーコに声を掛けたのだった。
キリリとしまった口元、そして引き締まった身体にぴったりとなじむ黒のスーツ。ただその整った容姿とは裏腹に、目には少し隈がある様だった。
「あらあら、今からお客さんですか?」
トーコは洗濯物籠を抱いたまま、ちょっと困った様な顔をした。
何せ時間はもう夕暮れ時、この洗濯物を取り込み終わったら、晩ご飯の準備をしようと思っていたのだ。なのに今から来客となると……夕食の時間がずれ込みそうだ。
「水道局のヤツが来るって、今連絡あったのよ。なんか急ぎの用事みたいなのよね……」
トーコの表情を読み取ったのか、黒いスーツの方も少しため息混じりに答える。
「まぁ、それは仕方ありませんね……解りました、すぐに用意しましょう」
急用ならば仕方がない。
それに何よりも自分たちはそういった急用に応えるために、ここにいるのだから。
そう思い直すとトーコは笑顔でそう返したのだった。
「サンキュ」
そんな笑顔を見て、少し安心する声。
「でもナツキ、あんまり無理はしないでください?」
キッとトーコの表情が硬くなった。
「わかってるよ」
だが、ナツキはトーコが続けて何かを言おうとするのを遮って、返事をする。
どうせあのあとには小言が続くに決まっている。やれ寝不足だの、昼夜逆転するなだの、食事は定期的にだの……もう何度も聞いた科白だ。
それを続かせないためにも、ナツキはさっさと窓から部屋の中へ引っ込んでしまった。
「もう……」
トーコは眉間にしわを寄せながらも、洗濯物がいっぱいになった籠を持ち直すと、広い芝生を横切り、屋敷の中へと入っていく。
もう周囲を包んでいたオレンジ色の光はずいぶんと暗くなっていた。

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エロゲの買い方

今月、自分のブランドからソフトが出るわけだけれど、世の中のエロゲの買い方とボクが物を買うときの常識がまったく異なるので、記事にしてみたいと思う。まずはボクの買い物をするときの前提情報から。ボクは世間から見れば「オタク」という部類に入るのだけれど、「オタク」の人たちから見たら、オタクとは呼べないらしい。
確かにかつてはコレクター癖があったけれど、今はまったくそんなものはなく、同人誌を始め、膨大に所有していたコレクション類はすべて捨ててしまった。今じゃ漫画も買わないし、エロゲも買わないし(そもそもエロゲは数えるほどしか買ったことがないが)、アニメもまったく見ない。
そもそもボクの興味あることと言えば、最近の数学・物理やテクノロジー、国際情勢・政治、そしてコンピュータである。そしてそれらは「自分の作品」を磨くためにやっているわけだが、自分の作品を作る機会に巡り会えていないって言うか、いや、同人で全然いいんだけど、ここ2 ~ 3 年はまったくもって忙しすぎて何も出来ていない。

って、そんな話はどうでもいい。
そんなボクが買い物をするとき、どうするかというと、そもそも「予約」という考え方がない。何かがほしいと思ったら、その時になって買う。それがたまたままだ発売されていないモノであったら予約を入れることもあるだろうが。そして「特典」というのにまったく興味がない。だいたい趣味のモノってさ、10 年後にはゴミになるんだよね。本とかフィギュアとかまぁなんでもいいけどさ、物質は結局いつかはゴミになる。なのでそもそも「いらない」って考えている。
ただ「データ」ならいいかなって思う。例えばテレカとかさ、B2 タペストリとかさ、あの手のヤツだったらその絵のデータが欲しい。テレカそのものとかタペストリそのものはいらない。だって特典物なんてあんまりお金かけられないから、安い業者に出すし、印刷なんてぼろいし、布だってイマイチだし。そんなのに印刷されたものなんて限界があるわけで、それだったら印刷する前の絵のデータが欲しいよ。Windows の壁紙として表示するほうがよっぽどキレイだしいつまでも色あせないし(ディスプレイは経年劣化するけど、買い換えればいいわけで)。
だからこの手のでもしボクがほしいと思うなら、電子インク式のタペストリーやポスターじゃなかろうか。そうすればそれにデータを与えるだけで好きなポスターになるし、飽きたらデータ変えられるし。

翻って、エロゲはどうか? これは飽くまでも作り手から見た視点でしかないのだけれど、どうやら以下の傾向があるようだ。

  1. 販売本数≒予約本数
  2. 特典物が出そろわないと、予約しない

今のエロゲはほとんどが予約に頼っている。これはほとんどのユーザさんが予約して買うというのもあるが、販売店が在庫を抱えたくないというのもある。前者はともかく、後者の場合、それはエロゲに限ったことではないのか、それともエロゲだけそうなのか知りたいところだ。
次に特典物だが、これは各店舗が用意する特典物だ。たとえばサンタフル☆サマーだとこんな感じ。色んな店舗さん用の特典が有り、各店舗ごとにその内容は違う。これらの絵はメーカーであるボクらが用意するが、製造は各店舗が行う(メーカーが作って、ぜひこれを付けてくださいって店舗に渡すこともあるが)。
5 ~ 6 年前まではこれら特典物の絵というのは、開発からすればかなり後回しだった。それこそマスターアップしたあと一気に作るなんてことをやっていたし、ボクもついそのノリでスケジュールを切ってしまったりしてあとで広報に怒られることがある。でもそれくらい開発はキツキツなのだ。ゲームで使わないデータを作る余裕なんてないのである。
ところが今は予約を開始する時点でこれら特典物の絵が出そろっているのが望ましい。

ここで少し予約の説明を。
エロゲの予約はだいたい発売日の 3 ヶ月前から始まる。ビッグタイトルだと半年前、一年前なんてのもあるけれどおおむね 3 ヶ月前からだ。発売日の 3 ヶ月前なんてもろに開発真っ最中なワケで(なので個人的にはマスターアップしてから広報活動したい。またそういうメーカーもある)、しかも予約開始時にそれらの絵が揃っていなければならないことを考えると、さらにその 1 ヶ月以上前から作り始めていないと行けないわけで……。
ところでこの特典の絵はどうやって決まるかも説明しよう。メーカーはまずリリース情報(発売日やだいたいの内容、キャラの説明など)ってのを問屋さんに送り、問屋さんが各店舗にその情報を伝える。この時に「ヒロイン(キャラ)の情報」ってのも渡してあげて、さらにメインは誰でどれが人気でそうかっていう説明も一緒に付ける。
店舗さんはそれらの情報や過去のそのブランドの売上本数など見た上で、「どういう特典がいいか」ってのを決める。
絵の内容を決める方法がいくつかあるが、おおむね以下の三つ。

  1. 完全にメーカーが作り、店舗さんはその中から選ぶ
  2. 店舗さんにキャラと絵の内容の希望を募る
  3. 使えるキャラとだいたいこんな絵になりますっていうのを見せて、それを元に店舗さんの要望(服をはだけさせてとか、私服じゃなくて制服がいいですとかそういう要望)もある程度入れる。1 と 2 を足したようなやり方

そんなわけで、最早開発と広報活動はすでにがっちり絡み合っており、開発の中に広報素材のためのスケジュールというのも組み込んでいかなければならず、しかも特典物の絵ってゲームの絵より巨大なのが多い。例えばうちのブランドの場合、イベント・シーン用の CG ってのは 3600 x 2400 ドットで彩色しているんだけど、抱き枕は 4252 x 13071 ドットもある。B2 タペストリは DPI によるけれども4252 x 6851 ドット。PSD ファイルは 2GB を越えることもしばしば。原画にも彩色にも非常に手間がかかるのだ。

あぁ、なんか話がそれたな。そもそも今回は開発の話じゃないw
そうそう、予約の話。
要するにボクは「予約しない」「物質としての特典物はいらない」っていう考えの持ち主であるため、エロゲの買われ方があまりにも自分の考えと違うために、どうにも戸惑ってしまっているわけだ。特典物なんて「あ、特典つくんだ、へー」くらいにしか思ってないから、「予約開始までに特典物の絵柄を決めろ」とか言われても、「へっ? あんなもん開発終わってからでいいじゃん」って思ってしまうわけだ。
でも 2ch のエロゲのスレッドとか見ていると、確かに「○○店の絵柄はどうよ」とか「絵柄出そろうまで予約出来ないじゃないか、はよ!」みたいな書き込みは多い。それで二度びっくりですよ。「うへぇ、特典の絵とか気になるのか!」ってのがボクの正直な感想なのである。
まぁ、そんなだから、ボクの作品は売れないのかもしれないけどね(笑)。でもさ、そんな特典物つけるくらいだったら、その労力をゲームの中身につぎ込めよって思う。グッズはグッズで別で作ればいいじゃない。特に特典物なんてかけられる金額が決まってるから、いいものはなかなか作れない。すぐにボロボロになったり色あせたり、そもそも色が悪かったり……。だから絶対に劣化しないデジタル・データならともかく(CG 集とかサントラとか)、やっぱり物質の方はいらないよなぁ。それこそさ、B2 タペストリとか抱き枕カバーとか、A&J さんとかすっげーお高いところに出せるなら、まぁいいのかもしれないけど(それでもいつかはゴミになる)。

まぁ、そんなわけでボクの価値観と世のエロゲ販売の価値観が全然違うので、ボクはまったく口出さないようにしている。解る人に任せる、それが大事。ボクはそこで提示されたことを、開発の責任者としてちゃんとこなせば良い。それがボクの仕事である。