Top > Diary > 2007-06-25

音声収録

FMK0400.png

久しぶりに音声収録に立ちあった。
実はボクはシナリオ・ライターなのにほとんど音声収録の経験がない。というのも、シナリオを書き終わると次の仕事に取りかからなければならない状況が多かったからだ。スタジオで何時間もこもっている時間があったら、次の仕事をさっさとやれ、というワケである。
「このニュアンスってどんなの?」「これなんて読むの?」って電話がかかってきて、答えるってのがあるぐらい(笑)。まぁそもそもボクはボクの中で勝手に声ができあがってしまうので、作品に声が入った段階でボクの中ではすでに別物と思ってしまうのかもしれない。

あと忙しいので、自分で作ったゲームをプレイしないというのもある。
完成したらもう次の作品ということが続いているので、できあがった自分の作品をじっくりプレイしたこともない。いや、これ本当のことである(汗)。スクリプトを入力しているときに、その場所を何度も何度もプレイすることはあるが、全体を通して最後までプレイした事って、ないのである。もちろんフラグ・チェックのために全体を通すことはあるが、そのときはスキップ(もしくは CTRL )ぶっ飛ばしで、どの選択肢を選んだかだけをメモして、あとはエンディングまでノーウェイト。エンディングに来たら、どのエンディングに来たなとチェックして、また頭から CTRL ぶっ飛ばし。

だから今日の音声収録は新鮮であった。
そもそも自分のシナリオを声優さんや音声ディレクタがどう理解しているか?
これが興味深い。強いて言えば、ユーザーさんと直接対話させてもらえている様なものだ。ボクのシナリオを読み、「ここはどういうことなんですか?」「これはこれでいいんですか?」という質問を聞くと、「ああ、こういう表現をすると、こうとらえてしまうのか……」「ここはそういう意味で言っているのではないのだが……」というのがいろいろ解っておもしろいのである。

考えてみれば多くのシナリオ・ライターさんは、1 度に 1 作品しかやらないであろうし、その作品を完成させるために、その作品が完成するまでクオリティ・アップに努めるだろう。ところがボクの場合は、いくつものプロジェクトをやりくりしたり、その中でシナリオという業務があって、一つの作品だけ集中するというのはほとんどない。
作ったシナリオはそのままデバッガさんやほかのライターさんに渡して「あとはよろしく」状態である。完成したあとじっくり見返すこともなければ、どんな声が入るのかも解らない。
こんなのシナリオ・ライターじゃないねぇ……となんとなく思ったのであった。

でもね、ボクの性格もかなり問題がある。ボクは頭の中である程度シナリオをまとめ、そしてオチがきまり、全体の流れが決まった段階で「完成した気」になってしまうのである。もう何を書いて、どうすればそのシナリオは終わるっていうのが見えた段階で、ボクはもうそのシナリオへの興味をなくしてしまうのだ。
そして「次はこういうのをやりたいな!」と、もう今まで考えていたシナリオのことなどどうでもよくなっているのである。
だから、書き終わったシナリオは他人に渡して「あとはよろしく。気に入らないところがあったら好きにして」となってしまう。自分の作品がどう料理されようが、そんなことはもう知ったことではなく、「こんどはこのアイデアで!」な~んて勝手に夢ふくらませているのである。
困ったもんだwww

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Last-modified: Fri, 07 Mar 2008 14:11:23 JST (5885d)