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Live !

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今日はボクの仕事とはまったく正反対の世界、生の世界に招待されたので行ってきた。
一つはクラシックと賛美歌の演奏会。
もう一つは格闘技の試合。こちらは初体験と言うこともありかなり興奮。
まぁ、それぞれの話しをする前に、いろいろな前情報を(汗)。
演奏会の方はボクの親戚や教会の面々が中心となってやっているユーオーディアという音楽集団があって、そこの定期演奏会。実は 2006 年にも一度レポートしている。
一方の試合の方は高校時代からの友人龍英が修斗に所属しており、さらに彼が通っている GUTSMAN 修斗道場はプロモートも出来るジムで、そのジムが主催する試合に誘われたのであった。

第16回 ユーオーディア賛美の夕べ

場所は前回と同じオペラシティの竹光ホール。ここは前の日記にも書いたように、高音域がちょっとダメだったので、今回はそれを承知の上で音を聞くことにした。
とはいえ今回は S 席。
前回よりも音の良さを期待したのだが、なるほど確かに音は色々違った。
まず音のバランスが良い。
低域から広域に至るまで、まんべんなく聞こえてくる。
だが前回同様、高音域のつぶれ具合は相変わらずだった。バイオリン、ソプラノの音がごちゃっと混ざってしまって上手く分離してくれずにそのまま耳に届くので、わ~~んと共鳴を起こしたような変な感覚になる。
リバーブがかかりすぎるのかもしれない。
前も書いたかもしれないが、天井の設計に問題があるような気がする。

ところが今回初めて気付いたのだが、ソロの音は良く抜ける。
そこでハタとボクは正面にあるパイプオルガンに目がいった。
竹光ホールはオペレッタをやれるほど大きいホールではない。
フルオケ( 100 人以上)でもちょっと厳しそうに見える。
と言うことは、ひょっとしたらこのホールは小編成向けのホールなのかもしれない。ソロやカルテットぐらいの楽器構成でもっとも音が抜けるのかもしれないと思った。今度あのパイプオルガンを使う演奏会があったら行ってみたいなぁ。それで音が解るかもしれない。

演奏の内容は前半 1 時間後半 1 時間でちょうど 2 時間。
前半がクラシックで後半が賛美歌(とはいえ前半もキリスト教色が強い曲が多いが)、後半は賛美歌を作った人たちのちょっとした小咄とメッセージがあった。そして最後にクリスチャンの間では有名な「あしあと」をモチーフにした曲で閉める。このあしあとは、クリスチャンの人生を渚に投影してみると、自分の足跡以外に一緒に歩むキリストの足跡ができるという話だ。ところが途中、足跡が一人分しかない所がある。そこは人生の中で一番大変なところだった。あのときキリストは私を見捨てたのかとクリスチャンは問うと、キリストは「あそこは私が貴方を背負って歩いた場所だ」と答えるというまぁそういう話しを曲にしたものである。
歴代のクラシックがすごいなぁと思うのは、ボクには苦悩のあとが見抜けないと言う所だ(まぁまったくないわけではないのだが)。ところが、ユーオーディアや最近の人が作った曲を聞いていると「あー、この辺の盛り上がりをどうしようか迷ったんだなぁ」とか「その展開はちょいと間延びしすぎではないか」なんてことを思ってしまって、一人クスクスを悦に入ってみたりしている<ばーか

SHOOTING DISCO 4~ボーン・イン・ザ☆ファイティング~

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16:30 頃、オペラシティをあとにし、今度は新宿の歌舞伎町へ向かう。
新宿コマ劇場の隣りに、新宿 FACE という格闘技専門のライブ会場があるのだ。リングが常設されており、観客は 200 人程度であるため、気軽に試合を組めたりイベントを行うことができる。
今回招待されたのは、SRS 席という最前列の席。否が応でもリングの空気がビシビシと伝わってくる場所である。
今回の試合は基本的にフリースタイルで、修斗に限らずあらゆる格闘経験者が参加しており、ルールも打撃(いわゆるパンチ、キック)、投げ、関節技全部有り、顔面有り、マウントを取ったあとの攻撃も有りというかなりシビアなルールで、龍英曰く、古代ギリシア時代に行われていたルールとほぼ変わらないと言うことだった。
それを聞いてボクは少し緊張した。
しかし会場の雰囲気はボクの緊張とは少し違い、活気と闘気が入り乱れる空間だった。ただ殺伐とした雰囲気というよりは、お互いの強さを認め合う雰囲気であるようにボクは感じた。
そこはボクが好きなスポーツマンシップに溢れていて、罵りあいや罵倒、嫌がらせのようなものは欠片もなかった。

試合は第一試合から投げで KO という大波乱。
バックドロップで叩きつけられた選手がその場で失神。勝負が決まるのが本当に一瞬だった。
この日の試合では投げの KO が二つもあり、投げ技の恐ろしさを目の当たりにすることとなった。古代ギリシアでは床が大理石だったらしいので、今回投げで KO された二人は確実に死んでいたことだろう。
そして軽量級、重量級で戦術が全く異なることもよく解った。細かく動き、手数を増やしていく軽量級に対し、パワーで組み伏せる重量級。ただどちらも秒単位での攻防がめまぐるしく展開されてゆく。
一見、組み合っているだけのように見えても、上級者の方が様々な動きをしていると言うことも解った。身体をよじったり、手を通す場所を変えたり、攻める方も守る方もその動きは上級者になるほどめまぐるしい。
龍英曰く、上級者ほど様々なテクニックを知っているわけで、相手に合わせてその戦法や防御方法を変えることが出来ると言うことらしい。

詳しい試合は格闘技に明るくないボクが解説するよりも、速報がサイトに載っているので、こちらを参照するといいかもしれない。

KO は他に、眼底骨折(?)による TKO が一つあった。
こちらも一瞬の隙をついて入ったパンチが見事に決まった。

思ったのはスポーツ競技とはいえやはりかなり危険な試合であるということである。文字通り、彼らは命をかけているといってもボクは過言ではないと思った。そしてその中で繰り広げられる彼らの必死さと空気は、ボクの持っている言葉では表現しにくい鋭い空気があることを感じた。
また勉強になったのはセコンドの力である。
ガードが下がっている、脇が空いている、顔面への膝蹴りの注意、経過時間……などなど、選手が戦闘に夢中になってしまって見落としている点を次々と投げかけて行く。それによって選手も冷静さを取り戻し、試合を有利に進めることができる。
このセコンドの力を生で知ることができたのは良かったと思っている。

あとねー、写真!!!
ずっと撮影禁止だと思ってたんだよ────!!!
演奏会の方は撮影禁止って言われてたので、諦めてたんだけど、試合が終わってから龍英に、写真撮っていいの? って聞いたら「いいに決まってるじゃん」の一言が。くそー!! 撮りたいシーン、いっぱいあったよ(T^T)

ゲームとライブの関係

実はゲームを作っている僕たちと、今回のようなライブとは対極の位置にいると思っている。なぜなら、本番というものがボクらにはないからだ。それよりもボクらの仕事は、様々な偽物を使って本物を擬似的に用意することが仕事なのだ。コンピュータ・ゲームとは様々な絵や音を駆使し、ストーリー上のその場そのものを作り上げる。
一方、ライブはそれそのものを用意するのだ。
演奏家も格闘家も、その日のために最大の力が出せるように毎日を過ごし(練習や鍛錬)、そしてその日に全てを出し切る。
僕たちは毎日を、その偽物の世界を作ることに精神を降り注ぐ。
ゲームの画面などが現実に近付こう近付こうとしているのは、そういう違いから来ているとボクは少なからず思っている。

だがゲームにはライブを超えられない一つの限界点がある。
たとえば、臨場感溢れる演奏会場。
殺気溢れるシビアな闘技場。
ゲームでどんなにそれを表現しても、プレイヤーが一度でもライブを体験していなかったら、ゲームから伝わる本当の臨場感を、プレイヤーは受け取ることが出来ないだろう。僕たちの作るものは、受け手が体験してきた様々な【生の経験】の上に成り立っているのである。
そういう意味で、制作者サイドである我々が生を体験することは、非常に意義があるとボクは思っている。ボクが旅行が好きなのもその一つだ。写真やテレビでは味わえない現地の味がある。
今日のライブが、ボク自身に様々な教訓を与えたことは間違いないと思っている。

でもまぁ、腹は減ったよね(笑

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と言うわけで最後に寄ったのが、西荻にある Village Vanguard というアメリカ式バー。本業は雑貨の輸入販売店らしいのだが、外食も始めたらしい。
で、これが意外と美味しい。
アメリカの料理だからなーなんて思ったんだけど、ハンバーガーもおいしいし、様々なサイドメニュー(アメリカ~メキシコって感じ)も豊富で、あと店の雰囲気もいい。
料理の写真は撮ったんだけど、部屋が暗すぎて何が何だか解らなかった……orz

と言うわけで、ここはスナック好きの Den. を連れてまた来よう(笑)。
そんなこんなで忙しいながらも、とても楽しい一日であった。

  • 昨日はお疲れ様。レポートを読ませてもらいましたが、楽しんでもらえて何よりです。今回は比較的経験の浅い選手が多かったので膠着した展開が多くて退屈しないか心配でしたが、相変わらず鋭い目線で観戦してくれたのでうれしく思っています。今回やはり衝撃だったのは投げによる失神KO劇でしたね。修斗に限らず全ての格闘技で投げによるKOは珍しいのですが、タイミングによっては一撃で相手の意識を刈り取る威力があります。またセコンドの力にも着目してくれたのは嬉しいです。格闘技は試合そのものは個人競技なのですが、そこに至るまでは多くの人達との連携が必須不可欠であり、チームワークや道場のサポート力も試合に大きな影響があることを解ってもらえたともいます。 -- 龍英 2008-02-25 (月) 00:22:01
  • 少し古代オリンピックの話が出ましたが、詳しく掲載されたサイトを紹介 -- 龍英 2008-02-25 (月) 00:24:15
  • http://www.geocities.co.jp/Athlete/5207/olympia.htm   -- 龍英 2008-02-25 (月) 00:24:56
  • 現在指導して頂いているレスリングの先生によると、当時のギリシャの壁画には、現在でも使用されている投げ技や関節技が描かれているそうです。そういった長い歴史や、変革を経て現在に至る格闘技の技術があるのだと思うと、競技者として感慨深いものがあります。そういった歴史をふまえて格闘技の試合を観戦すると、より楽しんでもらえると思います。よく考えたら音楽も同じですね、今度はたまきんの解説でコンサート行きましょう(笑) -- 龍英 2008-02-25 (月) 00:33:10
  • 考えてみると、西洋音楽も遡るとギリシアなんですよね(ピタゴラス音階とか)。ギリシアってすごいなぁ。 -- たまきん 2008-02-25 (月) 20:06:26

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Last-modified: Fri, 28 Mar 2008 04:49:25 JST (3466d)