Top > Diary > 2008-04-22

クラシックの聴き方

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YouTube にこんなのがアップされていた。

なるほど、これは良い方法かもしれない。
でもコメントをざっと読んでみると、リズムが違うことしか気づいていない人が多いようなので、素人でも解るクラシックの聴き方をちょっと書いてみた。もちろんこれは入門的な……というんだろうか、聞いて解る程度のことしか触れていない。
実際にクラシックを心から楽しめるようになるには、ある程度音楽的な知識や素養も必要になるからだ。

まぁそれはさておきクラシック・ブームが来ても、演奏されるのは解りやすい曲ばかりである。キャッチーなメロディと 10 分以内……いや 5 分以内で終わる感じの曲ばかりが取り上げられる。これらはすべて「解りやすい」という言葉に集約されている。
パッと聞いて、すっとメロディが入りそしてそのメロディが持続したままで、雰囲気も同じままでいる部分が切り出されるのだ。だからたとえばベートーベンの交響曲第 5 番も一楽章だけがとりあげられて、他の楽章は放置される(笑)。

さて、上記の指揮者の違いを聞いて、何を感じただろうか?
曲のスピード(テンポ)について気づいた人は多いだろう。
けれどスピードは、何も拍子が早い遅いだけではない。
ベートーベンの「運命」の冒頭、「じゃじゃじゃじゃ~~~ん」でも「じゃじゃじゃ」が速くて「じゃ~~ん」が遅かったり、そのまま「じゃじゃじゃじゃ~~~ん」と同じ速さで来るものもある。つまりクラシックは軽音楽と違い、ビート(一定間隔の決まったリズム)を刻むことはできないのだ。
テンポは刻一刻と変わる。
そこに、日本語にも似た「間」というものを感じ取ることができたら、クラシックは面白くなるんじゃないだろうか?
「じゃじゃじゃじゃ~~~ん、じゃじゃじゃじゃ~~~ん」と二回続いたあと、音が小さくなることに気づいたと思うが、どれくらい小さくなるかも指揮者によって違う。そしてそのあとに来るフォルテの「じゃじゃじゃじゃ~~ん」に至るまでのテンポ……というか間のようなもの(もったいつけたようなテンポの取り方)、それを感じると、次に来るフォルテの「じゃじゃじゃじゃ~~~ん」の意味合いが、聞き手の中で増してくるはずである。
そう、音楽を「間」でとらえる。これならクラシックや音楽の知識がなくてもできそうだ。
するとどうだろう、指揮者によって「何を大事にしているか」が見えるようになることに気づくだろう。
ある指揮者はものすごくもったいぶる、でも別の指揮者はさっさとその場所は通過してしまう……とおもったら、別の場所でゆっくりになり、音量も小さくなり、そして一気に音量がでかくなった……という具合である。
それを見つけることができたら、今度は自分の好みを見つけることだ。
心地の良いテンポの落ち方、音の大きさ、あなたにあった指揮者がどこかにいるはずである。
これは自分の呼吸や生活のリズムに合わせると良いと思う。どういうときにゆったりしているかな、どういうときに忙しいかな……一日の生活リズムの中に今流れている曲の緩急を当てはめていけば、自分の好みの演奏方法、すなわち指揮者が見つかるはずである。
この部分は音楽的なものは取り除いて、単純に好き嫌いで決めてしまってかまわないと思う。

クラシックは長い。
どれも同じように聞こえる。
そして何よりも退屈。

そんなことはない。ちょっと聴き方が解れば、実は軽音楽では足元に及ばないほどの変化を感じ取ることができるだろう。そしてその変化に聞きたいという心がついて行ければ、それはクラシックを聴く素養を持っているといって間違いないとボクは思っている。

まぁボクみたいな人間がクラシックを語るのはおこがましいというか、甚だ出過ぎたことではあるのだけれど、クラシックが長く聴けない人がいたら、上記のことを少し思いながら聞き直してくれるとこれ幸いである。
もしそれでクラシックを聴いても苦痛ではなくなったなら、よりもっとクラシックを楽しめる方法を紹介しようと思う。

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Last-modified: Wed, 23 Apr 2008 07:07:47 JST (5840d)