ちなみに始めに断っておくと、ボクは Apple 信者ではないが、Jobs には実はわりと傾倒している。だが、Apple 製品は一切買ってこなかった。それは必要がなかったからと言うのと、Jobs は好きだが Apple はどうでも良かったからだ。
ボクがコンピュータのインターフェースに目を向けるようになったのは、NeXT であり、概念やコンセプトを商売にしている Jobs には尊敬の念を抱いている(彼の人間性とかはともかくとして)。ところで、ここで誤解のないようにボクなりの Apple の見解を述べるのだが、Apple が革新的か、そして創造的かというと、ボクは No である。
Apple(なのか Jobs のどっちなのかは知らないが)のすごいところは、既成概念でもそれがしっかりと使い物になるというレベルで商品を出すことだ。例えばタッチパネルにしても何にしても、日本のメーカーがそれこそ 10 年以上も前から存在していた。音声認識にしてもしかり。ただ、日本のメーカーが作ったものは、ピーキーすぎる。その技術ができるようになったからと言って、何でも搭載してくる。ところがその時点では CPU の処理速度も足りてないし、メモリも足りないしで、すごいもっさりだったり、使いにくかったり、そもそも何をする機能なのかさえも理解されないまま消えていくことが多かった。
iPhone で出来ることは、実はガラケーでも余裕で出来る。しかし、iPhone になって初めてネットの恩恵を感覚で知ったというユーザは多い。Apple のすごいところは技術が発明されてすぐにそれを採用するのではなく、それらが熟成し使いやすくなったところであたかもそれが新しい概念化のようにデビューさせるのがすごいのだ。しかも、UI は洗練されているのでパッと見今まで誰も見たことの無いような代物に見えるわけである(笑)。いままで重くてうんこみたいだった日本メーカーの機能が、iPhone ではサクサクと出来る。その証拠に、使い物にならないレベルで出した Apple のプロダクトはそのままお蔵入りになっている(笑)。