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広報というか周知の方法

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長いことゲームを作ってきているけれど、その作ったゲームをどうやって売るかと言うことに関してボクはずっと関わったことはなかった。正直なことを言えば、あまり関わりたくないし、それは作る側の仕事ではないとも思っている。
そもそもボクはお金にあまり執着がない。
関わったゲームが売れようが売れまいが、ボクにはあまり関係のないことで、ゲームを作ることそのものがボクの生き甲斐みたいなものだからだ。だからゲームさえ作れていれば幸せな、ただのゲームバカなのである。が、残念ながらお金がないとゲームが作れない。
今ボクが関わっているとあるブランドは、2 タイトル発売したが、2 タイトルとも赤字だ。いや、もちろん赤字は折り込み済みなのだが、先が見えない赤字なのだ。先が見えない赤字というのは要するに「黒字化できる見込みが見えない」ということだ。
たとえば最初は 3000 本しか売れなくても、次が 3000 の後半とか 4000 を超えるとかすれば、何となく 1 タイトルごとに 1000 本ずつ増やしていって、8000本くらいに 2 年後になってそこから赤字回収だな、みたいなビジョンが描けるんだけど、そんなビジョンさえも描けないくらい売れていない(汗)。
端的に言えば「作れば作るだけ赤字になるんじゃね?」という状態なのである。

それだったら、じゃぁ作らない方がいいわけで、ブランドを閉鎖した方がいい、という話になってしまう。

そんなわけで、どうやって作ったものを売っていくかということをボクが考えなければならなくなったのである。でもねー、ボクは宣伝とかそう言うのがさっぱり苦手で、正直何をすればいいのかさっぱり解らない。
だいたい開発者というのは正直である。
自分の作品を売り込みたくても、作品を知っているから、その作品をそのまま語るだけである。当然、作品の欠点も解っているからどうも「これがすごいんです」と声を大にして言えない*1
あと作品の情報がユーザーの手元に届く過程もいまいち理解できていない。
そもそもなぜ 10 万本クラスのソフトはそんなに売れるようになったのか?

  • 作品のクオリティが高いから?
  • 時流に乗ったから?
  • ブランドの歴史的なもの?
  • 何か宣伝に仕掛けやヤラセをした?
  • 単純に、絵?

雑誌に特集を組んでもらったらそれで大半のエロゲ・ユーザーにとりあえずそう言うソフトが出ると言うことは行き渡るものなのだろうか? それともネットで情報を出す方がいいのか。
ネットで情報を出すにしても、公式サイトに載せておくだけじゃダメで、niconico とか YouTube とかに積極的に情報を出したり、2ch とかにリンクを貼り付けたりしないとダメとか。
正直、何をすれば解らないのよねぇ。
そもそもこういう宣伝って、ノウハウとか定石とかそう言うのが存在しているのか、それすらも解らない。手探りで、何となく広報というものの知識を現在収集中なのである。

まぁでも一番問題なのは、ボクがエロゲをプレイしないことなのかなぁという気もしている。
そんなわけで来年はそんな暗中模索の一年になりそうだ。そしてこの広報関連のことはかなりボクにストレスとしてのしかかっているのであった。

  • お疲れ様です。やっぱり現役の複数のユーザーとオフ会などで、意見交換するのが手っ取り早いのじゃないのでしょうか。ネットやメールでの情報収集も大切でしょうが、やっぱり買い手の本音は直に会ってみないとつかみにくいような気がします。エロゲーはコンシューマーのように超巨大なコミュニティを形成しているジャンルではないようなので、そういったどぶ板的営業も結構有効だと思うのですがどうでしょうか。あと他社の営業の人との意見交換とかはできませんか?しかし本当に何でもやらないといけないんだなあ。 -- 龍英 2008-12-24 (水) 00:44:01
  • 売れるかどうかはまず「認知」ありき、だと思います。 絵は最も印象を与えやすい部分ですが、他にも作品のクオリティはもちろん、顧客が購入しても良いと思わせるポイント(様々な特典等)も大きなウェイトを占めるのではないでしょうか。 なにせ昨今はこの不況。 オタ業界といえど不況の影響は受けかねない訳で、限られた顧客層の財布から金を引き出すには、ある程度他作品との差別化が図れないとどんどん難しくなっていくと思います…; -- 阿修羅? 2008-12-24 (水) 01:49:51
  • 広報&営業に関しては、流通出身のベテランの人がボクの上についてくれています。そこからとにかく何でも学び取ろうと思います。ユーザーとの交流はしたいですね。ただ、ボクの作品を売り込む場合はちょっと事情が異なってくるので、悩み中ですが。2009 年は自分の作品を売り込むことになりそうなので。認知に関しては本当にその通りだと思います。また今回の世界規模の不況も、じわじわとボクらの業界に影響を及ぼしてくるでしょう。ゲーム作りが続けられるように最大限の努力をしていきたいと思います。 -- たまきん 2008-12-24 (水) 13:44:14
  • ユーザー視点より。私は、某サイトで新作チェック。そこで自分の好きそうなジャンルのゲームを探し、体験版プレイ。ここで、即予約か、評価待ちかを決めます。 -- Sakura? 2008-12-24 (水) 23:41:29
  • 失礼。上の続き。評価待ちの場合、発売後評価の内容によって購入を決めます。チェック項目としては、ライター・原画・声優がメインです。個々の注目するところは違うと思いますが、体験版、他人の評価は重要ではないでしょうか。必要のない駄文失礼しました。 -- Sakura? 2008-12-24 (水) 23:50:44
  • 貴重なご意見、ありがとうございます! 最初の情報はネットでチェックなのですね。そしてジャンルですか。なるほどなるほど、参考になります。 -- たまきん 2008-12-25 (木) 23:07:28
  • ぼくは新作情報サイトを見て興味のある作品のwebサイトに行って内容とかを見て決めてますね。体験版はやらない派ですが、体験版をやった方の感想は参考程度にたまに見ます.あとはぼくもやってますがレビューサイトをみたり、巨大レビューサイトの影響力は凄く大きいみたいです。 -- ぼくかけ 2008-12-26 (金) 00:13:03
  • ご意見ありがとうございます! 「興味のある」の興味というのは、エロゲだとやっぱり「エロ要素」がまず来るんでしょうか。シチュエーションとか、登場人物(ロリ・巨乳など)とか。それともお話とか世界設定から入る人もいるのかなぁ。レビューサイトというかまずは人柱の反応を見るっていうのが現在の流れみたいですね。 -- たまきん 2008-12-26 (金) 22:35:22
  • ぼくの場合は登場人物(主人公)とお話、世界設定ですね。エロはあまり気にしません(エロゲなのに)。ぼくのサイトがもう少しHIT数が多いならアンケートなどでお手伝い出来るんですが、へっぽこサイトですみません(涙) -- ぼくかけ 2008-12-27 (土) 00:40:43
  • あとサイト見に行く前はブランドか題名を見ていきますね。題名である程度ジャンルは分かるので意外と重要です -- ぼくかけ 2008-12-27 (土) 00:42:30
  • こうしてみると、第一印象でそもそも「琴線」に触れるかどうかが肝心みたいですね。周知されていたとしても、「自分には興味がない」「どうでもいい」「ふーん」と思われてしまったらそれでその人にとってはその作品は終了と。でもそこから先のような気もするんですよねぇ……。「興味ない」と判断されても、回るサイト回るサイトで、その作品のバナーが表示されれば「じゃぁサイトぐらいには行ってみよう」と思うものなのか、レビューサイトでその作品が高評価だと「じゃぁやってみるか」に変わるのか。ただ体験版のレビューで判断してくれるならともかく、流通や販売店は予約数でそのブランドの価値を決めてしまうので、発売後のレビューで評価されても、売上本数が初回の倍ぐらいにならないと、流通や販売店はけっきょく最初の予約だけで判断してしまうので難しいです……。 -- たまきん 2008-12-28 (日) 14:55:59
  • ユーザーの財布は一定なので、競合する作品とタイミングがかぶらないのは重要で、そのためには、開発が遅れないことですね。遅れるとPR等もすべてずれるので、スケジュール管理は本当に大事。そのうえで、販促ですが、ファミ通のような圧倒的に影響力がある媒体がないのなら、SEOをうまくやることなんでしょうな。ロングテール的な需要が多くはないけど、息が長く売れる商品にはSEO対策が有効で、これは品揃えを増やしておくのが良いです。ゲームは販売直後に評価が決まってしまう傾向があるのなら、やり方が -- こじいち 2008-12-31 (水) 04:26:24
  • やり方が違ってくるのかもしれませんが、コレクターからの需要なども後から狙うのも数千本単位の需要を上積みするには有効かもしれません。 -- こじいち 2008-12-31 (水) 04:28:47
  • 「第一印象」というのを金をかけずにやりたいというのならば、リリースの出し方をうまくやる。広告でなく、広報をうまくやる。となると、特定媒体への事前リークをやって、記事を書いてもらうことですかね。PRのやり方としては、どんなキーパーソンが露出に協力してくれるとか(出たがらない奴は全く出てくれない)、いろんな条件があるのだけど、ただ露出を増やせば良いというレベルの「広報」でなくて、アパレルとか化粧品のPRでブランディングも一緒にやる「プレス」の職種を参考にやっていくと良いかもしれませんよ。 -- こじいち 2008-12-31 (水) 04:33:51
  • アドバイス、ありがとう。他業種からの広報の知識も欲しいと思っていたので、嬉しいですね。開発スケジュールはとにかく死守したい所。この辺のを踏まえつつ、戦略を練ってみます。 -- たまきん 2008-12-31 (水) 15:27:03

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*1 まぁこれは、そもそもボクが自分の作品を作っているわけではない、と言うのも大きいと思う。

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Last-modified: Wed, 31 Dec 2008 15:27:03 JST (5587d)