Top > Diary > 2009-08-22

コンテンツ 0 円という時代

rural_yn02e.png

やや旧聞だが、トップページにゼロ化を飲み込むフリービジネスモデルの構築を急げという記事が貼ってある。実はインターネットが普及し始めて以来、いや、ひょっとしたらパソコンが普及し始め「フリーソフト」「フリーウェア」というものが世に出始めてから、「コンテンツは無料」という認識をされ始めているなぁと感じていた。
これが具体的な「危惧」に変わったのは Google が登場してからなので、ボクとしてはちょっと遅すぎたなぁと感じている。

まぁ、それはさておき、ネットのコンテンツでお金を取りたいと企業は常々考えており、それはパソコンで無料で手に入る情報であっても、携帯電話の情報サービスでは有料という事が示している。

しかし、今やネットゲームの基本無料化をはじめ、コンテンツを無料で提供するというのが常識化しつつあり、そして消費者側もコンテンツは無料という認識を持ち始めている。

これに拍車をかけているのが、いわゆる「バンドル・ソフト」だ。PC やビデオ・キャプチャ・ボード、DVD-R ドライブなどを買うと、たくさんのソフトがバンドルされている。PC なら、MS Office や年賀状ソフトや家計簿ソフト、ビデオ・キャプチャ・ボードなら録画ソフトにそれを DVD や Blu-ray で見られるようにする焼きソフトなどである。これらはもちろん商品の値段に含まれているわけだが、消費者は目に見える現物にどうしても目がいってしまい、ソフトにもお金がかかっていることにあまり気付かない*1

何が言いたいかというと、パッケージ販売をしているソフトウェア・メーカーはその製品を「無料」で提供できる仕組みを作り上げないと、滅びるしかないのではないかということだ。コンシューマもネットワークを利用するのが当たり前になり、ダウンロード販売に移行しつつある。またネットワークを利用するため、ソフトだけ持っていたのでは意味はなく、そのネットワークを利用するためにお金を払わせるというビジネス・モデルに移行しつつある。

さて、エロゲーはどうか?
3 年後、5 年後もパッケージ販売を続けていていいんだろうか?
というわけで、実はこの 5 年くらい、エロゲ本体は無料で提供しつつ、収入を得る方法ってないものかずっと考えている。前にも携帯コンテンツについて書いたことがあるが、これもその一環なのである。
携帯コンテンツに関して言えば、最近の 10 代 20 代は PC を個人所有せずに携帯電話で済ませているという傾向もあり、今後のエロゲ・ユーザを増やす意味でも、携帯コンテンツは必須であると思っている。

で、今のところ、いいアイデアがないんだよなー。
エロゲーってさ、基本的に閉じた世界って言うか、登場キャラの女の子が主人公としか関わりを持たないじゃない。これってつまりネットワークと相反しまくりなんだよね。だから美少女系のネットワーク対応というと、ユーザに対してキャラがあてがわれるので、同じキャラが何人も出てきてしまうし、キャラ同士の交流が非常にし辛い。
男性は支配欲・所有欲が強いから、自分が手にしたモノをオープンにはしてくれない。
かといってアバターをユーザにあてがうにしても AI の限界があるから、持続性に限界があるし、ネトゲーは物語というのを非常に提供しづらい。結局、物語を楽しむのであれば閉じた世界になってしまう。あとアレだよ、どういうプレイ(エッチのこと)ができるかが解っているだけに、「俺はこの子とこんなエロい事してます!」ってネット上で宣言しているようなもんだし(笑)。

妥当なところは、まずシナリオ(や、エッチのプレイの種類。SM とかアナルとか足コキとかいろいろ)を小分けにして、ユーザが好みのキャラだけのストーリーを配信していく。ユーザは自分がプレイしたいシナリオを自由に選んで、その分だけのお金を払う。そして少しずつゲームを拡張していく。これには他のシナリオを買うと、今持っているシナリオがさらに増えたりするような仕掛けも必要だ。
さらに画像に関してはアバターと同じ感じで、服装や装飾などをユーザが好きに設定できるようにし、その服装や装飾にお金を出してもらうようにする。
これらはもちろん携帯電話と連動する。
まぁでも、こんなことは誰でも考えられるよね。正直、これだけじゃボクもダメだと思っている。
斜め上でもいいので、これらを打ち破るコンテンツ配信方法を考えないとなぁ……。

あと、値段ね。正直言って、たとえば上の小分けしたシナリオ、1 本いくらまで出すって言われたら、ボクは 1 本 100 円~ 500 円だなぁ。女の子に気に入った制服を新しく着せる場合、1 着 300 円が限度だよね。
たとえばあるキャラと相思相愛になって H までいく 1 本のシナリオのコストを考えてみよう。
だいたい共通ルートが終わって、キャラルートに突入すると、200kbytes ~ 500kbytes くらいが多いみたい。一番安く済ませるとして、200kbytes 。シナリオ代 20 万円。
イベント CG は 20 シーンは欲しい。原画を 1 枚 1 万円、塗りを 2 万円でやってもらうと、60 万円。その他演出とか組み込みとか、もろもろ 20 万円、声優代はピンキリだけど、まぁ 50 万くらいとして、20+60+20+50=150 万円。
もちろんこのほかに、バストショットや共通背景、基本システム、サーバ維持費なんかがかかるけど、そっちは共通ルートや他のシナリオにも関わるので、とりあえず計算しないでおく。

150 万円のシナリオを、100 円で配信した場合、1 万 5000 人が買って元が取れる。

厳しいな~~~~~~~~(笑)。

コストの安さで生き残る

ただ、コンシューマと違ってエロゲ業界は小人である、という利点がある。
だって 10 万本売ってたかだか売り上げが 5 億円程度である*2
ボクが関わっているプロダクトなんて制作費 1 千万 2 千万の世界だ。年間の維持費なんて、コンシューマ業界から見ればたかがしれる。
つまり何が言いたいかというと、細々とパッケージ販売だけをしていても、年間 3000 ~ 5000 万円程度の売り上げでも生きてはいけると言うことだ。

はてさて、これから先、どうしたもんかなぁ~~~~。

  • そういった配信によるものだと、エンディング後のラブいちゃが(制作側が作り続ける限り)楽しめるというユーザー側のメリットもありますね。やり過ぎると、なんとか商法とか呼ばれたりしていしまいそうですが(笑) -- 木馬? 2009-08-23 (Sun) 14:47:13
  • 安ければユーザーさんはそんなには文句ないかも? それこそ 1 個 100 円 200 円なら。でもそのためには有料会員が 5 万人~ 10 万人いないと、ペイできなさそうです。10 万人全てが全てのシナリオを買ってくれるわけではないので……。 -- たまきん 2009-08-24 (月) 11:09:20
  • 単純にパッケージ販売だったものをDL販売に切り替えた場合、コストとしての差額って結構でるものですか?<印刷代やメディア代など
    結構同人系メーカーがパッケージとDLで2種類販売しているのが多くあるので。ただ、こういうメーカーのゲームはテキスト量がだいぶ少ないのでその辺りから安いのかも?と思えてもきますが。 -- へぽかる? 2009-08-24 (月) 13:01:36
  • パッケージと DL の値段の差異は、ビジネスソフトのそれが参考になると思います。例えば一太郎はパッケージが 9240 円(なんとエロゲと同じ!)、ダウンロードが 7770 円です。エロゲもまぁこれと似たような感じになるのではないかと思います(新作の場合)。同人に関してはへぽかるさんのご指摘通り、ゲーム規模が様々すぎて、何とも言えないです。ただ製品と違って特典がないものが多いので、ダウンロードでも OK っていう理由はありそうですね。 -- たまきん 2009-08-24 (月) 18:51:23

    #article


*1 逆にソフトをバンドルすることによって、製品が安くなっている場合もある。
*2 もっともそれだけ売れれば、その他に付帯する商売が出来るので、何倍にもなるけどね。グッズとかマルチメディア展開とか。

リロード   新規 下位ページ作成 編集 凍結 差分 添付 コピー 名前変更   ホーム 一覧 検索 最終更新 バックアップ リンク元   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: Mon, 24 Aug 2009 19:00:13 JST (2803d)