Top > Diary > 2009-08-27

戦争を知ろう!

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事務所の行き帰りは、ラジオを聞くことがある。とくに J-WAVEGLOOVE LINE という番組は、シモネタとセクハラが大好きなボクにとって、お気に入りの番組である(をい)。で、なんの番組かは忘れたんだけど、クラスター爆弾についてどーのこーのとかいう社会問題を取り扱う番組で、対人地雷排斥運動をしている NGO の方が出演なさっていて、いろいろ非人道的兵器について説明していた。
レポーターの方は非人道的兵器というのがあるが、人道的兵器というのはあるのか、という質問に対して、その人は答えることが出来なかった。非人道的兵器というのは、必要以上の苦痛を与える兵器のことだと言うのは教えてくれた*1
たとえば対人地雷は殺人を目的としないモノもある。丁度四肢がなくなる程度の爆発力のもの。これを非人道的兵器だとその人は表現していた。ただ、なぜそういう兵器があるのかは理解していないようだった。

ものの見方は視点や立場によって様々である。ボクは兵器については素人だし、ボクよりも詳しい人はたくさんいるので、上の定義が正しいかどうか、ボクは判断できないが、少なくともこの NGO の人は戦争がどういうものかはあまり解っていないんじゃないかなぁと感じた。もちろん、ボクだって解ってないけどね。
ここでいう「戦争が解っていない」というのは、一人一人の兵士の心境だとか非戦闘員が殺されることの非人道性や無差別性がどうこうとか、残された遺族の悲しみと怒りと云々とか、虐殺がどうこうとか民族浄化がどうこうとか……そう言う部分ではなくて単純に「戦争とはどうやるか」という部分である。たとえば対人地雷で四肢を吹き飛ばすだけの殺傷力に調節してあるのはなぜか?*2 それは殺すよりも負傷させた方が敵前線へのダメージが大きいからである。
負傷した場合、一緒に戦っている兵士はその負傷した兵士を後方へ送らなければならない。これは軍によっていろいろ決まりがあるが 2 ~ 3 人がかりで行う。ということは対人地雷で一人を負傷させれば、兵士が 3 人~ 4 人減らせることになるし、人命を奪うこともない、と言う具合である。つまり意外と人道的な観点で作られた武器なのだw(マテ)
これは小銃で撃つときも、なるべく弾を貫通させて、殺すよりも負傷させることを目的とする方法も最近の訓練では取り入れられている。とはいえ戦闘中のアドレナリン出っぱなし、恐怖と興奮状態の兵士がそこまで冷静に相手を撃てるか……という問題があるけど。

また上のような負傷をさせるという考え方は先進国の正規軍に適用される理論であって、泥沼の接近戦や、人命よりも権利や主張を優先させるテロ組織相手には通じないかもしれない。

他にも正面からぶつかり合いの戦争においても、だいたい兵士の 1/4 が喪失されればこれはもう負けである*3とか、1 人の兵士を運用するには 4 ~ 5 人の非戦闘員が必要(兵站や医療など)とか。よく戦国時代でも、信長軍何万、浅井朝倉連合軍何万なんて話を聞くけれど、それらを動かすには、その 3 倍以上の非戦闘員が従事しているというわけである*4

ラジオを聞いていて、こういう勉強って、別に戦争に関係のない人でも普通に授業で勉強すべきかもしれないと思ったのだ。あと銃の取り扱い方。リボルバーとオートマチックってのがあって、どうやって装填されて、どうやって弾が出て、フルオートとか三点バーストとか、そう言う知識を一般人も持っていた方がいいんじゃないかなぁと思ったのだ。
兵器=野蛮なもの、悪、という構図はまぁいいんだけど、この世に存在している以上「必要とされて生まれた」という認識をまず持たなければいけない。そして日本に住んでいる限りはそれらが自分自身に向けられるという可能性は低いかもしれないけれど、いつ世界がどうなるか解らないし、いつ自分にそれが向けられるかわからない世界だというのも確かだ。だから反対運動もしていく必要があるし、それを世界へ働きかける運動も大事なわけだけど。
そして何よりも、そう言った兵器に対する反対運動を起こすにおいても、その兵器の使い方、使う側の心理状況、そしてその兵器が生まれた経緯を知ることにより、より効果的な反対運動や反対する動機付けが明確に確固たるものになるのではないかなぁと思ったのである。

反対運動に欠かせないもう一つの要素が歴史なんだけど、まぁそれは今回とはテーマが違うので置いておく。

そんなわけで、兵器を忌み嫌うだけでなく、その運用方法、どうして生まれてきてしまったのか、それについて考え、兵器についてよく知るのも、平和な世界を目指す第一歩なんじゃないかなぁ。そのためにも、平和運動活動家の方々には是非、グアムやアメリカ南部とかに行って、実弾射撃をがんがんしてくるといいと思うお!<そこかよ!

  •  対人地雷排斥運動をしているNGOっておそらくカンボジアのことだと思うけれど、現地在住のライタークーロン黒沢さんによると、こういったNGOの職員は皆お大臣のような生活をしているそうです。ほとんどがカンボジア大使館の親族の奥さん連中だそうだが(彼曰く手かざし系)我が国の税金が大量に流れ込んでいる。うさんくせえ!
     でもそのラジオのレポーターの方は厳しい突っ込みをしますね。TVではまずできない質問だ。
     何にせよ「社会抗議活動をするならば、理論、計画、実行 が伴わなければ偽善を内包する自己満足に過ぎない。」というのは大学時代の恩師の言葉ですが、感情論だけで暴れられるのは困ったことです。 -- 龍英 2009-08-30 (日) 12:56:59
  • 生活のために社会奉仕活動をしている人は多いですよね。差別を扱う権利団体も、差別がなくなったら逆に食えなくなるので、差別を助長させたりするというような噂も漏れ聞こえてきます。もちろんそれが本当かどうかは解りませんが。ただ、活動をしている人の心の中に、少しでもクラスター爆弾によって失われる命の為に心が痛み、涙するなら、その気持ちを伝えるだけでもいいとは思うんですよね。下手に論理武装するなら、戦争のことも勉強しましょうねって話であって。 -- たまきん 2009-08-30 (日) 17:12:04

    #article


*1 人道的兵器というのは、こじつけになるかもしれないが、今なら超音波やレーザなどを使って一時的に敵の戦闘能力を奪う(視力や聴覚を奪う、筋肉を麻痺させるなど)ものを言うのかなぁ。
*2 全ての対人地雷がそうではない。
*3 日本はそれでも玉砕という道を選んだりしたわけだが……。そしてそれは、兵士一人一人に戦争の知識がなかったからとも言える。
*4 まぁ、その頃と今のをそのまま較べちゃダメだろうけど(汗)。

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Last-modified: Sun, 30 Aug 2009 17:12:04 JST (5345d)