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美術館に行く

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東京都庭園美術館に行ってきた。
ボクは実はあまり美術館には行かない。と言うのも、絵画に興味はあるものの、絵画の知識が全くないからだ。印象派だとかシュール・レアリズムとか、そういった言葉も聞いたことがあるだけで、その実際の意味や時代の中から生まれてきた必要性など、まったく知らない。
ただ、開運!なんでも鑑定団なんかは大好きで、あの中で鑑定している人たちの知識が羨ましくて羨ましくて、仕方がない。実は前に骨董屋を営む探偵が主人公のゲームを企画したときがあって、そのときに、少し骨董や絵画について勉強したことがあったりする(ちなみにそのゲームはお蔵入りになったが、キャラの名前だけ借りて、現在、進行中である)。

まぁそれはさておき、美術館。
そこでのボクの目的は「絵を見て作者の意図をくみ取ることができるか?」という事であった。ピカソにせよ、なんにせよ、絵画というのはハッキリ言ってしまえば「理解に苦しむ」。なぜその絵が、その題名なのかサッパリわからない。そしてそこにある芸術性とはなんなのかがわからないのである。
ぶっちゃけ、そんな絵よりもコミケで売ってるエッチな絵の方が、いいじゃん!! かわいいじゃん!! っていうワケである(笑)。

東京都庭園美術館は昭和 8 年に建てられた建物を利用しており、建物自体にも価値があるようで、時折建物そのものの公開なども行っている、なかなか品のある美術館である。戦後は迎賓館などとしても利用されていたらしい。
やっていた展覧会は、「没後25年 有本利夫展 天空の音楽」というもの。有本利夫については Wikipedia を見ていただくとして、38 歳で亡くなってしまったという、非常に短命な画家らしい。「天空の音楽」というタイトルが付いている通り、バロック/古典音楽が好きで、また空や浮遊といった表現をよく使う人のようだ。
特に見ただけで音楽が聞こえてきそうな絵画が多い。
手元や足許をわざとぼかし、その人物が何をしようとしているかを曖昧にすることも得意としているようだった。
作品は絵画に留まらず、立体(彫刻、ブロンズ)、版画、焼き物などなどあらゆるものがある。

そして、何となく、何となくではあるが、作者の「思考法」というものを絵から得られたような「気」はした。光の入れ具合、空間としての余白、肉付きの良い肉体、そして表情。もちろんすべてを理解することは不可能ではあるが、どこに示唆があり、なぜその色であり、なぜそのポーズであり、なぜその位置に人物なのか。それは彼が何を愛し、何を重要視し、そして何を表現しようとしたことから、そのカンバスに流れ出る「心」というものを、なんとな~く、わかったような気はする。そしてそれは意外にも単純なものの組み合わせである(光なら黄色、とか闇なら黒とか)。

これはまさにボクにとっては推理小説を読んでいるようなものである。
しかも種明かしのない推理小説だ。
しかし芸術というものは、そもそも受け手に感動が任されている。そこにある答えは作者しか知らない(作者すら、知らないかも)。しかしどのような答えを導き出してもかまわないものでもある。

そんなわけで、美術館の一つの楽しみ方……というのを、今日は学べたかもしれない。
そんな有意義な一日であった。
ちょっと月に 1 回くらいは、足を運んでみようかしら……と、思っている。


さて、今日紹介するのは 60 年代から活躍する歌手、Patti Austin。圧倒的な声量と表情豊かな声。特に伸びるときのね、わざとビブラートをかけないんだけども、こう回り込んでくるような。まぁ音ってのはなかなか言葉だと表しづらいんだけど……夏の暑さも歌ってぶっ飛ばせと言うことで(ぉ。ジャンル的には Jazz ヴォーカル~ポップスといった感じだろうか。

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Last-modified: Sun, 15 Aug 2010 19:50:53 JST (4994d)