違法ダウンロード対策

9/27 に発売された、ウチのブランドの「お兄ちゃんシェアリング」だが、28 日には twitter から違法にアップロードされたサイトへ誘導するツイートが流された。これは HTTP でダウンロード出来るという代物で、つまり、普通にブラウザでダウンロード出来る。
次にツイートされたのが、BitTorrent のインデックス・ファイルを配布するサイト。
そしてその後にもう一つ、HTTP でダウンロード出来るサイトがアナウンスされた。

今回、これら三つのサイトに関しては Google 検索への削除、さらに Twitter への通報、そして BitTorrent のインデックス・ファイルを公開していたサイトは FC2 だったので、FC2 からそのサイトの閉鎖をお願いした。

一番反応が早かったのが Google で二日後には検索に出ないように削除してくれた。
FC2 からは翌日にサイトオーナーとコンタクトを取り始めたという連絡が来たが、その後、現在(10/28)でも続報はない。が、コンタクトには時間を要する場合もあると書かれているので、まずは一ヶ月様子を見るつもりである。
Twitter に関しては、なしのつぶてである。
違法アップロードサイトに誘導する Twitter のアカウントは、他の色々なゲームの違法アップロード・ページへと誘導しており、正直、ツイートの内容を見ればすぐに解りそうなものなのだが、まったく音沙汰がないのもどうかなぁと思っている……orz

しかしなんと言っても当面の敵は、自分自身である。もちろん、違法にアップロードしたり、それをダウンロードする人が敵なわけだが、それ以前にボク自身がそういった問題に対応する余裕が全くなく、ゲームを作るので手一杯という。だから他に打つべき手もほとんど取れないまま、時間だけが過ぎていく。
困ったもんだ……。

写真は国道 4 号を走っていたときに遭遇した、なんかデカブツを運んでいるトレーラ。
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違法ダウンロード、キタ────!

発端は 7/1 の glace.me サーバのログがおかしいことだった。どうおかしいかというと、特に新しい更新ぶつも何もないのに、1 日 15,000 ユニーク IP 来ていたからだ。ハテ? どっかのニュースサイトに載ったのかなぁ?と思いながら、Referer を調べて見ると……。
あ、ちなみに Referer とは glace.me 上のデータがどこのサイトから参照(reference)されたかが記録されている、ログの中の一項目である。HTML に限らず、ブラウザでアクセス出来るすべてのデータはブラウザでアクセスすると、その前はどこのページにいたか記録されるのだ。ただこれはブラウザがサーバに返している情報なので、ブラウザ側で偽装は可能である。例えばセキュリティ対策ソフトではこの Referer を返さないようにできるものもある。
ただ Referer を返さないとちゃんとページを表示しないサイトもあるので要注意だ。fc2 さんや itmedia さんなんかは Referer がちゃんと設定されていないと画像ファイルにアクセス出来なかったりする。

で、ウチに大量にアクセスが増えていた原因は、海賊版の BitTorrent のインデックス・ファイルを配布しているサイトだった……orz しかも 2 サイトもある。その時の twitter の記録は、以下の通り。

この用は違法ダウンロードサイトからオフィシャル・サイトにリンクを張るという神経がよう解らんw 掴まるリスクはないと踏んでいるのかなぁ? ちなみにその後も別のダウンロード・サイトにバナーを貼られ、その時は DDos 攻撃化してしまい、バナーを置いてある dl.glace.me がダウンしかかった。
やっぱり凄いんだな、違法ダインロード・サイトの人気。アフィリを貼っておいたら、きっと笑いが止まらないほど儲かるんだろうな。

ただここでもう一つの希望が。
前に日記にも書いたけれど、「寄付画面」ってやっぱり意味があるんじゃないかなってこと。最低でも英語で「このソフトを無料で手に入れた方へ」とか言うボタンを作っておいて、コピーへの影響を説明し、寄付先及び寄付の方法を記した画面をつけたら寄付をしてくれる人がいるんじゃないだろうか?
まったく無駄じゃないとおもうんだよねー。
もしくは、OVER DRIVE さんがやっていたような amazon の欲しいものリストの公開とかね。

何にでも海賊版はあるんだなぁ……

今、通信販売の準備を裏でやっている。ソフト以外にもいろんなグッズ類で少しでも浸透していこうと考えているわけだ。
実はすでに第一弾は売りに出しているのだけれど、ボクらでは知名度も低いこともあって、大手のブランドさんに売ってもらった。で、それは売り切れてくれた。
んで、今回からは自前のサイトで売るべく、いろいろ準備をしているところ、いろんな通販サイトを参考にしながら作っていたのだけれど、驚くべきものが検索に引っかかった。

あっれっ、それはもうとっくに売り切れてるし、大手のブランドさんの所にしか置いてないはずの商品なのだが。っていうか、値段とか全然違うし! というわけで、ウチが作った抱き枕カバーの偽物が出回っておりました。

で、あとで色々調べたんだけど、抱き枕の海賊版とか偽物詐欺って普通に多いのだそうな(抱き枕を作ってくれた会社のアナウンス)。
はぁ~あ……エロゲだけじゃなくて、こっちのグッズとかでもコピー品と戦わなくちゃいけないのか……orz
やめてぇぇぇぇぇぇぇ!!!

DMM が同人誌ダウンロード・サイトに違法ファイルをアップしないように働きかけている件について

うーん、忙しくて日記がサッパリ現実に追いつかない(今この日記を書いているのは、4/23)。あと、日記のネタって、PC にいる前に必ず思いついているわけじゃない。散歩してるときとか、運転しているときとか。そんなときにポッと思いつく。
で、メモってないので、あとで忘れてしまうのだ。
それにしてもまた日が開いてしまった。

さて、ボクがこの情報を知ったのは twitter だったかそれとも知人が送ってきたんだったか定かではないのだが、DMM が同人誌の違法ファイル(著作権違反)を公開しているサイトに対して、それをやめるように勧告しているらしい。

そのやり方は、こうだ。

  1. 違法ファイルをアップロードしているサイトは、アフィリエイトによって稼ぎを出している
  2. アフィリエイトの報酬を払ってくれる企業に、DMM がある。
  3. DMM は同人誌の通販をやっている
  4. 同人誌の違法ファイルを公開しているサイトに、アフィリの報酬を支払わないと勧告。

とまぁ、こういう流れらしい。うおお、これは素晴らしい。なるほどなぁ、こういう方法があったか。うまいなぁ。エロゲのダウンロードはどうすれば防げるだろうか? そもそもエロゲって HTTP で配布されてるのかな? それとも BitTorrent とか Share、WinMX などが主流なんだろうか?
どちらにせよエロゲの違法ファイルを配布している人たちはそれでアフィリを稼いだりしているわけでもないし、そもそもお金儲けをしたいわけでもない、ただの奉仕の精神の人しかいないように見受けられる。
なので、DMM さんのようなやり方は通じない。
けど、何か方法はありそうだなと言う一つの道を DMM さんは示してくれたと思う。
諦めないで、考え続けることこそが大事だとボクは思った。

コピー問題続き(エロゲの場合

(前の記事はこちら
スラッシュドットでなかなかタイムリーな話題があがったので、またコピー問題について書いてみたいと思う。今回はボク自身がコピー問題をどう捉えているのか、自分でも整理したいと思って書いたのが主目的である。というのも、コピーって問題だよねと頭で思っていても何が問題なのかというのは色々整理してみないと、自分でもどこに解決策を見いだしていくべきか解らなかったりするからである。
タイムリーな話題というのは、以下である。

上の記事の 200 万本売れたソフトの海賊版が 20 万本だという所に注目して欲しい。これをエロゲに当てはめると、200 万本売れたら海賊版が 6000 万本出回っているというのが現在のエロゲの状況である。まぁ実際エロゲはそんな本数は出ないので、1 万本売れたら、30 万本は違法コピーが出回っているという図式だ。
まずはボクの考え方から述べよう。例えば 1 万本売れて、海賊版が 30 万本出回ったとしよう。あり得ないことだが、もしもまったくコピー出来なかったとしたら、30 万本売れたはずなのに、とはボクは考えない。コピー出来なければ「買わないだけ」だろってのがボクの基本的なスタンスである。
だからボクの視点では、プロテクトや DRM はナンセンスだと思っているし、コピーそのものにそんなに目くじらを立ててはない。逆にコピー問題を考えることが大事だと思っている。

次、作り手の心情の問題。「コピー出来ないなら買わない」わけだから、30 万本コピーされても、会社に損失はないよねって言われれば、それは、いわゆるそのゲームそのものの閉じた収支で言えば、その通りだろう。しかし、30 万人の人が金を払わずに遊んでいるわけだ。それって単純に作った方からすると「ムカつく」よね。別にコピーしてまでプレイして欲しくないし、無料でプレイするためにこっちは作ってるんじゃネーよ、と。それにコピー出来なければ買う人もいるだろう。
そして、金を出して買った 1 万人と、コピー・ユーザ 30 万人との間に不公平が生じる。これによって正規ユーザが「次回はコピーでいいや」ってなってしまう危険性がある。だから、コピー出来るって思われるのはメーカーによって非常に損なのである。
ただここで、以下のことを言及する人もいる(笑)。

  1. 正規ユーザはパッケージや特典物など、物理的なアドバンテージがある
  2. 正規ユーザはコピー・ユーザと違って、後ろめたさなどのマイナスの感情がない
  3. 正規ユーザはサポートを受けられる

あっれ、これで本当に正規ユーザは納得してくれるのかな~? サポートとか、コピー・ユーザだって受けてるよね? 後ろめたさって何だ。そんなもん感じてるなら、最初からコピーするな。特典物やパッケージは 8,800 円以上の価値なのか?(そういうものもあるが、普遍的にそのような特典物をつけることはできない)

さて、コピー・ユーザがよく言う「買う気にさせるクオリティのものを作れば、みんな買う」っていうヤツ。これが実は非常に難しい。というのも「買う気になるほどのクオリティ」ってそもそもどんなの? たとえばエロゲ業界トップ・スリーの作品とか!? 仮にそうだとしたら  5 万~ 10 万本売れるようなソフトだけど、そんなソフト 1 年に 2 ~ 3 タイトルしかない。しかも、ユーザの評価なんて千差万別だし、1000 本しか売れないようなソフトでも気に入れば OK してくれるだろうし、10 万本クラスのソフトじゃないとそもそもダメだろって人もいるだろう。
つまり何が言いたいかというと「買う気にさせるクオリティのものを作れ」っていうのはメーカ側からは「なんの基準にもならない」。それこそ、上位 2,3 社以外はすべてつぶれればいい。そうすれば「買う気にさせるクオリティの作品」しか残らないから。でもそれでコピーがなくなるかというと、そんなことはないのは、誰しも解るはずだ。

ただ、エロゲ業界の問題として「供給過多」ってのはあると思う。ボクみたいな売れないヤツがたくさんエロゲ業界に残りすぎだろうっていうwwww。じゃぁ、上位 2 ~ 3 社だけあればいいじゃんって言うのもまた実は難しい話で、スポーツなんか見ていると解るけど、やっぱりその業界の人数が多いってのは重要なことなのだ。野球やサッカーに一流選手が出てくるのは、プロになりたいと目指しているアマチュアが多いってのが大事で、そうした大勢の中に天才が含まれる率も高くなるし、成長の過程も洗練されていく(スポーツで言うなら、トレーニング方法や、優秀な指導者など)。そして下からの突き上げがあるから、上も努力を惜しまない。
だから売れないメーカーが有象無象あるから、売れるメーカーもあるという部分もあるのだ(それがすべてではないが)。

さて、コピーがゲーム業界をダメにしたというと、よく、「そんなことねー」って言うユーザさんもいるんだけど、少なくともボクは今はコピーがエロゲ業界をダメにした一つの大きな要因だと思っていて、そしてそれが覆る要素は今のところ思い当たらない。ボクの持っている今までの情報は、①KONAMI が X68000 シリーズから撤退した理由、②韓国がネトゲばかりになった理由、③Falcom が PSP に逃げた理由、④ヨーロッパとアメリカのゲーム・メーカが PC からコンシューマに逃げた理由がすべてコピー問題で有り、これらのデータを見せつけられると、なかなかコピーが原因ではないと言い切れないのだ。

次に「コピーが宣伝の代わりになる」というのもよく聞く。そしてそれは合っている部分がけっこうあるし、ボクが個人的に作っているゲームは本当は無料で配りたいと思っている。また、Youtube なんかで見つけた曲をボクは CD 探して買うことがよくある。

価格はどうだろう。8,800 円は高いか? おそらく高いのだろう。コンシューマは 6,800 円だもんね。ただこれにはボク個人的には言いたいことがあって、小説+絵画+音楽+プログラムも入ってて 8,800 円なんだぜっていう。CD が 3000 円でしょ、テキスト容量なんて、2MB なんて当たり前。2MB っていったら、ラノベ 8 冊分ですよ。これだけで 4000 円じゃないですかー。ほらー、音とテキストだけで 8,000 円ですぜ。これに挿絵が 100 枚近く入ってて、SE も入ってて、さらにプログラムで動くんですぜ!
8,800 円なんて安いじゃないですか(コンシューマの 6,800 円なんてもっと安い)。ってのが、実はボクのホンネ。 でもそれは世間では許してもらえないのであくまでも心の叫び(ぁ。だってそんなこと言い出したら、ハリウッド映画なんてチケットがいくらになっちゃうんだよって言うwww

で、結局目指すべき方向ってなんだろうね? まぁいいアイデアがあったら、とっくに誰かが始めてるんだろうね。

  1. コピーされても、お金が入ってくる方法を考える
  2. パトロンを探す(2000 万円ぐらいのお金の使い道に困っている人(or 会社)なんていくらでもある)
  3. 切り売りして単価を下げる(共通だけなら無料、1 ルート 1000円。全部買うと 8,800 円)
  4. 寄付を募る
  5. Android / iOS でなんとかする(漠然だなw

1!なんとか 1 番を考えたい~~~。
あとね、3 ~ 5 はエロゲ業界に問題がある。流通とショップさんがエロゲ業界では強いのでどうしようもない。これは流通からお金を借りて作るという構造上、どうしようもない。なんとか自己資金だけで作れるようにならないと、3 ~ 4 が出来ない。でもやってみたいんだよ、3 ~ 4。そうすれば海外でも展開出来るし!!
自己資金でエロゲかー……。


(原曲はこちら

コピー問題っていうか、エロゲのビジネス・モデルをどうにかしないと……

(追記:続きの記事は、こちら
うちらのエロゲ業界なんかでもコピーの問題は大きいけれど、ハードウェアの世界もなかなか大変なようだ。

こういう部品の場合、どういう材質なら基準値を保持出来るのかとか、制作工程はどうかとかいろいろあるんだろうけど、こういう戦いはボクらの業界に限らずどこでもあるのだなぁ。いや、レベル的に言ったらアイシンさんの方が全然大きいわけだけれど。
我々の場合、コピー品に見習うことってなんだろうね。

  1. ネット認証や DVD を入れなくてもプレイ出来る
  2. バックアップが自由

ただ、ボクが作るゲームはおおむね上の二つをクリアしている。
やはり最終的に問題になっているのは、「正規品は金がかかる」ってことだろう(ぁ
TV のアニメがタダなのになんでエロゲは金取るのよって真顔で言われたことあるしなー。
霞食って生きてるんじゃないし。別に誰かがお金を出してくれるわけでもないし(最近は問屋お金を出してくれるけど、売れなければその分が全部借金になる)。
そういえば金と言えば、最近 TV 番組がファミレスだのグッズだの、ソレを売りたいための番組ばっかりだ、(番組内で)製品の宣伝のないアニメを見習えなんて怒ってた人がいたが、アニメだってオモチャを買ってもらうために作ってるんだが? いやまぁ、最近のオタ向けアニメは DVD 目当てのようだが(ぁ。だから、収益モデルが崩壊しつつあるよね。もっとも崩壊してもいいアニメばっかりなのかもしれないけどね。

昔は音楽家や画家、彫刻家とかはパトロンを見つけてたわけですよ。つまりエロゲもパトロンがいて、その人のためにゲームを作って、ついでに売るって言うならタダで配れるよ! もしくはエロゲの中の背景の看板とかに現実の商品や会社の名前が入ってたり、登場キャラクタがコカコーラとかなんか現実の製品を使ったりして、それが充分な広報媒体として認知されるのであれば、スポンサーがつくのかもしれない。

ボクが今着目しているのは、外食産業だ。とにかくすごい。年々値段が安くなっているのに、味は美味しくなっている。どういうこと!? これをエロゲに例えると、一体どんなことが起きているの!? それを知りたい。ただ、人の舌に頼っているところはあるよね、って思う。やっぱり美味しいもの、新鮮なものをちゃんと味分けられる人って少ない。調味料で味をよくしたもので満足してしまうことは多い。もちろん、最近の業務用の調味料やスープのレベルってとんでもなく上がってるんだけどさ。それってエロゲでは何に相当するのか? この辺にエロゲを安く作る秘訣があるとは思うんだけど……なかなか見いだせていない。
ただ壁はもう一つある。それはフェティシズムの細分化である。人類の性への探求はその歴史とともに多岐にわたっており、様々なジャンルがある。さらにオタク文化って、趣味の細分化の最たるものなのよ。「オタク」っていうくくりで見てしまうとそこにはたくさんのお客さんがいるんだけど、彼らはみんな同じ方向を向いているわけじゃない。しかも同じ方向を向いている人たちでも、実は微妙に違う方向を向いている。そうすると一つ一つは凄い少ないお客さんになってしまう。それらを細かく細かく拾い上げてようやく一つのある程度の塊になる。
そんなわけで、ここ 5 年? いや、もっとかな……色んな状況が見えているんだけど、どう手を打てばいいのか解らない状況が続いている。ホント、どうしよう……。