まだまだ Adobe だけでは完結できない

とある仕事で動画に BGM をつけるっていうのをやってるんだけど、音が絡むと Adobe だけでは完結できないなぁって話。

今回の仕事でメインで使っているツールは Premiere だ。尺が 2 時間もあるのでそもそもチェックが面倒くさいのだが、まぁシーンに合わせて BGM を当てていくんだけどもちろん画像とピッタリに作られているわけではないので、 BGM を切ったりつなげたりしていく。
BGM の方が長い場合は、BGM の盛り上がりとかを映像の盛り上がりにシンクロするように合わせてその前後を切ればいいのでそんなに大変じゃない。どっちかっていうとシーンより BGM が短いときがめんどうくさい。と言うのも、今回のはゲームではないので、BGM データはループなど考慮されていない。曲全体を聞いてどこでループさせると違和感がないかを見つけ、そこで BGM を切ってつなげていくという作業になる。

また他にも面倒くさいのは、展開が速いシーンのあとブツッと次のシーンに一瞬で切り替えるときとか。ブツッと切れたのを感じさせないように最後リバーブ(残響音)を残して曲を切るとかやる。いきなりリバーブをかけるとおかしいので、最後の数秒前からだんだんかけたりする。

あとはシーンに合わせてリバーブ・エコーフランジャーLo-Fi などをかけたりする。

これらの機能は Premiere にもついてるんだけど、やっぱり色んなことしようとすると機能がぜんぜん足りない。で、Adobe には Audition っていう音周りの総合的なソフトウェアがあるんだけど、これでもやっぱり足りなかった。
たとえば上で出てきた残響音を残して曲をブツッと切りたい場合、曲はブツッと切れてるんだけど、残響音は「わんわんわんわんわん………」と最後の音がしばらく続かなければならない。ところが Premiere や Audition だと曲がブツッと切れた場所で残響音も切ってしまう(笑)。
他にも残響音はそのままに曲だけフェードアウトなんてことをしたくても、残響音ごとフェードアウトしてしまう(汗)。

結局 Sound Forge のお世話にならざるを得ないという……。

Adobe 以外のアプリを使うのがめんどうくさいのは、Audition だと Premiere から呼び出せて、Audition で編集したファイルは自動的に Premiere に取り込まれる。いちいち Audition でファイルを保存し、Premiere にその保存したファイルをドラッグ&ドロップするとかそういうことはしなくて済むのだ。
Sound Forge で編集してしまうとそもそもそのファイルは Premiere が開いているので Sound Forge が「このファイル書き込めないんだけど?」ってエラーを出してくるし、別名で保存してその保存したデータを今度は Premiere に持って来なくちゃいけないし、別ファイルになっちゃったから位置合わせもやり直しだし……あー、もう! ってなる。

まー、Adobe は映像の会社なので音周りがショボイのは仕方がないか……。

ドラマ CD 作ってた

今週は出向の仕事とは別に、ドラマ CD を作っていた。
52 分、35 分、30 分の計三本。
自宅開発機は Windows 10 を入れた後、特に開発には使っていなかったので、ドラマ CD の制作環境もなかったため、そこからのスタートとなった。というわけで、今日はボクがドラマ CD をどうやって作っているかの話。

ボクは AdobeAudition というソフトでドラマ CD を作っている。
トラックは登場人物+BGM x 2、SE x 2 である。例えば登場人物が 4 人いるなら、4 + 2 + 2 で合計 8 トラックだ。いずれも 1 トラックは 2ch である。
BGM や SE が 2 トラックずつあるのは、複数の BGM や SE が重なったりするからだ。脚本によっては SE はもっとトラック数が増えることもある。

また、制作環境では 88.2KHz の 32bit で制作し、これを Sound Forge というソフトでコンプをかけたあと、44.1KHz の 16bit ステレオにコンバートしてから納品している。

元のデータは 44.1KHz のモノラル(BGM と SE はステレオ)なのになんで 88.2KHz でやるかというと、いろいろとエフェクトや重ね合わせをするからだ。44.1kHz のままでやってしまうと、どんどん処理をして行くうちにどうしても音が濁る。

ミキシングは BGM が -20db、音声と SE は 0db のままはじめる。これでだいたいクリップする(歪む)ことはないのだが、4 人同時に叫んだりするようなシーンがあると、どうしてもクリップしてしまうので、そう言うのがある場合、改めて音量を設定し直す。
音声・SE が -7db、BGM が -25db くらいか……。

ボクが一番気になるのは、台詞の間隔だ。納品されてきた音声ををのままつなげたのでは会話は成り立たない。普通の落ち着いた会話では音声と音声の間を若干あける必要があるし、急展開や焦っているシーンなんかでは同時に叫んだり、前のキャラの発言が終わった瞬間にもう次のキャラが喋ったりするのだが、これらの間隔はすべてボクの感性でやっている。
果たしてこの間隔が、ちゃんと違和感なく出来ているかどうかは、ボク個人的に気になっている。
若い人ほど台詞と台詞の間の間隔って短かったりするのだが、ボクの持っている感性がちゃんと若い人の会話のリズムになっているかどうかが、自信がないのである。

まーしかし、結局ドラマ CD 作るのに一週間かかってしまった……orz
もっと早くできると思ったんだけど……出向の身であることと、腕がなまったこともあり、ものすごい時間がかかった。しかも今回、全然凝ってないし。まぁでもなんか自分の作品のドラマ CD とか作りたくなってしまったなぁ……。

151205_auditioon