原画家さん探し、難航中……
とりあえずウィークデー（平日）終了。
原画家さん探しはかなり難航している。いいわけをすれば、そもそも売れ線の絵描きさんは何らかしらの仕事を持っているか、どこかに所属もしくは自分で組織を持っているわけで、そう簡単に別の仕事などしてくれるわけがないのである。
もちろん探しているのはボクだけではなく、ボクの雇い主も探している。
しかしなかなかいないようだ。
ネットを徘徊すれば、絵の描ける人ってたくさんいるんだけど、なかなかどうして、難しいところである。やはりウェブサイトで自分の絵を公開している人にダメ元でアタックするしかないのか！？
ただ今までの経験上──そしてボクが絵描きと仲が良くなれない最大の問題点──同人やサイトとかでがんばっている絵描きさんはやっぱり「自分の好きな物が描きたい」からやっている人が多いわけで、「仕事として」というつもりはそもそもないみたいなんだよね。
だから「指示されたものを描く」っていうのがどうしても苦手らしい。
アングルや構図、シチュエーションに至るまで、仕事としての要求は様々だ。モノによっては絵描きさんにとって全く興味のないこと、どうでもいいことを要求されるわけである。
だから指示する側と絵描きさんとで軋轢が生まれてしまって、プロジェクトがうまく進まないというのは何度も経験してきた。同人作家さんや、ウェブサイトで絵を公開している人は、「仕事」という視点で見ると、とにかくコントロールしにくいのだ。
ボクがウェブサイトや同人作家に声をかけるのをためらう理由はここにあるし、ボクがあまり絵描きさんと仲良くなれないのもこの辺なのかなぁと、うすうす感じている。
「自転車が描けない？ それって絵描きって言わないよね」
というボクのオーラがたぶん伝わっちゃってるんだろうなぁ……（苦笑）。
彼らはアーティストなのである。自己の内にわき上がる思いをそのまま表現する、アーティストなのである。
ところがボクは職人である。自己の中にあろうとなかろうと、興味があろうとなかろうと、要求されたものを作るのがボクの仕事である。
この日記では何度も言うが、どちらがクオリティが高いか？
それはアーティストであるとボクは確信している。
ボクに求められるのは 50 点～ 80 点のものをコンスタントに作ることだ。
じゃぁアニメーターでいいじゃない。売れっ子作家の絵柄を真似てもらえばいいじゃない、っていう意見もある。
でもそれじゃ、駄目なのもボクは解っている。
同人やウェブで絵を描いている人は「好き」でやってるのよ。
そしてそのオーラっていうかエネルギーって言うのは並大抵のもんじゃない。
「俺はおっぱいが好きなんじゃぁぁぁぁぁ！！」
っていうその人の描きたいものがびしびし伝わってくるんだよね。
絵の上手い下手じゃない、その人の魄っていうんだろうか。それが伝わってくる。
しかもお客さんもちゃんとそれが解るんだよね。デッサンが狂ってても、間接がおかしくても、スカートは風でなびいているのに髪の毛は風でなびいていない絵でも（笑）、とにかくリビドーを感じるんだよ。
ところがアニメーターが描くとデッサンは整っているし、顔も整っているし、服のシワも間違ってないし、どこも悪くない……んだけど、エロくないんだよね。リビドーが伝わってこない*1。
難しいねぇ……でも今回、気分はずいぶんと楽な方なのだ。
というのも、自分の企画じゃないから。
あくまでボクは面倒見役というか、そういう立場にシフトしているから、作品を作る課程での絵描きさんとのバトルはしなくて済みそうだ。逆に報酬面とか、シナリオライターと絵描きの仲が悪くなったときの面倒とかは見なくちゃいけないのかもしれないけどね。
さて……果たしてこんな考え方を持っているボクが、うまく原画家さんを見つけことが出来るんだろうか……。
- ２～３人を組み合わせて、自転車とおっぱい分業してもらうって無理なんでしょうか？ -- 三等兵?
- その方法もできなくはないのですが、もともとデッサンの狂った絵にスケールなどをあわせて無理矢理自転車を描くと、一目でおかしいというのが解ってしまう絵が出来上がってしまうことの方が多いでしょう（もちろん一概には言えません。実はそうすることによって息がぴったりになる絵描きさんの組み合わせというのも存在するかもしれません）。そうするよりも、まず下書きを同人絵描きさんにやっていただき、それをアニメータさんがデッサン的・パース的に「そのレイアウトだと、こんな感じになるよ」と直し、それを元にまた同人絵描きさんが清書し直すという手順を踏むことによって、かなりリビドーを残したままデッサンの正しい絵が出来上がります。ただどうしても時間がかかってしまうのと、自分の絵をいじられるのがいやというプライドの高い絵描きさんがすごく多いので、なかなか難しいです。 -- たまきん
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