luv wave から 10 年ぶりのたまきん
テキスト・オンリー作品。
まだまだ作りたい要素がてんこもりなので、ここではゲームの内容のネタには触れられないが、開発の話やデータの話などをまとめてみた。
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目次
企画の発端
「翼をください」の原題は「Angelic Being」という名前で、これは Human Being から来ており、単純に「天使」という意味であった。Angelic Being という名前は初回特典のサントラ CD のアルバム名として残っている。
タイトルが変わった理由は、単純にボクの気まぐれである。原画家さんなんかは、Angelic Being の方が良かったらしい(汗)。
この作品の企画の発端は、10 年以上前に遡る。
luv wave の次のボクの企画で、その当時のタイトル名は「Child」といい、12 人の封印された天使を蘇らせるという物語で、シナリオ総容量 5MB 以上、イベント 200 シーン以上の大作であった。
このゲームの最大の売りは、一人の天使を蘇らせると、次回からその天使は蘇った状態でゲームが始まるというものであり、さらに主人公はすでにクリアしたルートの記憶を保持しているというものだった。
ボクはこの当時、セガサターンで発売された「街」という作品にいたく感動し、自分もこういうマトリックス(時間と空間(場所)がマトリクス上に配置されるような分岐構造)なシナリオの作品を作りたいと思っており、そしてボクの出した一つの結論が、この「前のルートを覚えている主人公」と「前のルートが引き継がれる世界」というものだったのである。つまり「翼をください」とは違い、主人公はどのキャラから蘇らせるか選ぶことができたし、そもそもどのキャラが蘇っている状態かも固定ではなく、12 人分用意するという、途方もないシナリオ構成であった。
ただこれにはちゃんと解決策があり、キャラ間の状態をある程度パターン化することによって、全通りのシナリオを書かなくても全通りあるように見せかけることにより回避しようと考えていた。
結果的にこの企画は他のプロジェクトの手伝いをしている間にうやむやになり、EVE の移植だのなんだので、さらに自分の作品を手がける余裕もなくなり、そしてそのうちに C's ware をやめてしまい、そのまま闇に葬り去られてしまった。
この当時は「汐碕市」という名前はあったが、まだ「浮遊大陸」ではなかった。横浜を元にした海辺の街だったのである。「汐碕」と言う名前が付いているのも、そのためであり、また何となく洋風な街作りなのも横浜がモデルだからである。
当時の名残として、光人と雛子が双子を尾行するときに、路面電車の停留所を調べるシーンがあるが、あそこに出てくる停留所の名前は横浜市青葉区~緑区のものである。
なお、この Child のキャラを拝借したのが「將姫」という麻雀ゲームで、これに出てくるキャラは皆、Child の天使たちである。また將姫の舞台となっている学校名も「天翔学園」と言い、「聖天翔」から「聖」をとったものである。