焼きが回る
さて、昨日のお呼ばれにも少し関係するのだが、最近……というか去年の秋頃から、いろいろとグループ内でごたごたが起きている。ただその原因はいろいろあって、そのときそのときの判断としては適切に見える部分もあるのだけれど、振り返って分析すると実はまずかったりする局面がここ数ヶ月続いている。
これは何を意味するか?
もちろんここで単刀直入に言うことはできないが、とにかくボクは危機感を抱いているのである。
とはいえ、ボクはそこのレベルの人間ではないし、会社の意志決定に関係する立場ではない。そもそもボクはゲームを作るのはプロかもしれないが、経営とかお金儲けは全くの素人であるので、ボクが抱いている危機感はただの杞憂かもしれない。というか杞憂で終わって欲しいところである。
とりあえずボクは目の前の仕事をどんどんとやっていくのが使命である。
さて、昨日のお呼ばれの内容というのは、ある外注とうちのオーナーの間で起きたちょっとしたやりとりのすれ違いから来るものであった。ご迷惑をおかけしてしまったので、ということでその外注さんと別件直接取引のあるボクがお呼ばれしたのであった*1。
これ以外にも、いくつかの問題を抱えている。
一つ一つは些細なことであるし、ボクが判断できる部分ではないのだが、あくまでもボクから見るとその判断はもしかしたらよくないのではないか、と思ってしまうことがいくつかあったのだ。またその判断のまま、ボクも進んでしまったものもある。って、抽象的な書き方で申し訳ない。些細なことではあるけれど、ナイーブなことでもあるので内容については書けないのだ。
何が言いたいかというと、こういう小さな判断ミスが積もり積もって、組織全体を揺るがすほどのものになる可能性があるということだ。そうした場合、当然ボクも職を失う。ただボクにとっては職よりも何よりも連続性を失う方がちょっと怖い。
今、自分の企画が進んではいるが、これが発売されたあと、その次、またその次と連続して作っていきたいと思っている。もちろん一本目がある程度売れないとダメなわけだけれど、売れると確信して作っている。そもそもそうしないと、売れない物しかできないからだ。
で、一本目のあと、そこで職を失うと、また一本目からということになってしまう。またお客さんを作るところからやり直さなければならないのだ。
ただ、逆にそれにこだわりすぎてにっちもさっちも行かなくなるのも問題だとは思う。
ジレンマである。
まぁ、そういう意味でも同人を別にやっておく必要ってのは前々から感じてるんだけど、とにかく時間がない(汗)。
そんなわけで、今年一年もなかなか波乱なのではないかと危惧しているところである。
と同時に、ボクのプロダクトだけでなく、グループ全体が盛り上がるような仕掛けというのを見つけては提案していこうと思っている。まだうまくいくかは解らないが、二つほどの道筋ができつつあるので、これをオーナーにうまく働きかける予定である。まぁこれで余計、同人ソフトが作れなくなるんだけど(汗)。
highsox その後
で、上記に関連して、やっとこさ江古田事務所の今後がどうなったかについて日記で書こうと思う。まず江古田事務所のメンバーは、ボク以外は会社都合の解雇ということになった。これは事業縮小、部署消滅などによって従業員が解雇されるという部類のものだそうだ。
highsox
ブランドは結果的にオーナーによると、1 年 6 ヶ月で 6000 万円の赤字。ボクがざっと概算しただけでも 3000 万は確実に赤字という散々たる結果であった。
売上本数は 3 タイトル併せて 7000 本(笑)。
あれ、喋っていいのかなこんな事www
ただこの売上本数は多分に自分たちのせいである。1 作目
ではシナリオを 4 ヶ月以上もぶっちぎり、2 作目
もシナリオが 3 ヶ月以上遅延。1 作目も 2 作目もディレクタは全く機能せず、制作進行や外注管理は基本、全部ボクだった。
3 作目
はディレクタが降板し、1 月半ばから 3 ヶ月で作らなければならないという状況に陥った。
そんな作り方をしていたのでは、売れないのは当然である。
まぁだから首を切られたわけで、それはそれで当然なんだけど、そのダメージを追った会社を引き継ぐこっちだって大変だってのwwwww
しかもやめたらやめたで「オレはもう関係ねー」だからなぁ。まぁそれはそうなんだけどさ。
もちろんボクにもまずい点はたくさんある。忙しさにかまけて判断ミスをしたり、人員の采配ミスをしたり、いっぱいある。
でまぁ、highsox ブランドは取り潰しとなった。
caitsith
に続き、二個目www
まぁ caitsith は大元の会社が死に体だったので仕方がないが、highsox に関しては自分たちで引導を渡したということだろう。というわけで、まさに自滅という言葉がぴったりなブランドであった。
▼2007 年 10 月~ 2009 年 4 月までに使った江古田事務所のお金
項目 | 金額 | 備考 |
人件費 | 2050 万 | |
事務所維持費 | 360 万 | 家賃とか光熱通信費とか |
初期設備費 | 80 万 | 最初のマシン代とか |
外注費:一本目 | 1367 万 | 内、製造費 200 万円。デバッグ代、特急料金は含まず |
外注費:二本目 | 1248 万 | 〃 |
外注費:三本目 | 1099 万 | 〃 |
| | |
小計 | 6204 万 | |
売上金額 | 3326 万 | |
合計 | 2842 万 | 小計 - 売上金額 |
というわけで、ゲームの売上金を引くと 2842 万円の赤字で、ボクは 3000 万くらいの赤字であろうと予測している。オーナーが 6000 万と言ったのは highsox 全体にかかったお金のことであると思われる。
ゲームの外注費だが、開発費だけでなく広報、それからパッケージなどのアッセンブルやデュプリ代金も含んだ金額である。一律 200 万として計算している。
- 表現を、一部改変。 -- たまきん
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