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** プロジェクトに思う [#o72f1b4d]
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今回のプロジェクトは精神的にいろいろ来る、なんともいやな仕事であった。&br;
そしてなんと言っても、呪われているとしか言い様のない、人的トラブルの連続が今回のプロジェクトだった。

そもそも[[スパイシー:http://www.highsox.jp/products/SpicySpycy/]]は 11 月に始まり、4 月 13 日に終了するプロジェクトで、highsox ブランドの 3 本目のソフトであった。[[highsox:http://www.highsox.jp/]] は 1 年に 3 本出すという基本条件がオーナーからあり、開発ラインは 2 ラインで、1 ライン 8 ヶ月の開発期間という体制を敷いていた。つまり 1 ラインが 8 ヶ月でソフトを制作し、その4ヶ月遅れで 2 ライン目がスタート((正確には同時スタートで、2 本目が 12 ヶ月))、そうして 4 ヶ月ずらしで動かすことによって、4 ヶ月ごとに1タイトルを発売するブランドだったのである。&br;
が、ここの日記を毎日見ている人はご存知だが、1 本目、2 本目ともに事務所内のライターにより、1 本目に関しては 2 回も発売日を延期するという為体を演じてしまった([[そのときの愚痴>../2008-10-08#j2a9a97b]])。従って 1 本目 の「[[要!エプロン着用:http://www.highsox.jp/products/ApronedOnly/]]」は 7 月発売予定が 9 月発売に。&br;
延期は流通やお店からの信頼をなくすため、大手はともかく、うちのような弱小は命取りである。&br;
そこで、次に発売予定だった「[[絶対女子寮域!:http://www.highsox.jp/products/AbsoluteFemdom/]]」は当然発売延期は許されず、シナリオ・ライターが 3 ヶ月以上締め切りをぶっちしたにも関わらず、11 月に発売。広報期間が 2 ヶ月しかなかったことも相まって、売り上げは散々たる状況である(笑)。&br;
そうした中、当然 11 月に 4 を足した 3 月発売のソフトが控えていたのだが、「絶対女子寮域!」でディレクタとシナリオ・ライターはプロジェクト半ばで喧嘩しており、次は絶対に組まないという事態に陥っていたので、エプロンのシナリオ・ライターと絶対女子寮域!のディレクタを組ませ、絶対女子寮域!のライターに 3 月発売のディレクタを任せることになったのである。それが、スパイシーだったのである。

がしかし、絶対女子寮域!のシナリオが遅れに遅れたため、スパイシーは一向にスタートできなかった。本来は 9 月末にシナリオを終わらせ、それからすぐにスパイシーに入り、絶対女子寮域!の残りの作業は、エプロンのライターがやるという手はずだったのだ。&br;
そこで開発期間も鑑みて、発売を 4 月に、そして原画家を二人用意してのスタートとなり、絶対女子寮域!のライティングが終わるまで、ボクの方で進められるところは進めていた。&br;
ところが原画家の一人がやはりどうしても冬コミの作品と両立するのが難しいということで、降板。原画家は一人で行くことになった。&br;
またスパイシーのディレクタも年が明けてもいっこうにあらすじが完成せず、結局 [[1/12>../2009-01-12]] にディレクタを降ろし、ボクが引き継ぐことになった。

1/12 の時点ですでにこのプロジェクトは負けである。&br;
何故ならば、残り 3 ヶ月でゲームを作り直さなければならないからだ。また、今までに出した原画への指示が使い物にならない場合もある。そして何よりも、このような状況に陥ると、作品のクオリティが下がる。明らかに「''急いで作った''」のが解る作品になってしまうのである。&br;
が、highsox ブランド自体は赤字が続いており、さらにエプロンでの醜態が尾を引いているため、4/13 は死守せよというのがオーナーの指示であり、その指示はお金を出す方からすれば充分妥当な判断であることもボクは何となく解っていた。&br;
というわけで、これ以上何が遅れても発売が不可能になるという状況で、プロジェクトが再スタートしたのであった(笑)。

そこで、ボクがシナリオにまずは専念。そのために、降りたディレクタには制作進行やボクが今までやっていた周囲のことを頼んだのだが、結局彼はあまり動いてくれず、制作進行や外注管理などもやる羽目に。1 月の下旬に 1 ルートのあらすじが完成し、それを外注ライターに発注。さらに 2 月頭にもう 1 ルートのあらすじが完成。それをエプロンのシナリオ・ライターに振った。&br;
そして 2/3 からは自分もシナリオ執筆に入った。&br;
このシナリオは何とかかんとか間に合い、3 月 20 日に体験版が間に合うように、音声収録も手配を済ませ、highsox 始まって以来、初めて''発売1ヶ月以上前に体験版を出せる''環境が整ったかに見えた。

ところが今度は原画家さんが 3 月の頭に入院。3/20 まで原画家の手が一切止まり、これが本プロジェクトにとどめを刺してしまった(爆)。&br;
シナリオさえなんとかすれば、という状況から、原画と塗りも何とかしなければならなくなってしまったのである。

今回のプロジェクトの敗因はどこにあるか?&br;
責任はどこの誰にあるのか?&br;
まず一つはディレクタが降ろされた段階か、原画家が入院した段階で発売日を延ばせなかったオーナー側の判断というのは、個人的にはやはり厳しいものがある。結局それは highsox の次回作に影響を与えるだろう。しかしながら、highsox はすでに流通やお店に 3000 本以下のメーカーという印象がついてしまっている。オーナーとしてはスパイシーをさっさと出して、このソフトが 4000 本台に乗らなかったら、赤字部門である highsox はつぶす判断をしていたので、正直スパイシーというのは、オーナーにとってはどうでもよかったのではないかと思う。&br;
次にボク自身の人員の割り振り方であろう。絶対女子寮域!で 3 ヶ月締め切りをぶっちぎったスタッフに次の作品のディレクタを任せるのが間違っている。最初からボクが指揮るべきであろう。しかしながら、highsox はボク以外の人間が一人前のブランドとして切り盛りできるようにするのが目的のブランドである。ボクが前線に出る= highsox の敗北を意味する。なんとしても、ボク以外のメンバーで作品を作り上げなければ、彼らの今後はない。&br;
そして最後にやはり、原画家とその管理を怠った外注であろう。これは単純に締め切り通りにことを運べなかったという責任である。スパイシーの原画家は CG を担当した外注会社から紹介され、原画の報酬もこの CG 会社に支払われている。ということは CG 会社には監督責任が発生する。

この三つの中でどれが重いかというと、まぁそれぞれ同じぐらいの配分じゃないかなぁと思う。&br;
だからこのプロジェクトは単純に原画家の入院を責めるわけには行かない。そういう布陣を敷いたこちらにも責任があるし、発売日を延ばせなかった報いもある。&br;
こーなんていうか、大変さが前の職場と変わらないんだけど……orz&br;
もっとじっくりゲーム作らせてくれないかなぁ(T_T)


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