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** 問屋はいらないのか? [#ac37f4e5]
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IT Pro にこんな記事があって、とても興味深かった。

-[[ムダと一緒に捨てたもの:http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20090528/330813/]]

まずは冒頭の、「余裕をクライアントには見せてはいけない」という部分。今まで生きてきてそんな話は初めて聞いた。ボクの経験では、確かに余裕を見せたら、報酬を減らされたことはないが仕事は増やされる一方である。それでいてボクは周囲から見ると苦労しているように見えないらしい。遊んでいるように見えるんだそうだ。&br;
それはボクの日記を見ている人も思ってようで、修羅場中だったり、何か問題ごとを抱えている最中だったりしても日記はすごく余裕があるように見えるのだそうだ。確かにボクはどんな状況でもその状況を楽しもうとする。厳しい状況になればなるほど、「よし、じゃぁやってやろう」という気になったり、「何か面白いことは出来ないか?」とあれこれ考え、それを実行に移す。&br;
「たまきんがいなければ、あの会社は潰れてくれたのに、どうしてくれるんですか」なんてことを実は二回ほど言われたことがある(笑)。ちなみに周囲からは「ボクが救ったように見える会社」からお礼を言われたことはない。もっとも自分もそんなことはどうでもいいし、目の前にある仕事を自分なりに楽しく片付けただけである。

ただ、このボクの仕事のやり方は、ボクと一緒に仕事をしている人に悪影響を及ぼすらしい。と言うのも遊んで見えるため、「あぁ、これでいいんだ」と誤解をする人がいるらしい。つまりたまきんは仕事をしていない、じゃぁ俺も仕事をしない、と思い込んでしまう人がいるようなのだ。グダグダになった highsox も、ボクのそう言うところが実は影響しているのかもしれない。

ここまではただのボクの仕事の話。ここから先が本題。&br;
上の記事によると、問屋というのは何も商品を右から左に流すだけじゃなく、目利きとしての機能があるというのが簡単な要約である。そしてそれについてはボクもエロゲでは気になっていることがあったのだ。と言うのも、エロゲの流通や販売店でイケイケの所はだいたい社員に「目利き」がいるのだ。「次はこれが来る!」とか「この絵描きは絶対売れる」とか、ユーザの心をしっかりとつかむことの出来る目利きがいて、そしてその目利きが商品管理をするため、そのお店や流通は大もうけをすることができるのである。&br;
そして目利きが出て行ってしまうと、その会社はだいたい凋落する。特にエロゲは商品寿命も短く、流行廃れのスパンが短いので、目利きによる会社の衰勢は何度も目にした。また、目利き自身が時代について行けなくなってしまって凋落するという場合もある。

つまりお店や流通には、商品を売りさばくだけでなく、「良い作品」を見抜く力が必要であり、そしてニーズをメーカーに伝える役目があったのである。


ボクがまだ 10 代の頃、旧スクエアが、企画などを作り手が考えるのではなく、営業・広報が考える方向に転換したとき、ボクは心の中で憤ったものだが、しかしゲーム会社の中ではお客と一番接している営業と広報がニーズを分析し、作り手をディレクションするというのは正しい方向性だったのであろう。&br;

ボク自身は、インターネットや物流が発達し、エンドツーエンドのアサインのコストが下がって来た今、中間マージンを取る流通などは不要だと考える人間ではあるが、作り手に世間のニーズを説明し、コーディネイトやディレクションをし、その流通が確たるカラーとコンセプトを持ち続け、「あの流通から出る作品は必ず売れる」という実績を作り上げれば、まだまだこれからも流通というのは潰れずにやっていけるんじゃないかなぁと思ったわけである。&br;
で、当の自分はどうかというと、ボク自身が全く無名であるという状況が示す通り、世間のニーズとか今何が来ているとか、そう言うのはどうでもいいという問題がある。そもそも上の記事にあるように「何を作ったらいいんでしょう」と思ったことがない(笑)。世間が面白いと思うかどうかは知らないが、ボクはこれが作りたい、というものが山ほどある。ただそれが売れるかどうかは知らん、と言う。だからいつまでも企画も通らず、他人のプロジェクトばかりやっているという為体なのである(笑)。&br;

とはいえエロゲ業界ではまだまだ流通は潰れたりしないだろう。&br;
コンシューマや海外ゲーム市場では、ダウンロードが当たり前になりつつあり、そしてさらに流通や小売りを挟まず、メーカーのサイトからダウンロードしてプレイするという流れになっているにもかかわらず、エロゲではその兆しは全く見えない。もちろんダウンロード販売も始まりつつあるけどね。&br;
その辺のお話を、次回は書いてみようと思う。


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