ゲーム業界、どうする、どうなる?

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またまたスラドで申し訳ないが、以下のような垂れ込みがあった。

欧米のゲーム会社も PC 市場からコンシューマ市場に逃げつつあったがコンシューマ市場もこの為体のようだ(笑)。いや、笑いごとじゃないのか。

海外のゲーム業界は知らないが、日本のゲーム業界はかなりヤバい。というかネガティブな情報しか入ってこない。先月の中旬くらいからは、ついにコンシューマの大手さん(しかも複数社)の噂が入ってくるようになった。いやー、どうなってるのコレ? 相変わらず知人のいくつかの会社は、仕事がないと苦労している。

例のリーマン・ショックが無関係だとは言わない。
不況のためにゲームに使うお金を削っているというのは、当然あり得るだろう。また、そうした流れでコピー品に手を出すと言うことも起きていると思う。やむなくコピー品に手を出した人は、景気が回復すればまた買ってくれるようになるだろうが、一度コピーの味を占めてしまうと果たしてどれくらいの人が戻ってきてくれるのかは不安である。
しかも作る側にとって不幸なことに、「コピー品の方が使い勝手がいい」事の方が多いんだなこれが。もちろんファームを書き換えないようネットワークに繋がないようにするとか、ファームを古いバージョンに入れ替えるとか、MOD チップなりなんなりのハードウェア的な改蔵が必要とかいう最初の敷居は高いのかもしれないが、コピー品はプロテクトがかかっていないので、一つのストレージにまとめられたり、いちいち ROM をセットしなくても良かったり、持ち運び用と家でのプレイ用と分けたり、セーブデータが少ないゲームのためにコピーしたり……使い勝手という面でも性能が良かったりするのである。
一方の製品版はと言えば、当然プロテクトがかかっているわけで、使い勝手に関してはやはりどうしてもフリー*1のものにはかなわないのだ。Xbox 360 で USB の外部ストレージに正規のゲームをインストール出来るようになっているのだけれど、この辺のプロテクト事情はどうなっているのだろうか……ちょっと気になる。

あぁ、話がそれた。
無料のゲームが増えてきているのもユーザがゲームにお金を払わなくなる原因の一つだ。ネトゲは無料が基本になってしまった。GREE など、ちょっとしたミニ・ゲームなら無料が当たり前という風潮もすでに定着している。

これは増々エロゲでも 0 円でゲームを提供しても食っていける環境を整備しなければならない。けどさっぱり糸口がつかめないのよねぇ。いや、ボクの見えている視野がきっと狭いのだろう。何か、何かあるはず!
この間フィギュア屋さんが、エロゲは無料ってやってたけど……(汗)。
今ボクの頭の中にあるのは、どれもお金のかかるものバッカリなんだよねぇ……orz
3 億くらいかかる。たぶん。しかも成功するかどうかはサッパリだ。

もう一つ、問題がある。
今、小売業界ではコストカットに必死だ。例えば棚に商品を乗せずに、納品されてきた段ボールのまま店頭に並べる、シフトを調整して従業員の就業時間の効率化を図る、素材の質を下げる、今まで捨てられていたものを利用する……ETC、ETC。
コレに相当する部分ってのが、ゲーム作りにはないんだよね~~。
あとはもう人件費を削るしかない。
でもこれ以上削ってどうする!?
「ゲーム業界という夢の仕事をしているんだから、賃金低くてイイでしょ」という構図は絶対にあとが育たないし、職人がどんどんといなくなり、現場を知らないディレクタやプロデューサーだらけになって、ゲーム業界そのものが空洞化してしまう。
これはすでにアニメ業界が経験したし、ボクが聞いている範囲では、アニメ業界はゲームよりも崩壊しているらしい。そしてゲームはそのあとを追いつつある。
やっぱりエロゲを作るには最低でも 1500 万円はかかるんですよ、という部分はキープしたい。
つまり 1500 万円を 0 円で売っても問題がない収益構造を何とかして作りたいんだよねぇ。

さらにもう一つは需要と供給のバランスなのかな。
やっぱりコンシューマもエロゲも、供給過多なのかなぁ。いわゆる買い手市場。
ボクみたいに売れもしないのに、ゲーム業界に留まっているヤツが多いとか(笑)。
この辺、映画業界とかどうなっているんだろう。

ところで、「ゲーム業界という夢の仕事をしているんだから、賃金低くてイイでしょ」の話だけれど、これは何もゲーム業界・アニメ業界に限ったことではなくて、歴史的には小説家や音楽家の方がずっと長いよね。
うちは音楽寄りの一家なんだけど、そのおかげで音楽家の卵の知り合いがたくさんいる。その中には 40 歳とか 50 歳の人もいるけどみんな音楽だけでは食えず、何か別の職をしながら細々と音楽活動を続けている。もっともそれは何も今に始まったことではなくて、クラシックの作曲家だってお金に苦労した人はたくさんいる。

そんなわけで、お金の話はボク個人的にはしたくないんだけど、やっぱり何とかして稼ぐことを考えないといけない状況に来ている。ボクにとってこれが苦しいのが、「ゲームという仕組みに金儲けを考えないといけない」ということ。
ボクは純粋に、「こういう話が作りたい」とか「こういうゲームが作りたい」ということがしたいんだけど、そこにさらに「こういう仕組みで、お金を取る」という部分も考えないといけないのだ。しかもその仕組みとゲームがちゃんとマッチングしていなければならない。
つらいんだよね~~~お金にまったく執着がないボクとしては……orz

まぁでも最終的には、どんなに苦しくても自分の力を信じて歩み続けることが大事なのかなと思っている。コピーされようが、つまらないと罵倒されようが、誰も見向きもされようが、ね(笑)。ゲーム業界云々よりも、自分自身が人生を全うするために、ね。

#article


*1 この場合無料という意味ではなく、プロテクトなどの制約がないという意味。

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