本当のブラック企業がどれだけすごいか知らないけど、ゲーム会社は普通にブラック企業だよね(笑)

知人からこんな記事が送られてきた。

ブラック企業の厳密な定義って言うのはボクもよく解らないんだけれど、IT 系を中心に噂には聞いている。で、ゲーム業界がそれに当てはまるかどうかはボクは自信はないけど、まー、でも徹夜当たり前、給料低いってのはまぁ確かにある。けれど、これよりももっと非道い環境をボクは三つ知っている。それは「アニメ業界」「外食業界」「マスコミ業界」である。
徹夜の日数はボクが知る限り、マスコミ業界の方がゲームなんかよりもよっぽどすごい。
あとボクがすごいなぁとおもうのが「漫画業界」(笑)。
ボクらゲーム業界はさ、マスターアップ前が基本的に厳しいだけじゃない?
で、マスターアップなんて 1 年にそう何回もない。
まぁ、前の前の池袋で働いていた頃なんてのは、毎月マスターアップがあったけどwww
でも漫画はさ、週刊なら毎週、月刊なら毎月マスターアップがあるんだよ。知人に何人か漫画家さんやアシさんがいるけど、傍から見ていると、すごい大変そう。

閑話休題。
別にふこう自慢の話をしたくて、この記事を取り上げたんじゃない。今回着目したのは、スクエニさんが「私生活を犠牲にしてでも真摯にモノ作りに取り組める方」と書いたことだ。で、それでブラック企業がどうのこうのという気もない。

そもそも最近の若い人に「私生活を犠牲にしてまで仕事に打ち込んでくれる人」というのが減ったのだ。それはエロゲ業界にも感じるところがあり、休日出勤や徹夜は若い人ほど嫌がる。そこで先輩たちは「最近の若い人は根性がない」とか「クリエイター魂がない」とか喞いたりするわけだが、スクエニさんもそういう社風なのかしら?

昔はね、ゲーム業界に入ってくる人なんてのは、みんな徹夜、休日返上なんて覚悟の上だった。だから会社の要求というか、そもそも自分たちでスケジュールがヤバいとなったら徹夜モードに入ったりする人が多い。でも今の若い人たちはそもそも締め切りを守るという感覚がイマイチ抜けているというか緊張感がないというか、締め切り近くになってもいつも通りのことしかしない。それで先輩たちは「最近の若い人は…」なんて愚痴になるわけである(笑)。

ただ、じゃぁその先輩たちの倫理観は正しいのか? 仕事に命を削るというのはそういうことなのか? 徹夜でちゃんとした判断力も失いつつある中で作った作品というのは果たしてクリエイター魂のこもった作品と言えるのだろうか? 締め切りに危機感を持ってくれないのは、まぁボクもちょっととは思うが、無理に徹夜や休日出勤をしておまけに健康まで犠牲にしてゲームを作ることが正しいとは思えない。

それと、ゲーム業界で徹夜が起きる理由というのは、もちろん色んな理由があり、経営者側が原因と言うこともあるんだけど、ボクが見てきた中ではどちらかというとクリエイター側が原因のことの方が多い。会社に金がなくて、3 ヶ月以内にゲームを出さないと死亡するというような状況の場合は、経営者に原因があるだろうが、だいたい経営者側は社内のクリエイターに対して、規模や予算を提示し、それがいつできあがるかを会議して決めるものである。そして出したい日付に合わせて規模や予算を調整するものである。会社がヒリついていない限り、無理難題を押しつけたりはしない。だいたいはちゃんとスケジュールをとり、クリエイターたちも「それぐらいあればできるでしょう」という了解を出してプロジェクトはスタートする。

けれど人間というのは余裕があるウチは、仕事もわりとゆったりとやってしまうもので、また、8/31 になってから慌てて宿題をするような性格の人もたくさん混じっているわけで、結局最後は帳尻が合わなくなってしまうのだ。つまり、クリエイターたちは自分自身で自分の首を絞め、自ら徹夜せざるを得ない状況にしているだけの話である(笑)。でも、この構造というのは見えづらい所がある。と言うのも、例えばディレクタやライターが原画など、主たる業務の人が遅れたならまぁその人のせいだけど、だいたいは色んな所に関わる色んな人が少しずつ遅れて、全体が押してくるからだ。
したがって末端の開発人員からすると、何が原因で遅れているかは解らないけど、徹夜になっちゃったっていう感じになってしまうのである。そしてその原因に実はその人も含まれていることもあるわけである(笑)。

というわけで、全部が全部と言い張るつもりはないけど、ゲーム業界での徹夜なんていうのは、だいたいがクリエイター自身が招いていると考えて差し支えない。だから企業がブラックっていうよりかは、働いている人たちそのものがブラックって感じなのであった。

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