** 壊れちゃった人たちをどうするか [#h41992f1]

ボクはエロゲ業界長いくせに、エロゲ業界の有名人に知り合いは少ないんだけれども、それでもチラホラとお世話になっている方々はいて、何かと相手にしてもらっている。で、そういう方たちの中でけっこう精神的に病んでいる方もいて、本調子が出せずにユーザの期待を裏切り続けてしまっている方もおられる。&br;
ユーザはそういう人たちのかつての栄光を知っているので、そのときのクオリティの作品を期待しているのだけれど、それを果たすのはなかなか難しい。&br;
というのもそういうかつて偉大だったクリエイターは、大概成功時期に独立して自分の城(会社なりプロダクション──個人事業主──なり)を作ってしまうのだが、そこで大きなしがらみが出来てしまう。経営する能力とクリエイターの能力は違うとか、まぁそういう一般論はさておき、往々にして作品制作に専念できなかったり、守るべきもの(社員や会社そのもの)が増えて、自分のペース以上に作品を作り続けなければいけなかったり、そもそも頂点に達してしまって満足してしまい、制作意欲が低下してしまったり……などなど、理由は人それぞれなんだけど、なんだかんだとぐだぐだしているウチに時代も変わり、自分の作るものも売れなくなり、それでいて城は存続避けなければならず、ユーザには「アイツどうした」呼ばわりされ、さらには社員などにも次第に嫌われたりなどし(求心力の低下、給料の遅配の発生など)、本人の心をどんどんとむしばんでいく。それでも城は存続し続けなければならないので、ムリヤリにでも仕事をしていなければならない。

まぁ、そういうスパイラルに陥って、最終的に壊れちゃう偉大なクリエイターが多い。いわゆる鬱であるとか統合失調症であるとかそのたぐいの脳の病気になってしまうわけだ。

で、これをどう回復させるか?&br;
ボクは専門家じゃないので解らないが、一つはその人の重荷になっていることを全て取り除き、クリエイターそのものをしなくて済むようにさせる、もしくはリスタートさせることなんだけれど、これが非常に難しい。大概このような状態に陥ると、城(つまり会社や個人経営など)は債務超過に陥っている場合も多く、その代表であるクリエイターは何らかの商業活動を続けなければならないからだ。&br;
どこかの誰かが気前よく「10 億やるから自分の城のことなど忘れてどこかに行ってこい」とその人を全ての重荷から解放させてあげれば良いのだろうけど、そんな人(法人)はなく、クリエイター本人が何とかしなければ、この壊れた状態からは抜け出せない。

が、そんな状態で抜け出せっこない。結局、自滅するまで続くのだとボクは思っている。&br;
そしてこのような問題は、業界全体で取り組んでいかなければならない問題なのだ。

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