どうしてこんなに保守的になった、エロゲ

……

今回も結論も何もない、ただの散文です。あんまり本気にして読まないように(ぁ

ボクもともとはコンシューマの世界にいた人間である。
それがどうしてエロゲ業界にいるのか。
それは管野作品に出会ったからというのも動機の一つだが、その他にもいろいろな要因がある。そもそも自分自身、エロいことが好きだしね。それらの動機の一つにエロゲの自由さというのがあった。やはりコンシューマでは血生臭い事象を扱うには骨が折れるし、政治及び哲学的な思想についても横やりが入る(例:殺人を肯定的にとらえる哲学とか)。またエロが出来ないことも足かせの一つである。好きあった男女の話を描く中で、肉体関係は当然のつながりであるし(もちろんあえてそれを避ける恋愛の表現というのもおもしろいわけだが)。

だからエロゲ業界に飛び込んだ。
そして 20 世紀のエロゲはまさにそういう世界であった。そもそもボクのデビュー作なんか、ファンタジーで、その次の作品は SF である(笑)。今ではとうてい考えられない。

そう、今ではとうてい考えられないのだ。少なくともボクの環境では、ね。
学園モノが必須であり、萌えが必須である。学園モノというか、登場人物が子供主体では大人の話はなかなかできないし、人生の妙や駆け引きなどにも様々な制限が課せられる(まぁその制限が、作る上でおもしろい場合もあるんだけど)。
最近ではアニメの方が実験的で意欲的な作品が多いよなぁ。
実はエロゲでもそういう作品を作り続けている所はある。そしてゲーム的に売上げが高いのはそういう会社ばかりである(Alice、TYPE-MOON、Nitroplus)。だから素地(市場)としては全然あるはずなんだよねー。ただ、いずれの作品も派手なのよねw ボクが扱いたいテーマを彼らは扱ってるんだけど、ちゃんと売れるように処理はしてるよねっていう。その「ちゃんと売れるようにしてある処理」がボク的にすごくげんなりするんだけどね……orz。そして、ボクが作ると地味になるwww

あぁ、話が脱線した。
話したかったのはそういうことじゃない。
保守的なのは、何もゲームの内容だけに限った話ではなく、流通、お店、そしてお客さんまでもが保守化しているんではないか、という話。海外ではすでにダウンロード販売が大きく伸びてきているし、一つのダウンロード販売会社が、いくつものゲーム会社の販売を一手に引き受けていたりする。そうすることによって、ゲーム会社ごとに ID を取得しなくて良いので、そのダウンロード・サイトにログオンすれば、いろんなメーカーのゲームが買えるというわけだ。
SONY や任天堂なんかもそっちの流れに徐々になりつつあるが、任天堂は問屋が強いせいもあるのか知らないが、赤字だと聞いている。

ボクはかねてから物質から解き放たれたいと思っていて、特典物なんかはデータでくれよと思っている人間である。マニュアルなんか PDF か HTML でええやん。紙なんかイラン。データでよこせ。テレカいらん、そのエロいテレカの絵をデータでよこせ、壁紙にするから、ってのがボクの主張である。

そもそもさー、店の特典作るのだって大変なのよー。8 店舗にテレカを下ろすことになったら、8 枚、ゲームとは別にオリジナルのデータを作らなくちゃいけない。テレカならまだサイズが小さくてイイが、タペストリーや抱き枕、シーツだったら解像度も上がり、作業も増えていく。
それならそのせっかく作った高解像度のデータをだよ、ゲームに入れさせろよ~~~。
テレカの絵、全種類、買ってくれたユーザさんにプレゼントしてあげたいよ。みんなで愛でてくれよ、っていうのがボクの本音である。

もうさっさとダウンロードに移行して、特典はさ、買ってくれた人に送るんでイイじゃん。
それならもっともっと豪華な特典つけられるし(問屋や販売店などの中抜きの額が減るとしてだけど)。
それにそうすれば、積みゲー状態になってもかさばらないじゃん! 何本買っても、部屋は圧迫されないよ!!<そこかよ

Error: Flash Player Cannot Installed.
  •  専門家に対して意見するのもなんだけど、こっちも適当なコメントなんで軽く流して下さい。
     
     どこかで斜陽化しつつある産業は、保守化する傾向にあるそうです。理論上では少なくなった顧客のパイを奪い合うためといわれますが、どうも経営者の心理的なものも大きいらしい。 新しい企画や考え方に挑戦する勇気がなくなるんでしょう。
     僕のいる食品業界もそうで「とにかく安い」か「ご当地ブランド」の二極化が著しいです。話がそれますが「食品偽装」なんかがその弊害なんでしょう。
     知り合いに聞いた話では出版業界がまさにそういった感じで、雑誌の企画は売れていたころの企画の焼き直ししか通らないのでマンネリ化が進み、結果顧客を失う悪循環になってるそうです。
     
     こういった問題の根本的な解決法は「その産業自体が好調なうちにに客を教育する(造詣を深くする)」ということは、少し経営の目端が利く人間なら解ってることなんですが、中々実行することは難しいし、気がついた時はもう手遅れというケースも多い。
     お客さんのレベルが上がることによって、興味や嗜好も多様化し新しいニーズも生まれるという簡単な図式なんですが、これを近年達成させた産業はJリーグぐらいしか僕は知らないです。僕が不勉強なだけかもしれないけど。

     本来はリーディングカンパニーがやるべき仕事なんだろうけど、隙間的産業のエロゲーではどうなんでしょうね。
     コンシューマーは完全に継続的なユーザーを切り捨てて、瞬間風速的ユーザーを相手に商売するモードに切り替えているような気がするんですが、ある日突然風がパタッと止まってしまうようで怖いです。これは僕のいた格闘技界で実際に起こった事例です。まさか10年前はK1潰れるとは思わなかったよ。 -- 龍英 2012-01-28 (土) 15:39:01
  • 私はむしろ、今までのこの業界が特異すぎたと考えています。エロ系のアダルト業界なのに(ごく一部の作品とはいえ)ハイカルチャーにも太刀打ちしうる高度なストーリーがあって、それを受け手も当たり前のように受容してしまう、という。それは正にエロゲが自由さ故に成し遂げたことで、なので最近の流れは正直残念です。 -- Quiche? 2012-01-28 (土) 16:30:29
  • 龍英
    まぁそういうことなんでしょうねぇ。もっとも上にあげた Alice、TYPE-MOON、Nitroplus はもはやエロゲじゃなくてもやっていけるだろうから、大丈夫だと思います。問題は残るその他だなぁ(笑)。
    Quiche
    いえいえ、本来、エロゲは最先端を突っ走ってなくちゃ行けなかったと思いますよ。今でもとんがったものは出てるとは思いますが……なんとも、勢いっていうのはだいぶないんですかねぇ…… -- たまきん 2012-01-28 (土) 17:19:09

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