概要
luv wave は XINN という世界中のネットワークが停止するという現象を発端に、諜報員の主人公【御子神 薫】とその助手【アリス】が事件に巻き込まれていくという話で、基本的にサイバーパンクを模した内容となっている。
主人公が属する帝諜 13 課は KGB の V 課がモデルになっており、諜報機関内でも暗殺などの汚い仕事を請け負う部署である。
物語はアメリカから亡命してきた一人の技術者【マシー・スペクター】を暗殺したところから始まる。実はこの技術者はすでに脳内に NINE-HEAVEN を利用して別の人格が入り込んでおり、しかもその人格の元はネットワーク内に存在していて、主人公が殺しても殺しても現れるという摩訶不思議な存在であった。
だがそれらの暗殺を通して少しずつネットワーク内に潜むもう一つの人格、そして XINN への正体へ主人公は迫ることになる。
科学的なアイデアとしては、無意識下に送られる信号が連続することによって一つの記憶とプログラムとなり、本人が気付かないうちに脳の中に記憶と意識を作り出す NINE-HEAVEN という麻薬と、地球規模のネットワークが一つの脳とほぼ同じ働きをするという 2 点だと記憶している。
また NINE-HEAVEN を打ち込んだ人間に対してはマシー・スペクターなどのネットワーク上の人格が自由に出入りできるとした。
オチはネットワーク内にいる人格は、かつて主人公の恋人【真由美】であり、その真由美はネットワーク内に自分の脳のコピーをとり、肉体は主人公に殺させていたというものである。しかしその時すでに真由美は主人公との間に子を宿しており、不完全な胎児から機械化などの補完を得て誕生したのがアリスであった。
結局、ネットワーク内に逃げ込んだ真由美は精神的な崩壊を引き起こし、XINN というものを起こしてしまう。そして自分の肉体を地球だと勘違いした真由美の人格は、自分を地球だと思い込みながらネットワークのデータの藻屑となって消えていくのである。
裏側の話
この馬鹿げた XINN 騒動を引き起こしたのは、実は真人 京子という人物である。
彼女は真由美の母であり、脳内をプログラミングすることを可能にした科学者ウェズマの妻であり、この父娘を利用して地球規模のネットワークに脳と同じ機能を持たせ、地球規模の精神体を作り上げることに成功した。
彼女の目的は、宇宙中に散っているとある人物の精神である。
その精神は真人京子の主であり、またそれを集めることが彼女の役目であった。
そして真エンディングでは真人京子はその精神の一部の回収に成功する。
開発話
このゲームはバグゲーとしてリリースしてしまった。
原因は大きく二つある。
一つは外注の原画が指定とあまりにも違う内容であげてくるのと、マスターアップの三日前まであがってこないというとんでもないスケジュールになってしまい、シナリオが執筆できなかったためである。結果、声録りなどのスケジュールも破綻し、音声を入れる時間もほとんどなく、画面に表示されるメッセージと喋る台詞が食い違うという問題を引き起こしてしまった。
もう一つは MIDI 初期化命令(GS リセット)を、 MIDI データに入れずにプログラムで行うようにしたところ、MIDI ドライバによってはそのコマンドを受け付けずにハング・アップするという問題が発生した(言い訳であるが、これはドライバ側の手抜きが問題であったが、それを検証しきれなかったのはボクの落ち度である)。
なぜ初期化をプログラム側で行うようにしたかというと、すぐに音が鳴らせるようにするためであった。MIDI データに初期化コマンドが入っていると、再生命令を発効しても音源が初期化されるまで音をならすことが出来ない。そうなると急な場面展開で BGM が追従しないという問題が発生したのである。
そこで MIDI で使うチャンネルをある程度決めておき、作曲家さんには初期化しなくても鳴るように作ってもらい、ゲーム起動時と CONFIG で音源の種類を変えたときだけ音源を初期化するように組んだのである。
結局最終バージョンでは、MIDI データに初期化コマンドを埋め込んで対応した気がする(Version 1.04d)
仕様
データ規模は以下の通り。ただし、記憶を頼りに書いているので何とも言えない(汗)。
対応 OS | Windows 95, Windows 98 |
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