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焼け(ただ)れたある一軒の屋敷に、三人の姉妹が住み着いた。
目白の幽霊屋敷と言えば、この一帯では知らない者はいない。
だが、いつの間にかその崩れかけた屋敷には庭が整備され、門がつけられ、
建物も煉瓦(れんが)があしらわれた小綺麗な洋館に生まれ変わっていた。
それでも、幽霊屋敷は幽霊屋敷と呼ばれ続けた。
瓦礫の山の上にぽつんと立つその美しい洋館は、誰が見てもこの世のものではないように思えたからである。

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