Top > Diary > 2008-04-07

//カテゴリ:ゲーム制作
*** 忙しくなり始めた [#r5b1b5e7]
#ref(../rural_rn00h.png,nolink)

いよいよ開発も徐々にデータがあがり始め、何となくぼやけてはいるものの作品の全体像が見え始めていた。&br;
同時にここに来て問題点というのも少しずつ首をもたげ始めた。&br;
そしてそれはボクがこの今の職場に転職するときに抱いた不安が的中したものであった。

人間は見えない仕事に対して、なかなか動くのが難しい。&br;
見えない仕事とは何か?&br;
たとえば、「これこれこういう絵を描きなさい」という指定が 80 個ある。&br;
これは比較的仕事が見えやすい部類に入る。&br;
がしかし、見えない仕事もたくさんある。&br;
「シリアスな表情って指定があるけど、何処までシリアスに?」&br;
「悶絶って白目向けちゃっていいのかな?」&br;
行間に秘められる情報量は、絵を描く人が描くなりに読み取っていくしかない。&br;
何処まで凝っていいのか、何処まで手を抜いていいのか、またどのように描けばこの指定を書いた人間は納得するのか……その線引きは曖昧で、描く者にとっては恐怖に近い深い溝に覚えることもあるだろう。

絵に限ったことではない。&br;
「ここで A の正体を知った B は A を刺し殺してしまう」なんてあらすじがあった。&br;
何処まで描写しよう?&br;
A の台詞。&br;
B の憤りと武器を取り出すまでの描写。&br;
そして実際に手をかけるシーンの描写。&br;
このシーンを 1kbytes で終わらすこともできれば、50kbytes 以上かけることもできる。

これが「見えない仕事」である。&br;
自分で何処までやるかを決め、そして実際に目に見えるものに仕上げていく部分。&br;
この部分が多ければ多いほどその完成図はぼやけ、そして自分よりも遙か遠くにあるように思えてしまう。いや、そこで手が止まった人たちがどうしてその先をやらないのか……それはボク自身には解らないけれども、このように目に見えない部分がある仕事に対してまったく動かなくなってしまう人は多いし、目に見えないことをいいことにどんどん後回しにしてしまう人も多い。

-自分の理想と出来上がっていくもののギャップが激しくて先に進めない。
-自分が今作っているものが果たして受け入れられるのか、面白いのか、解らない。

だいたいこんなようないいわけを今までいろんな人から聞いてきた。&br;
もちろんボクだって人のことは言えない部分もある(汗)。

今、ボクが動かしているいくつかのプロジェクトのウチ、二つはこの「見えない仕事」に対して明らかに停滞している。&br;
だけどボクは言う。&br;
「 0 を 1 にしないとそもそも意味がない」&br;
その出来上がったものが理想とどれくらいかけ離れているのか?&br;
その出来上がったものがどれだけつまらないのか?

&size(30){''いいから書けよ!''};

じゃないとこっちだって善し悪しの判断さえできもしない。&br;
ただ時間ばかりが過ぎるだけなのである。&br;
というわけで、ボクが書くことになりそうな雰囲気が少しずつ見えてきているというか……きっと、来週か月末にはひーひー言っていると思われる(汗)。とはいえ、偉そうにこんなことを書いたからには、ボク自身も仕事が回ってきたら停滞してはならない。そう、今日の日記はボク自身への自戒の意味もあるのだ。

でもさ……もう他人の作品を書くのはいやだよー……orz&br;
まぁボクのゲーム制作のほとんどはそう言うことに費やされているわけだが……。


#comment

    ホーム 一覧 検索 最終更新 バックアップ リンク元   ヘルプ   最終更新のRSS