どたばた、けれど設定はちょっとシリアスに。 近い作品 -> ハーフ&ハーフ/おまかせ S・S(巣田祐里子)
全体的にはどたばたとさせ、冷静沈着に考えようとする主人公に対して、周囲の女の子があたふたするという構図。敵味方の区別はあるものの、一つ屋根の下で学園生活をエンジョイしている。しかもそれがただの人間じゃなくて、天使や悪魔も混じってるんだから、そりゃもう学校も大変なことに……と。
■設定 街の雰囲気 -> 街の名前:汐崎美通区 横浜の雰囲気を誇張したような所。政令指定都市 西洋建築、外人墓地、石畳の路地、運河、坂、高層ビル、総合ショッピングモール、赤煉瓦倉庫、高速道路、中華街 聖天翔学園 幕末にアメリカから来た宣教師が建てた学校。 開校に際し、天使が舞い降りたという伝説があるために、天翔の名前がある 小中高が存在。元々女子校で、戦後共学校に。 寮有り(全寮制ではない)。 聖天翔学園寮 舞台になる寮は、主人公が入っている寮だけ。 高校生を収容する寮。学校の裏手にある少し小高い丘の上に立っている。 そのため、寮→学校は楽だが、学校→寮は坂道が大変。 魔術の露出 七不思議の話を持ち出す -> 雛子が聞いてきた話として紹介 学校に伝わる黒魔術の話など -> 女の子達の間で、恋愛成就のおまじない 七不思議の内容《学校編》 七不思議の内容は、初等、中等、高等で微妙に異なるらしい 音楽室のピアノの音 図書室の消える生徒 プールで手足のない生徒が泳ぐ 懺悔室で懺悔する魔女 足音だけが聞こえる、北棟階段 開かずのロッカー -> 色んな所にある 時計の鐘が13回鳴る 七不思議の内容《寮編》 夜中、聖母がテラスを歩く 消えた部屋(13号室) 丘の上は、昔墓場だった(寮は丘の上に立っている) 壁をはがずと、お札がいっぱい張ってある部屋がある
■設定
■設定 魔法の定義 基本的に黒魔術を前提とする、オカルトを中心とした魔法。 法則があり、魔法としての力は魅力的だが、行使には意外と制約が多い。 たとえば学園内で流行っているおまじないなども、基本的に全く効果はないが、 たまたま条件がそろって、発動してしまったりすることがある。 しかし、黒魔術なので、必ず何らかの犠牲が必要。たまたま発動した場合、生徒が 病気になったり、対象の生徒が呪われてしまったりする(制約がないのは、天使と悪魔が直接行使する「奇蹟」のみ)。 探偵部が使うのは、白魔術 -> 実は天使(熾永)の力を借りている。 白魔術 保健医、熾永 豊によってもたらされる魔術。 欠点として、人間が使う場合は、この世のものには効かない。 悪霊とか悪魔とか、あっちの世界に対してのみ、行使できる。 熾永自身が力を行使すれば、その限りではないが、力を求める人間と、熾永の意志が合致しなければ、行使できない。 物の怪 学園内に封じ込められていた、悪霊が、主。 主な被害は、ポルターガイスト、憑き物、魔法を付与された物品など。
■設定 本を焼く香帆なりの発想で、証拠隠滅に近い。焼いたからと言って、魂が戻ってくるわけでもなんでもない。 香帆と主人公の過去 香帆と主人公はほんの1ヶ月の間、同じ病室で過ごしたことがあった。重病に冒されていた香帆を、主人公は何度も励まし、相手をしてあげた。 命をつなぎ止めるという意味で主人公が送った、長いリボン。結局、そのリボンをしているところを主人公は見ることは出来なかった。そして、主人公は先に退院してしまった。香帆は病に勝てず、さらにその一月後に息を引き取った。香帆は自分を支えてくれた主人公に好意を寄せていたが、結局その思いは伝えられず、それが香帆を悪魔に魂を売るきっかけとなってしまった。香帆は消えるときに、「自分が死んでも、覚えていて欲しい」と主人公に告げ、主人公は「消えることはない、絶対に死なない」と言い切る。これは、入院していた時にも、全く同じ会話がされていた。そして、香帆は生きられなかった。 Gate 開かずの懺悔室に稲置が仕掛けたシステム。まだ未完成。 つながった先は、稲置がもといた世界(今回の作品では取り扱わず)。 稲置のことは裏設定参照。
■設定 歴史を変えたのかも実際は変わってない。それは、記録帳が2種類存在しているのが何よりの証拠。本当に歴史を変えたのであれば、その世界に記録帳は1種類しかないはずである。
■設定 物の怪主に、悪霊/幽霊のたぐい。香帆のように、悪魔に魂を売って、その罪にさいなまれて自殺した女の子とか。本に閉じこめられている生徒も、悪魔もしくは黒魔術と何らかの接点があったかもしれない。 黒魔術の効果魔法は何も直接的な要素だけでなく、誘惑や負の思いも誘発させる。たとえば事件1のように、ちょっとしたテストへのコンプレックスと、優等生というレッテルが、カンニングへと駆り立ててしまうように。
■設定 世界が変わって香帆の学年が変わっているこのことに気付ける主人公と雛子は、特殊な存在であることを示している。つまり、悪魔は香帆の属性が高まったと同時に、因果律を変えたのに、主人公と雛子はその影響を受けていない。
■設定 本の中に元々いた霊恋愛成就のまじないにハマってしまった結果か?はじめは軽い気持ちでも、繰り返すウチに本気になってしまう。そうして、実践した恋愛成就のまじない(既に魔術)が、結果として不幸を招いたのであろう。
この辺一帯は、鬼(魔物)からの支配から逃れるため、鬼たちを婿として迎え、処女を差し出すという風習が古来より続けられていた。 明治時代への切り替わりの頃、この汐碕は西洋文化に習った都市計画がなされ、街の霊的な防護も従来の日本式から、西洋式へと移行した。このとき、その陣頭指揮を執ったのが、聖天翔学園を建てた宣教師である。 彼はこの地方に古くから根強く残っている、鬼を迎える習慣を根絶しようとし、魔法陣に教会を配し、そこに天使を宿らせた(智天使、座天使、主天使、力天使、能天使)。こうして教会で汐碕を囲み、汐碕のほぼ中心にある鬼通という街道にもっとも権威ある熾天使を置いた。そして鬼通を美通と改称し、その熾天使の座する場所に、聖天翔学園を建て、熾天使をこの街の守護の象徴とした。 ここで初めて人間たちは鬼から解放され、鬼を婿に迎えるという風習に終止符を打つことになるのだが、これをきっかけに鬼と人間の戦いが始まり、嫁入り前の処女が呪い殺されるなどの不吉な事件などが相次ぎ、戦いは熾烈を極めたらしい。 宣教師とその天使たち、そして地元の人たちの抵抗のもと、徐々に鬼たちを追い払っていくが、鬼に敗北する決定的な事件が起きる。 熾天使と宣教師は、いつの間にか愛し合うようになり、そして契りを交わしてしまい、あまつさえ子供をまでもうけてしまったのだ。 人と天使の交わり。何よりも宣教師には妻子がいた。 姦淫の罪を犯した宣教師はその聖なる力を失い、一気に鬼たちの侵入を許してしまう。そして、宣教師は鬼の手に落ち、街はまた鬼の手に渡ろうとしていた。 鬼達に、蹂躙される天使たち。長である熾天使は死の決心をし、鬼となり果てた愛する宣教師と差し違え、自らの遺体をこの街の中心の地下に封印し、宣教師と自分と、そしてこの土地を浄化するよう、残った天使達に命じる。残った天使たちは、引き続きこの街と熾天使の封印を守護するために、留まることになった。 かくして汐碕の土地は浄化されるのであるが、鬼達は汐碕を守護する天使達に呪いを残し、天使たちに寿命が与えられてしまった。そこで天使達は人間達と交わり、子孫を残して、この街を守り続けようとする。
文字通り、日本に伝わる鬼。
香帆を悪魔にしたのは、実は悪魔じゃなくて土地神。 この土地神、郷土史によると、江戸初期にすでに名前はない。 結果的に、土地神とキリスト勢力のいがみ合いだったり。 ちゃっかり、熾永と同じように、この学園に生徒として存在していたり。 伏線として、少しだけ登場。 実は別世界から来た神様で、別世界に飽きて、我々の世界にやってきた。
こちらは天使じゃなくて、実際はこの我々の住んでいる世界のイモータル。 土地神として居座っていた稲置をいったんは追い出したものの(江戸初期)、しきたりなどで稲置の影響を払拭することが出来ず、明治維新の時に西洋化を利用して、天使ということにしてなんとか稲置を撃退。 その後も、稲置と張り合いを続けて、今に至る。
宣教師と熾永の間に出来た子供。そこそこのイモータリティを持つ。 実は稲置の加護を受けている。自己に目覚めることなく、永遠に生き続けている。 稲置曰く、稲置の自信作らしい。というのも、そもそも熾永と宣教師を誘惑し、恋に導いたのは稲置である。稲置の目的は現在の所、謎。 稲置は少しずつ、光人の自我を目覚めさせようと思っているらしい。
この辺一体の盟主である神宮司家の一人娘。かつての庄屋か大商人か? 実は妖怪の血筋(九尾の狐とか、その辺。まだ詳しくは決めてない)。 普通の人間よりは少しだけ強いイモータリティを持つが、主人公や稲置、熾永ほどではない。混血が進んでいるので、妖怪としての能力も低い。 将来的にエピソードが続くようであれば、雛子が被害者になる話を想定している。-> 稲置に利用されちゃうとか、妖怪の血を濃くされてしまうとか……そういうの、正体を披露。今回は特に設定は出さない。
彼女の意味はなんと言っても、雨切光人に惚れているという部分であろう。 稲置はそこに目を付け、死後、悪魔として復活させた。 ここで注目すべきなのは、熾永も稲置も無理矢理その力を行使することは、していないと言うことである。求める側の意志がなければ、そしてその意志と、イモータルの意志が合致しなければ、イモータルは手出すことはない。 光人に再会することを願う意志、霊を浄化したいという意志、元へ戻りたいという意志、これらの意志があってこそ、イモータルは初めて手をさしのべる。
イモータルは概念的に多神教の神。ギリシア、ローマの神々や北欧、ケルトの神々もそれに類する。日本の土地神も、同義。 イモータルにも強い弱いがあって、それなりのヒエラルキーが構築されている。 人間からイモータルになった者もいる(菅原道真とか、安倍晴明とか?)。 それが、超科学を持った宇宙人なのか、古くからいた別の人類なのかとかそういうのは特に設定してないが、とにかく普通の人間からすれば、神様といっても過言ではない存在のことをイモータルとする。 実は彼らは本来、特に制約なく力を行使することが出来る。本作では人間の意志とイモータルの意志が合致しないと、イモータルは力を行使しないことになっているが、実際はそうではなく、イモータル同士が自由に力を使い始めると、この世界がなくなっちゃうからイモータルは力を使わない(使えない)。 実は神様って何でも出来て、悩みもなくて自由で、何でも支配しているのか、と思ったら大間違い……ちょっとでも何かに影響を与えようとすると、別の神様がちょっかいを出してくる……すると連鎖的にものすごい奇蹟の応酬になってしまうというわけ。そうなると、生き物どころか宇宙までどうかなってしまうので、とりあえず大義名分がないと神様達も身動きが取れない……ということになっている。