ネクロマンサーばんざーい

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「最初に謝っておくよ、うん、これがキミが最後に見る風景なんだ。すまない。フフフ、そして渾沌へようこそ……永遠にさようならだね。」

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ボクが懐かしそうに一枚の写真を眺めていたら、妹が少し寂しそうな顔をした。
どうしたの、と聞くと、少し首を左右に振って「あの時間は二度と帰って来ませんよ」と言った。
そんなことは解ってる。
だからボクは「べつに今があるから、いいじゃない」と答えた。
時は違えど、ボクたちの思いは同じだから。
あの頃の記憶は懐かしいけれども、今の方がもっともっといい時間だと思う。
けれど……妹はこんどは少し笑うと「思いはいつまでも同じ場所に止まるとは限りませんよ」といって、そっとボクの頬にキスをする。
「どういいうこと?」って顔を上げたら、妹はただほほえんで、それからボクの前からいなくなった。


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