luv wave から 10 年ぶりのたまきんテキスト・オンリー作品。 更新履歴
関連ページ目次企画の発端「翼をください」の原題は「Angelic Being」という名前で、これは Human Being から来ており、単純に「天使」という意味であった。Angelic Being という名前は初回特典のサントラ CD のアルバム名として残っている。 この作品の企画の発端は、10 年以上前に遡る。 結果的にこの企画は他のプロジェクトの手伝いをしている間にうやむやになり、EVE の移植だのなんだので、さらに自分の作品を手がける余裕もなくなり、そしてそのうちに C's ware をやめてしまい、そのまま闇に葬り去られてしまった。 この当時は「汐碕市」という名前はあったが、まだ「浮遊大陸」ではなかった。横浜を元にした海辺の街だったのである。「汐碕」と言う名前が付いているのも、そのためであり、また何となく洋風な街作りなのも横浜がモデルだからである。 なお、この Child のキャラを拝借したのが「將姫」という麻雀ゲームで、これに出てくるキャラは皆、Child の天使たちである。また將姫の舞台となっている学校名も「天翔学園」と言い、「聖天翔」から「聖」をとったものである。 ラノベとしてこの企画が最初に復活したのは、意外にも「ラノベ」としてであった。 結局この企画はボクがものすごく多忙になってしまい、そのまま流れてしまった。 ゲームとして再起動そして次に復活したのがこの「翼をください」である。 そこで、たまきん一人で 2MB は入力しようという計画を元に、12 人いた天使を 5 人(光人・やすら・瑠璃火・水帆・水翼)まで減らし、さらに瑠璃火と水帆と水翼の三人は分岐によって選ぶことができ、この三人をクリアしたらやすらがクリアできるようにするという構造で落ち着いたのである。 背景世界本作についてはまだまだ語り尽くせない要素がてんこもりなので、いろはの時のようなネタ晴らしはできないが(というか、したところで膨大すぎて、各ネタバレのつながりを示すだけでも一苦労である)、本作がどれだけ途方もない作品かは少し書いてみようと思う。 空を見上げるとそこには宇宙が広がっている。宇宙には様々な天体があるが、その中には銀河系よりも遙かに小さいのに銀河系の何百倍ものエネルギーを持っている天体とかがある(クェーサーとか)。イモータルというのはそういった超高エネルギーなものを自在に操ったりすることができるのかなぁ、というのがボクのイモータル感である。 ただイモータルの定義にはまだ決められていない部分があるのも事実で、例えば銀河やクエーサーを自由にできるとして、それを人間で例えるなら積み木を動かすように自由に扱うことができたとして、やっぱり扱うと数億年が経っていたりするのかとか、そもそもそれだけの力を持った存在が作り上げる世界とはどんなものであるかなど、研究の余地はまだまだある。 本作に登場する「稲置 涼子」と「熾永 豊」は言うなれば、銀河やクエーサーを自由にどうこうできるクラスのイモータルである。彼女たちは太陽の 20 兆倍以上のエネルギーを自由に操り、自身はそれ以上のエネルギーを持っている存在である。つまり彼女たちがクシャミをすれば、地球がふっとぶとかそういうレベルを これは例えるなら人類が火をおこす所から始まって、最終的には銀河系を丸ごと油田のように使うようになるまでの途方もない歴史が必要なことを意味するが、そこはフィクションであるし、飽くまでもボクの脳内での話であるからして、どこかに着地点が存在することであろう。 制限今回、作るに当たってほぼ自由に企画できたわけであるが、一つだけ広報・営業から課せられた制限があった。それは「血を控えるように」ということであった。当時の傾向としてヒロインが死んだり、血がいっぱい出るようなものはタブーだという認識が広報・営業にはあったらしい。 魔について本作に登場する「魔」は、「魔法」のことで間違いない。ただボクとしてはオタク界隈でメジャーとなっている「魔法」とはまったく異なる表現の魔法を目指したつもりであったため「魔」という表現をしたのである。 ただ、もちろんベースは D&D である。それをこの世界に合うようにアレンジしてある。日記にもある通り作品は D&D 3rd を使っているが、キャラクタ紹介のキャラクター・シートでは項目数を削るために、D&D Classic を用いている。マジック・ミサイルの数や TAC0 などいくつかのところで違いが生じてしまっている。
世界が変わるってどういうこと?ここだけ、ネタ晴らし。熾永がやっていることは、都合の悪くなった世界を構築し直しているわけだけれども、世界に対して影響力の大きな存在は、構築し直せないと彼女が吐露している。それはどういうことかというと、D&D のネームレベル(LV9)以上の者は、世界における影響力を有し始めているため、彼らの歴史まで修正することは難しい、ということ。なので熾永が歴史を修正すると、彼らは気付く可能性があるということなのだ(気付かない場合もある)。これはモンスターにも当てはまり、HD(ヒットダイス)9 以上のモンスターは同じく、熾永の影響を受けづらいということになる。 で、LV9 以上の人間っていうのは、この地球には 600 人しかいない。 したがって熾永が世界を構築し直した場合、この 600 人が気付いている可能性がある。
ラテン語邦訳雛子や水翼が使っていたラテン語の邦訳。
BGM 元ネタ表恒例の BGM 元ネタ表。「翼をください」で使われた楽曲は全部で 30 曲、そのうち「翼をください」のために書き下ろされたのは 22 曲。予算を抑えるため、ボクが管理をしていたブランドで発注された曲を 8 曲利用している。Track はサントラ CD のトラック番号、ファイル名というのは実際にゲームに組み込まれた時のファイル名。ゲーム本体のおまけの Jukebox では「翼をください」のために書き下ろされた曲のウチ、ショートなもの以外が収録されている。 ちなみに発注先は「いろは」と同じ人。ただその人は曲も書くけどプロデュース業務もしていて、その人から先に色んな人が作っている。 ちなみに発注先は「いろは」と同じ人。ただその人は曲も書くけどプロデュース業務もしていて、その人から先に色んな人が作っている。参考曲はリンクが張ってあるヤツは、聞くことができる、はず(ぉ
おまけいろはとの関係同じ時代の話なので、彼らは同時に存在している。いろはは群馬県、翼をくださいは長野県なので、距離もそんなに離れているわけではない そして恐らくだが、天音と雛子はわりと不幸な出会い方をせざるを得ないのではないかと思っている(賢者になるためにどちらかを殺さなくちゃいけないとか、その系)。 そろそろ負け犬の遠吠えを……#ref(): File not found: "rural_am00a.png" at page "Storage/Text" 2/26 発売のたまきん企画ソフトは、2008 年 10 月頃にスタートした企画である。当時動かしていた highsox というブランドの傍らで細々と作るソフトであった。そのため開発期間はとても長く取られており、発売は 2009 年の 12 月という 14 ヶ月も開発期間を与えられたのであった。これはボクにとっては願ってもないことであり、highsox の面倒を見つつ、ボクはボクでじっくりとこのソフトを作る予定であった。 ところが、2008 年 12 月頃から highsox のプロジェクトの進行が怪しくなり、翌 1 月の正月明けに highsox のプロジェクトのディレクタが降板。結局ボクが highsox のプロジェクトの指揮りと実際のシナリオやらなんやらをやることとなり、2/26 発売のソフトは封印されることとなってしまった。こうして 5 月までプロジェクトは凍結された。 当初の予定ではシナリオは 4 ルートあり、1 ルートあたり 500kbytes 、その他の枝や共通部分、ネタ晴らしシナリオに 500kbytes の計 2.5MB を考えていた。2.5MB が無理でも、最低 2MB は入れるというのがこのプロジェクトの目標であった。この 2MB という数字は、luv wave と同じ容量であり、久しぶりの自分の企画であるのだから、せめて luv wave よりも多く入力したいと思っていたのだ。 純粋なシナリオ入力期間は 6 ~ 7 ヶ月で、これはボクにとっては 2.5MB 入れるに充分な期間であった。 ところで話はずれるが、luv wave が 2MB というシナリオ容量なので、C's ware 時代、2MB を 1 ラヴという単位で呼んでいたのを、今思い出した。懐かしいなぁ(笑)。 閑話休題。highsox のプロジェクトが終わり、5 月から再スタートした時点で、2/26 発売のソフトの開発期間は残り半年。シナリオに掛けられる時間は 4 ヶ月となってしまった。highsox と同じく、発売日は厳守という命令が下っていたため、発売日はずらせなかったのだ。となると、今までのシナリオの構想を見直さなければならない。4 ヶ月だとどうがんばっても 1.5MB が限界だろう。 そこでターゲットになったのがルート 3 である。ルート 3 はルート 1 の別シナリオだったため、ルート 1 と統合することとした。また、分岐をなくし、単純に繰り返すこととした(実は正確に言うと、あの作品は繰り返しではなく、ちゃんと日時が経っていて、そのためルートごとに曜日と日にちが異なっていたりする。つまりあれはパラレル・ワールドではない*1)。 上記の決定により、シナリオのあらすじはほぼ 0 からの作り直しとなった。 シナリオは 7 ~ 10 月の 4 ヶ月。ペースは遅かったりした時もあったが、1 ヶ月 400kbytes のペースを守り、1.6MB 入力している。 しかし、9 月くらいから原画さんの進捗がヤバい状況に陥り、発売に間に合わせるには原画枚数を削るしかないという状況になりはじめ、そこでまたシナリオの縮小を余儀なくされる。もっともこれは進行管理や原画への指示といった部分でも問題があったため一概に原画さんだけの責任ではない。 まぁそれはさておき、9 月中盤からはあらすじを変更しながらのシナリオ入力になってしまった。 しかしまぁ、とにかく発売日には間に合う算段をつけながら制作を続けた。 ところが、マスターアップ 1 週間前に突如延期が決定となる。 ただ、この 1 週間前というのは、伸びてもちっとも嬉しくない状況であった(笑)。というのもすでに声録りは済んでしまっていたからだ。9 月 10 月に削ったシナリオを復活させるには再収録が必要となり、声優さんのスケジュール取りからやり直す必要があるため、かなりのコスト高になる。 また、シナリオもすで収録した音声を使うこと前提でテコ入れしなければならず、さらに年末年始が挟まっているので、外注さんはその間動かないため、1.5 ヶ月の延期も 1 ヶ月あるかないか程度の期間なのである。 ちなみにこの延期により、シナリオ容量は 1.6MB から 1.8MB へと増えた(重複している部分は除く)。 そして、とどめは会社が資金ショートに陥り、給料が出なくなると言う自体にまで発展(笑)。いや、ボクの給料は別にかまわない。それよりも外注さんに支払われなくなったのが問題だった。ボクはマスターアップの処理をしながら、色んな外注さんの所に頭を下げに言ったり、値段交渉をしたり、支払いの契約書を再度交わしたりと、とんでもないストレスに見舞われてしまった。さらにボクに知らされていない未払いの外注さんもおり、かなり非道い有様であった。 なんかさー、もう呪われてるよね(爆)。 まぁでも、highsox のせいで遅れた分の期間を延ばしてもらって、発売を 2010 年の 4 月か 5 月にしてもらったとしても、2010 年 1 月ぐらいに会社が資金ショートして、プロジェクトは頓挫してたんじゃないかなぁ。ボクだけに給料が出ないのはぜんぜんかまわないけれど、外注さんとかにまでそれを強要することはできないわけで。 ということを考えると、2/26 にまずは本作が発売出来たことをボク自身は嬉しく思っている次第なのである。 そんなわけで、裏舞台の顛末をざっと書いてみた。 2ch などを見る限り、上の状況がそのまま評価として反映されているのではないかとボクは感じているし、その評価はしっかりと受け止めようと思う。 ただし怒られたら、ここの記事は消すかも(汗)。 ペンネームの由来シナリオの「宇奈月けやき」という名前は黒部渓谷鉄道の始発駅、終着駅からとったものである。ボクの知人の知人に北海道の鉄道で同じことをしていた人がいて、それはいいアイデアだと思い、習ったものである。黒部鉄道を選んだ理由は、汐碕市がちょうど北アルプス上空に浮いており、そのへんの地図を眺めていたときに、「宇奈月」という駅名を発見し、それをたどって、終点「 今日の一枚は、The Rembrandts から、デビュー・アルバム。The Rembrandts というとなんだったかのドラマの曲が有名なのだが、ボクはこのデビュー・アルバムの 1 曲目がなぜか好きなのである。 #article |