エロゲの公式サイトとプロバイダ
最近、色んな会社さんを出入りしているんだけど、そこでけっこう気になる情報の一つに「公式サイトに於ける巨大なコンテンツをどこに置くか」というのがある。巨大なコンテンツというのは本記事ではムービーとか体験版とか、だいたい 100MB を超えるようなコンテンツを指す。
そもそも、公式サイトをどこに置くか、という問題もある。
ボクは自分でサーバを構築するので、自分で管理するブランドの公式サイトはそのまま自分が立てたサーバに置いてしまう。これは製品が出るまでは問題はないが、実際に広報活動が活発化し、上記のような巨大なデータを置くようになると、転送量が膨大になり開発に支障を来すようになるのだ。開発に支障を来すというのは、どの程度かというと、ネットワークのレスポンスが極端に落ちるので外注さんがデータを納品できなかったり、こちらからデータを渡したいのに相手がぜんぜんダウンロードできないという状況に陥るのである。
さらに転送量が多すぎるとプロバイダから規制をかけられてしまう。
ちなみに、自分でサーバを立てたときの利点は以下の通りである。
- 容量が自由
- CGI が自由
- メール・アドレスの作成などが自由
- サブ・ドメイン名やディレクトリ名が自由
- 拡張が自由
- サポートの時間にとらわれない <- 自分でやるから(爆)
逆に欠点は以下の通りである。
- 冗長化及び耐障害性に限界 <- 所詮パソコン・サーバなので
- SSL や個人情報の取り扱いが面倒だし、漏洩したときのリスクが高い <- 漏れたときの保証などもない
- 結局、冗長化を真面目にやろうとしたら、外部のホストが必要になるので、外を借りるのと変わらない
- 会社がうるさい <- 24H 動き続けているので
で、ボクが関わったブランドなんてたかが知れていて、せいぜい 3000 本とかそのクラスなんだけど、それでも体験版公開後の 1 日の転送量は 1TB 近くに達する*1。で、これをやるとあっという間にプロバイダから規制を食らってしまう。
また、体験版公開から 1 週間くらいは外注さんとのやりとりが非常に困難になってしまう。
ちなみに今のところボクの経験では問題になるのは体験版だけで、ムービーでは問題は起きたことがない。
そこで他社さんはどうしているのかなぁと気になるのである。
まぁ、そもそも自前のサーバにお金のかけられる会社は、自前のサーバに体験版を置いてもいいんだけど、そういうメーカーは限られていて、だいたいはどこかのホスティング・サービスを借りている。しかし転送量無制限でしかも 18 禁 OK なホスティング・サービスはけっこう値段がするのよね~。
あとは体験版とかは一切自分のサイトには置かず、すべてミラーに頼っているブランドさんもある。ボク的にはこれが一つの回答なのかなと思っている。
で、ボクが今まで自前のサーバで体験版とか置いて、問題がなかったプロバイダってのが一つだけあるのだ。それは OCN の法人向け固定 IP サービスだ。ここは転送量無制限なうえに、プロバイダ代は月 1 万円ですむのだ。IP 1 個だけど。でもね、エロゲ業界、意外としょっぱくてね、プロバイダ代に 1 万円払ってくれる所ってあんまりないんだよね~~~(ぁ
それにしてもいきなりなんでこんな話をするのかというと、amatsukami.jp は ASAHI ネットなのね。で、最近、色んな仕事が舞い込んできて FTP だの Subversion だので転送量がけっこう増えているのだ。なので ASAHI さんからそろそろ怒られるかも~~~と思いつつ、OCN の固定 IP にしないとだめかなぁ~~と……悩んでいるのよ~~。でもね ASAHI ってすっごい安いのよ。
で、自前サーバと開発
ところでボクが自前サーバにこだわるもう一つの理由ってのがある。
それは外とのやりとりに使うサーバが LAN 内にあるということだ。
どういうことかというと、自前サーバがない場合、開発のデータなんかもどこかのホスティング・サービスを借りることになり、やれ FTP だ Subversion だ WebDAV だってのが全部外部のサーバになるのよね。そのデータをとりに行くのに、どうしてもネット回線経由になってしまう。
社内にサーバがあれば、LAN の速度でデータを取りにいける。外注さんがアップしたデータなんかも、すぐに見られるというわけで、これに慣れちゃうと、いちいち FTP クライアント起動してとりに行ったりとか、しかも転送も WAN は LAN より遅いので待たされるとか……正直困るわ~~~<贅沢者
そうそう、転送速度の話が出たついでにもう一つ。なんかねー、けっこうねぇ、社内 LAN が 100BASE-T/TX の会社も多いのよ~~~~! 自宅は 1000BASE-T なので、もー、遅くて遅くて。300MB の PSD に 1 分とか……ありえねぇぇぇぇぇぇ! 自宅なら 10 秒もかからん。うまく HDD 上に配置されてれば 3 秒じゃい(ウチの LAN は普通に 110MB/sec とか出る)。
あぁ、なんか結局愚痴しか書いてないじゃん、ヲレ……orz
- 100BASEと1000BASE、構築の段階でやっぱり値段差って大きいんですか?
ネットワークはせいぜい家庭用無線LANくらいなので。 -- へぽかる?
- 今の PC に標準でついている LAN ポートは 1000BASE だと思います。なのであとは HUB ですね。100BASE の 8 ポート・ハブは 2000 円もしないとおもいますけど、1000BASE ですと 6000 ~ 8000 円くらいでしょうか。あとは LAN ケーブルが 1000BASE に対応している必要がありますが、最近のを買えばどれも対応しているのではないかと。 -- たまきん
- ということは元々構築したひとが先を見ていなかった、ってことなのかしら??あ、あとはその当時高かったか。ん~。 -- へぽかる?
- 元のネット回線も1Gbpsにして、ルータなりOS側なりで体験版公開用マシンだけ帯域制限掛けるみたいなのはできないんでしょうか。
社内の方、さすがに作業用マシンは買ってから精々2,3年くらいのものが大半で、ほぼgigaNIC搭載でしょう。
実質、古いハブと必要に応じてケーブルさえ5eに代えれば、費用そんなにかからずにギガネットワーク化できそうですけどね。
16portのギガhubでさえ1万切って、5eケーブルも100m5000円以下ですし。 -- 一色?
- へぽかるさん>
1000BASE がない時代から LAN を引いていて、そのままなんだとおもいます。特に床下などの LAN ケーブルの張り替えが必要な場合、会社だとなかなか踏ん切りがつかないですよねぇ(汗)。
一色さん>
ウェブサーバ側でダウンロード系を別ディレクトリにして、そこからのを帯域制限とかはやってました。あと、一時的にプロバイダを二つ契約して、DNS ラウンドロビンでさばいていた時期もあります。意外にちゃんと 2 等分に分散されていて驚いた記憶があります。 -- たまきん
#article