なんか面白いツイートが流れてきたので、日記に取り上げてみた。
ドラマもエロゲも、まったく同じ現象が起きているようだ。
これわかる。エロゲも男性向けは人気声優使っても売り上げって目に見えて変わるなんてコトはないんだけど、女性向けは声優で売り上げが変わる。
レビューも、女性向けは好きな声優がいればゲームクソでも点数高いけど、男性向けはそうはならないのよねぇwhttps://t.co/RsIF1THMhR#映画 #エロゲ— 宇奈月けやき (@UNADUKI_Keyaki) August 19, 2020
ボクは長いことゲーム業界にいるが、声優という職業に基本的に興味がない。
もともとゲームに声はいらない派だからだ。
とはいえこの業界にいたら声優ナシでゲームを作ることはもう不可能になってしまったので、別にそれに抗う気はないし、別に声優がいらないとかそういうことを思っているわけではない。ただやはり声というのはゲームの制作費と制作期間を圧倒的に圧迫する、ボクにとってはかなり厄介な存在なのである。
なので自分が作るゲームの場合でも、声優をボクが決めることはない。
ゲーム業界には声優が好きな人がたくさんいるので、その人たちに決めてもらう。
自分で決めない理由はもう一つあって、シナリオを入れている時、すでに各キャラクタの声というのはボクの頭の中にあって、そしてそれは当然現実に存在する声ではない。そのため、声を付けるとイメージと必ず異なってしまうため、それならばいっそ声優好きに決めてもらった方がユーザ受けがいいからである。
ちなみに声優好きなシナリオ ライターは自分のキャラに声優さんを当ててシナリオを書いているので、イメージと異なると言うことはないらしい。
そんなこんなでボクは基本的に声優の有難味を感じない人間なのだが、声優の上手い・下手についてはとても重要である。というのも文章だけで感情を伝えるのが難しい場合があるからだ。特にエロゲのような文学作品ではない、台詞がメインの作品ではこの問題はより顕著となる。
特に文章でのぶれが大きいのが疑問形だ。語尾が上がるか下がるかで心情は異なる。文章だけだとどちらで受け取ればいいかはユーザに委ねられるが、声が入っていれば些末なニュアンスまでちゃんと伝えることが出来る。ここに声優の上手い・下手が関わってくる。
もちろん収録に立ち会って、細かいニュアンスを声優に伝えることはできるのだが、その感情を声優さんが脳内でシミュレートできないと、その細かいニュアンスというのは表現出来ないのだ。そして人気声優というのは概ねその辺がしっかりしている。
特にボクみたいな、台詞と台詞の間にたくさん隠れた情報があるようなシナリオの場合、その行間に隠れた情報を読み取らなければならないのだが、上手な声優さんというのはそれらをくみ取って演技に取り入れる。もちろんそれをくみ取ってもらえなかったときは、ボクの方から説明はするのだが、下手するとその行間に気付かなかったばかりに、そのシーンを最初から録り直さなければならないなんてことも。
また、普段の演技はとても上手でも、エッチシーンになるとてんでダメな声優さんもいる。
これで困るのが、収録時間がとにかく延びること(笑
エッチシーンって台詞が長いし延ばす系の声も多いので、リテイクが入るとどんどんと収録時間が延びていく。しかも声優さんの喉も酷使するので休憩時間も多くなる。その上、演技指導がどうしてもセクハラになるのも、こっちの精神をすり減らす(爆)。いやまぁ、声優さんの方が精神はすり減ってると思うけどね……。
あぁ、で、なんの話だっけ?
あぁそうだ、人気声優を使う意味があるかどうかだった。どんどんと論点がずれていった。
男性向けに限って言うと、人気声優を使っても売上げにはまったく貢献しないことが解っている。それでも有名声優を使うのは、ボクが見ている限り、制作者側に声豚が多いからだとボクは感じている。そして言わせてもらえば、20 世紀、ゲームに声がつき始めた頃、声豚どもが声優にポンポン高い金払ったから声優費が高額になったじゃねーか! っていうね。
とはいえ上手い声優さんを使うことは制作期間を短くするし、作品のクオリティはぐっと上がる。
だから人気声優を使うことにまったく意義がないわけではないし、人気声優=上手い声優というのはそんなに間違ってはない。
男性ユーザは好きな声優が出ているからという理由だけでゲームを買わないのと同じように、見てくれだけでなく、演技の上手い声優さんをちゃんと選んでいるように見えるがどうか。