アーマークラスとひしゅうやの鶏南蛮

ボクがこのところの作品で使っている世界を Lay=Alld というのだけれど、この世界は D&D というテーブルトーク RPG のルールを適用していることが多い。なので例えば戦闘になった場合、筆者であるボクは実際に登場人物の能力値と装備を設定し、サイコロを振って勝敗を決める。
これで主人公側が敗北することもあるが、それはそれで敗北したとして話の続きを作ったりするのである。

とは言え、最近は萌えゲーしか作ってないから戦闘はないけど(^^;

でも不思議な力を使うキャラクタが出てきたり、不思議な現象を取り扱ったりしているので、それらを実現するためにやはり D&D という RPG のルールに則って実現している。

そんなルールの中にアーマークラス(AC)というものがある。これは単純に言えば防御力みたいなものなんだけど、D&D では普通の人間は 9 で表される。この数字は鎧を着たり、身のこなしを訓練したり、生まれつき素早かったり等の要因で下げることができるが、とりあえず普通の服を来ている、何のとりえもない普通の人は 9 である。
したがって街で喧嘩が起きた場合、だいたいはこの AC 9 同士の喧嘩となる。素人同士の場合、AC 9 の人間に攻撃が当たる確率は 1 分間で 1/2 である。つまり 1 分間喧嘩したら、1/2 の確率で相手にダメージが与えられる可能性がある。
具体的に言うと、ヒットポイントが減るほどのダメージを与えられるというわけである。別に 1 分間に 1 回しか殴れなくて、そのうち 1/2 の確率で命中すると言う意味ではない。1 分間殴り合ったり、つかみ合ったりしているうちに、有効な攻撃が 1/2 の確率で発生するかもね、っていう感じ。

こんなことエロゲにはあんまり関係ないんだけど、ボクが作るエロゲには普通の人間じゃないのが出てくるので、どうしても関係してくる。例えば黒翼というキャラクタは通常時でも AC が -20 となっている(戦闘時はさらに下がる)。この数字は普通の人だとクリティカルを出しても触れることはできない。黒翼の方から触れに行かない限り、彼女にどんな攻撃をしても当たらないのである。
月夜野ちあらは -5 ほど。こちらはクリティカルが出れば普通の人間でも触れることができる。

さて、本題はここから。AC が -20 ともなるとこれはもはや鎧など物理的な装備では実現できず、魔法的な力を必要とする。上の例で言えば、黒翼というキャラクタは彼女の周囲に魔法障壁があって、それによって攻撃を防いでいる。
そんな AC -20 に攻撃を当てるのは人間では難しいと言うことは解ったが、では車や電車に轢かれたらどうなるのか? ビルの上から飛び降りたらどうなるのか? そもそも気体はどうなるのだろうか? という疑問が湧いてきた。

そこでいろいろ考えた結果、そのキャラクタにかかる J(ジュール)計算すればいいのかなと言うことを思いついた。たとえば人が片手剣(約 1.8kg)を思いっきり振り下ろしたとする。この時の加速度 33m/s2 とする。ちなみにこの加速度は、プロ野球選手のバットのスウィングの速度から導き出しており、相当慣れた人じゃないと出せない加速度だと思われる。
つまり手練れの一撃、としておこう。

上記のパラメータで計算すると、剣の一撃は相手に約 980 ジュールのエネルギーがかかることになる。手練れの攻撃なので、これを仮に AC 0 に当たるエネルギーとしよう。
さて、現代ではメジャーな武器となった銃器のジュールを調べて見よう。

標準的な 9mm パラベラムは 506.6J らしい。え、剣撃より弱いのかって? それはそうかもしれない。銃と剣の場合、人間の身体に当たる面積が全然違う。弾丸は一点だが、剣は剣身と体が触れる一筋の面積になる。それに手練れの剣撃は充分拳銃よりも致命傷を負わせられるだろう。
さらに狩猟用ライフルは 2711 ~ 4067 ジュール、弾丸によっては 13558 ~ 17625ジュールに達するものがあり、この辺の武器を使えば、普通の人間でも AC -20 を貫けそうである(弾丸ごとのジュールはこちらを参照した)。

また、ダンプカーが時速  10km/h で突っ込んできても 3 万ジュールになるらしいw
こうやって考えると AC -20 と言えども、ダンプカーでひき殺せそうだというのが解る。科学力ってすげー!! 中世ファンタジーでは考えられないエネルギーが素人でも扱えるわけである。

ただ気をつけなければならないのは J だけでは面積当たりのエネルギーが不明であることや、実際に上手に当てられたかどうかの判定はできないので、片手落ちではある。しかし物語を作る上での大きな指針にはなりそうだ。

さてもう一つの問題は気体や液体である。おそらく AC -20 のキャラクタは雨に濡れることはないのかもしれない。だから硫酸や塩酸をかけられても、大丈夫なのだろう。ではお風呂にはいるときはどうなのか? そもそも呼吸はできるのか?

確かに AC が低いと細菌やウィルス由来の病気にかからないというのは面白い設定だと思う。だけど自分の周囲を取り巻く空気の内容まで人間は意識が及ばないはずで、細菌やウィルスだけをよけて息をするなどということはできないだろう。
なのでこちらの方は、まだまだボクの中では解決できていないように思う。

下の写真は渋谷でお気に入りになりつつある「ひしゅうや」の鶏南蛮定食。
タルタルソースもオリジナルっぽい。美味しくいただきました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です