コピー問題続き(エロゲの場合

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スラッシュドットでなかなかタイムリーな話題があがったので、またコピー問題について書いてみたいと思う。今回はボク自身がコピー問題をどう捉えているのか、自分でも整理したいと思って書いたのが主目的である。というのも、コピーって問題だよねと頭で思っていても何が問題なのかというのは色々整理してみないと、自分でもどこに解決策を見いだしていくべきか解らなかったりするからである。
タイムリーな話題というのは、以下である。

上の記事の 200 万本売れたソフトの海賊版が 20 万本だという所に注目して欲しい。これをエロゲに当てはめると、200 万本売れたら海賊版が 6000 万本出回っているというのが現在のエロゲの状況である。まぁ実際エロゲはそんな本数は出ないので、1 万本売れたら、30 万本は違法コピーが出回っているという図式だ。
まずはボクの考え方から述べよう。例えば 1 万本売れて、海賊版が 30 万本出回ったとしよう。あり得ないことだが、もしもまったくコピー出来なかったとしたら、30 万本売れたはずなのに、とはボクは考えない。コピー出来なければ「買わないだけ」だろってのがボクの基本的なスタンスである。
だからボクの視点では、プロテクトや DRM はナンセンスだと思っているし、コピーそのものにそんなに目くじらを立ててはない。逆にコピー問題を考えることが大事だと思っている。

次、作り手の心情の問題。「コピー出来ないなら買わない」わけだから、30 万本コピーされても、会社に損失はないよねって言われれば、それは、いわゆるそのゲームそのものの閉じた収支で言えば、その通りだろう。しかし、30 万人の人が金を払わずに遊んでいるわけだ。それって単純に作った方からすると「ムカつく」よね。別にコピーしてまでプレイして欲しくないし、無料でプレイするためにこっちは作ってるんじゃネーよ、と。それにコピー出来なければ買う人もいるだろう。
そして、金を出して買った 1 万人と、コピー・ユーザ 30 万人との間に不公平が生じる。これによって正規ユーザが「次回はコピーでいいや」ってなってしまう危険性がある。だから、コピー出来るって思われるのはメーカーによって非常に損なのである。
ただここで、以下のことを言及する人もいる(笑)。

  1. 正規ユーザはパッケージや特典物など、物理的なアドバンテージがある
  2. 正規ユーザはコピー・ユーザと違って、後ろめたさなどのマイナスの感情がない
  3. 正規ユーザはサポートを受けられる

あっれ、これで本当に正規ユーザは納得してくれるのかな~? サポートとか、コピー・ユーザだって受けてるよね? 後ろめたさって何だ。そんなもん感じてるなら、最初からコピーするな。特典物やパッケージは 8,800 円以上の価値なのか?(そういうものもあるが、普遍的にそのような特典物をつけることはできない)

さて、コピー・ユーザがよく言う「買う気にさせるクオリティのものを作れば、みんな買う」っていうヤツ。これが実は非常に難しい。というのも「買う気になるほどのクオリティ」ってそもそもどんなの? たとえばエロゲ業界トップ・スリーの作品とか!? 仮にそうだとしたら  5 万~ 10 万本売れるようなソフトだけど、そんなソフト 1 年に 2 ~ 3 タイトルしかない。しかも、ユーザの評価なんて千差万別だし、1000 本しか売れないようなソフトでも気に入れば OK してくれるだろうし、10 万本クラスのソフトじゃないとそもそもダメだろって人もいるだろう。
つまり何が言いたいかというと「買う気にさせるクオリティのものを作れ」っていうのはメーカ側からは「なんの基準にもならない」。それこそ、上位 2,3 社以外はすべてつぶれればいい。そうすれば「買う気にさせるクオリティの作品」しか残らないから。でもそれでコピーがなくなるかというと、そんなことはないのは、誰しも解るはずだ。

ただ、エロゲ業界の問題として「供給過多」ってのはあると思う。ボクみたいな売れないヤツがたくさんエロゲ業界に残りすぎだろうっていうwwww。じゃぁ、上位 2 ~ 3 社だけあればいいじゃんって言うのもまた実は難しい話で、スポーツなんか見ていると解るけど、やっぱりその業界の人数が多いってのは重要なことなのだ。野球やサッカーに一流選手が出てくるのは、プロになりたいと目指しているアマチュアが多いってのが大事で、そうした大勢の中に天才が含まれる率も高くなるし、成長の過程も洗練されていく(スポーツで言うなら、トレーニング方法や、優秀な指導者など)。そして下からの突き上げがあるから、上も努力を惜しまない。
だから売れないメーカーが有象無象あるから、売れるメーカーもあるという部分もあるのだ(それがすべてではないが)。

さて、コピーがゲーム業界をダメにしたというと、よく、「そんなことねー」って言うユーザさんもいるんだけど、少なくともボクは今はコピーがエロゲ業界をダメにした一つの大きな要因だと思っていて、そしてそれが覆る要素は今のところ思い当たらない。ボクの持っている今までの情報は、①KONAMI が X68000 シリーズから撤退した理由、②韓国がネトゲばかりになった理由、③Falcom が PSP に逃げた理由、④ヨーロッパとアメリカのゲーム・メーカが PC からコンシューマに逃げた理由がすべてコピー問題で有り、これらのデータを見せつけられると、なかなかコピーが原因ではないと言い切れないのだ。

次に「コピーが宣伝の代わりになる」というのもよく聞く。そしてそれは合っている部分がけっこうあるし、ボクが個人的に作っているゲームは本当は無料で配りたいと思っている。また、Youtube なんかで見つけた曲をボクは CD 探して買うことがよくある。

価格はどうだろう。8,800 円は高いか? おそらく高いのだろう。コンシューマは 6,800 円だもんね。ただこれにはボク個人的には言いたいことがあって、小説+絵画+音楽+プログラムも入ってて 8,800 円なんだぜっていう。CD が 3000 円でしょ、テキスト容量なんて、2MB なんて当たり前。2MB っていったら、ラノベ 8 冊分ですよ。これだけで 4000 円じゃないですかー。ほらー、音とテキストだけで 8,000 円ですぜ。これに挿絵が 100 枚近く入ってて、SE も入ってて、さらにプログラムで動くんですぜ!
8,800 円なんて安いじゃないですか(コンシューマの 6,800 円なんてもっと安い)。ってのが、実はボクのホンネ。 でもそれは世間では許してもらえないのであくまでも心の叫び(ぁ。だってそんなこと言い出したら、ハリウッド映画なんてチケットがいくらになっちゃうんだよって言うwww

で、結局目指すべき方向ってなんだろうね? まぁいいアイデアがあったら、とっくに誰かが始めてるんだろうね。

  1. コピーされても、お金が入ってくる方法を考える
  2. パトロンを探す(2000 万円ぐらいのお金の使い道に困っている人(or 会社)なんていくらでもある)
  3. 切り売りして単価を下げる(共通だけなら無料、1 ルート 1000円。全部買うと 8,800 円)
  4. 寄付を募る
  5. Android / iOS でなんとかする(漠然だなw

1!なんとか 1 番を考えたい~~~。
あとね、3 ~ 5 はエロゲ業界に問題がある。流通とショップさんがエロゲ業界では強いのでどうしようもない。これは流通からお金を借りて作るという構造上、どうしようもない。なんとか自己資金だけで作れるようにならないと、3 ~ 4 が出来ない。でもやってみたいんだよ、3 ~ 4。そうすれば海外でも展開出来るし!!
自己資金でエロゲかー……。


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