データで見る黒人差別

2ch のスレがネタ元なのは恐縮なのだが、こんなスレが立っていて興味深かった。

以前、黒人の行政(特に警察)に対しての常識というか感覚について日記に書いたが、どうも暴動の記事にしろアメリカの新型コロナ ウィルスの記事にしろ、やはり英語のソースを見ないと現地での空気というのは伝わってこなくて困っている。
とはいえボクはまったく英語ができないので、検索すらままならない。

上記のスレは向こうの情報を基に、黒人差別を明確にしているとでも言おうか。
しかも感情的なことはヌキにして、単純に数字から黒人差別が露わになっている。
5 月の黒人の暴動の件でも日本のネットは「それでも黒人が悪かったんじゃないの論」もけっこう根強く、黒人のモラルの低さを盾に警察官を擁護する声も多かった。その辺のモラルに関しても上の記事に載っている。人種に関係なく、貧困になればなるほどモラルは低くなることが解っている。

個人的に驚いたのが、日本のクリスチャン コミュニティに於いても、この暴動及び人種差別について特に語られることはなく、ボク的にはガッカリしたのを憶えている。

ただ、多分に日本人は西洋へのコンプレックスと憧れのようなものが根底にあるので、どうしても白人の味方をしてしまうと言うのもあるし、美白がもてはやされるように、黒よりも白が好きな人は多いので、それがそのまま感情に反映されてしまってもいるのだろう。

たとえば「外人」という言葉を耳にしたとき、日本人が想像するのは、だいたい「西洋人」であろう。そこで黒人やアジア系、ネイティブ アメリカンを想像する人は少数派かもしれない。とはいえ日本以外のアジアの経済力が強くなりつつある昨今、外人と言えばアジア人を思い浮かべる日本人は増えていくだろう。

そんなワケで黒人のモラルがどうとか、黒人への偏見がどうとかということよりも、アメリカ社会に於いていかに黒人が不利であるかと言うことは数字にしっかりと現れているわけで、その点については心に刻みつけておかなければならないだろう。
黒人が大統領になれる国でもこんななのかという思いもあるし、もしかしたら数字に表れているだけでもマシで、実は日本なんかも見えない差別が蔓延しているなんて事はないだろうかなどと心配したりした夏であった。

警察に通報すればいいという常識が通用しない世界

アメリカでは今、コロナ禍の中、黒人の暴動が広がっている(というように、日本の報道からは見える)。
またかという思いもないわけではないが、少し広がり方が性急すぎるように見えるし、民主党陣営や、はたまた中国共産党が広めているという噂まで出たりしていた。
トランプ大統領はシェルターに避難しただとか、軍を動かすとかなにやら不穏な空気も……。

とはいえ、これらは報道やネットの情報を通してのことなので、現場の空気感は解らない。
ただ、これらの情報では、秩序を取り戻すための努力がなされてないようにも見える。

そんな折り、こんな記事に出会った。

なるほど! と、ボク的にはいろいろ合点がいった。
まず根本的な常識が異なること。それは何かというと、ボクらはたとえば身に危険が及んだとき、警察に通報するという常識を持っている。自分だけでなく、誰かが暴行されているのを見たら警察に通報したりする。
警察とは我々にとってそういう存在だし、安全・秩序を維持するためのパワーだと信じている。

しかし黒人にとってはそうではない。アメリカではそもそも行政・国家権力そのものが黒人を差別してきたし、黒人に不利なことをしてきた。だからたとえば自分に身の危険が迫っていても、「警察に通報する」という常識はないのだ。通報したら警察官も敵になってしまうこともある。黒人たちはそう感じているのである。
黒人が大統領になれる国なのに、である。

もちろん全ての黒人がそう思っているかはこの記事からは読み取れなかった。

ただ、このボクらとは異なる常識を知った上で、今回のデモや暴動をみるといろいろ腑に落ちる点はある。たとえば暴動をなぜエスカレートさせるのか? それは行政側にも、警察が黒人たちにとっては信頼できるものではないことを知っているからだろう。秩序を保つために投入しても、それは弾圧にしか見えない。そしてそれは行政側の人間に黒人が少ないと言うことを表してもいる。
黒人というか少数派の暴動からの秩序の回復は、先進国ではなかなかセンシティブな問題なのだなと感じた。

もちろん、この暴動の中には便乗している者も多いだろう。
それに暴動を由としない黒人だってもちろんたくさんいる。

ただ、なぜ暴動が起きるのか、について、ボクらは歴史や差別されている人達の立場をいろいろと勉強する必要があると改めて痛感した記事である。ただ闇雲に、そして感情だけで彼らの暴動を批難するべきではないし、その背景やそれしか手段がないことについての悲劇をしっかりと受け止める必要があるのだ。