エロゲ業界の勤務形態

ボクはゲーム業界にいるわけだけれども、コンシューマ業界はわりと「時間」で人を拘束する。いわゆる「人月」というヤツだ。また、コンシューマ業界の方が労基遵守の傾向が強く、徹夜などは禁じているし労働時間への制約も多い。逆にエロゲ業界というのはわりとその辺いい加減で、成果主義が中心で有り、それが上がるために何時間残業しようが徹夜しようが関係ないし、残業代などに反映されることもない。
とは言え、ボクらの仕事はなかなか時間で計ることも難しい。ある仕事について、A さんは 5 分で終わらせるが、B さんは 30 分かかるなんて言うようなことはザラだし、さらにクオリティも関係してくる。A さんが 5 分かけて終わらせた物の方が B さんが 30 分かけて終わらせた物よりも全然クオリティが高い、なんてことも充分ありうる。
また、開発者がみんな「厳しい、厳しい」言うけれど、結局じつはボクみたいに「31 日になってから宿題をする人」がたくさんいるせいで自分で自分の首を絞めている(もしくは、自分から後ろの作業の人の首を絞めている)ケースが多い。
そんなわけで、時間で給料を決めるというのは難しいなぁ、と、いつも思う。

エロゲ業界は歴史が浅いせいもあってか、年功序列でもないし、何年勤めていようが給料が上がるわけでもない。何が出来るか、そして売れる物が作れているか、それだけである。それができる人は給料が高いし、できない人はいつまでも入社したときの月給のままだ(作品が売れてボーナスが出ることはある)。
また、男女・年齢による差も特にない。男だから、女だから、何歳だから、あと業界何年だからというのも給料に左右されることはない。
そういう意味では、偏りのない良い職場環境だなーってボクはずっと思っている。

でね、思うのが、曜日とか週休二日制とか有休とか、そういう概念。これってどんどんなくなっていくんじゃないかなってこと。ある仕事があって、それには〆切が決まっている。〆切までにクオリティの高い物が完成すればいいわけで、そこに休みをどれくらい入れようが、また会社にどれくらい来ようがそんなのは関係ない。自分でペース配分を決め、自分で納得出来るクオリティ・ポイントを決め、そして作業をこなしていく。日曜日やったっていいし、平日やったって良い。朝やったって、昼やったって、夜中やったっていい。
そして自分で言うのもなんだけど、なんか凄く理想の勤務体系だなぁと思った。
こうすれば、仕事をするにも遊びをするにも非常に柔軟性が高く、自由だ。
ただこのような勤務体系を実現するには、物事がドコまで進んでいるかを把握し、遅れているところは各担当に働きかける「制作・進行」の部分と、各人がどれくらいの仕事を抱えているかという「マネジメント」の部分がしっかりしている必要があるけどね。やっぱり人間ってサボっちゃうし、自分の仕事のペースや自分の出来ることを見誤る。
他にも事務方の仕事ってのは、上のようには行かないところも多いよね。役所は 9 時 5 時だし、他社さんのやりとりはやはり「常識の範囲内の時間」でやりとりすべきだろうし。

まぁそんな感じで、自分の職場というのはボクの理想に近い形を構築しつつあるような気がする。
問題は!
単純にボクの仕事量が多すぎて、自由もクソもないと言うことだ(ぁ
はやく後続にバトンタッチしなければ……! って、後続がいないけどね!!

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