ゲームデザイナーの死、ねぇ

(関連記事:ゲームの目的ソーシャルゲームの値段設定がひどい
知り合いから下記のような記事が送られてきた(その時のツイート)。

簡単に話してしまうと、今、ゲームで必要とされるデザイン能力はユーザにいかにお金を払わせるかという心理学的な手法やアイデアが要求され、ゲーム性であるとか、そのゲーム性によって導かれるステージ毎のギミックだとかそんなのは必要ないよ、っていうお話。そして前者を勉強してこなかったゲーム デザイナーはもうお払い箱だよと。
あと、前者のようなやつは若い人でもできるから、給料安くて済むよねみたいな話も入っている。

どうなんだろうねぇ? 将棋、麻雀、ポーカー、ブラックジャック、野球、サッカー……いずれのゲームもルールを学ばなければいけないし、今まで培ってきたデータは重要だし、ルール以外にもセオリーなんかも学ばなければならない。
ゲームとはプレイヤー側の努力が必要だ。
今までのコンピュータ ゲームもおおむねそうである。操作方法を学び、ゲームのルールを学び、そして上手くなるために練習しなければならない。もちろん、過去の戦歴データは重要だし、ステージ毎の特徴や自分が使えるアイテムなどにも熟知する必要もある。

ソーシャルゲームの多くはそういった努力は余り必要ない。
とはいえ、まったく必要ないかというとそう言うワケではない。カードの特徴やカードの持つスキル、そして成長カーブなんかは憶えておくにこしたことはない。デッキを組むときにそれらの知識や経験は重要だ。
しかし裾野を「ゲーム好き」からさらに「ヒマだからゲームでもするか」層に広げていくと、当然ゲームに対して努力しなくなるユーザが増える。
しかしゲーム会社としてもゲーム好きだけを相手にするわけにはいかない。儲けるためにはゲームに興味のない人たちも取り込んでいかなければならない。だから、上で書いた様なゲーム性よりも心理的にお金を払ってしまう環境を作り出す方に精を出してしまう(端的に言うと、射幸心をあおるような内容)。

まぁ、しかたのないことだろう。

そしてゲーム好きのためにちゃんとゲームを作って儲けることは全然出来るけど、そのパイは少ないというか、会社的には全世界で 10 社あればいいよね、みたいな気がする。
とはいえ、その 10 社だけだとゲーム好き向けのゲームはやはり衰退してしまう。何故か? 競争がなくなるからだ。だから採算がとれなくて潰れる会社がたくさんあって、諦めたり、業界から去って行くクリエイターや、給料ももらえずにそれでもしがみついて頑張るクリエイターなどなどそう言うのがいつつ、上位 10 社が高いレベルを保持できるのだ。

そんなわけで悲観する必要はないんじゃないかなぁ。もちろん、苦しいことに変わりはないけどね。