企業が PC を買わなくなる時代、来る

今日、弟とスーパー銭湯に行ったので仕事の話とか情報交換した。弟はゲーム業界ではなく、とある大手の IT 企業にいるんだけど、アレね、最近の大企業は社員に PC を用意しないのね。いや、用意してはある。しかし用意されているのは、サーバ上にある仮想マシンなのだ。

ではどうやって使うのか?
iPad を与えられ、そこから仮想デスクトップでその仮想マシンにアクセスするのだ。
使っている仮想マシンは VMWare だった。
こうすることによって、会社にいても出先に行ってもつねに同じ環境の PC が使える。しかも iPad なら画面が 2048×1536 ドットもあるから、特に困らない。もちろん、マウスとキーボードが欲しいときはないことはないけど、現地対応や営業などでは不要だ(念のため Bluetooth キーボードとマウスは持ち歩いているようだ)。
実際にコードを組むこともあるらしいが、彼はエンジニア寄りのソリューション担当なので、そこまでガチガチの装備はいらない。

すげー! もうそんな時代なのか! いや、勿論いつかはそうなるんじゃないのとは思ってはいたが。

社員のクライアント マシンを仮想マシンにするメリットはもう一つあって、開発中のデータなどがすぐに呼び出せることだ。実はどこにいても同じ環境というのはノート PC を持たせることによって実現することは可能だが、開発中のデータを持ち歩くか、出先からサーバに接続する必要がある。これが仮想マシンなら、開発中のデータも仮想マシンが動いているサーバの中にあるわけで(正確には、サーバ群が接続されている LAN 内でのやりとりになる)、データの取り出しもめちゃくちゃ速い! しかもデータ持ち出しのリスクや、開発中のデータがインターネット内を通るリスクも避けられる。

いいなぁ、やっぱ大企業ってすごいなぁ。

ちなみにゲーム業界でこういうことは可能か? そしてそのメリットがあるか?
実は営業やディレクター、プランナー、シナリオ ライターは可能だ。扱うデータがそんなに大きくないし、開発データの確認といっても「見られれば良い」ので表示さえできればよい。
しかし音楽を作る人や映像を作る人はそう言うわけにはいかない。CPU もメモリも食いまくるので、仮想マシンのレスポンスだけではおそらく足りないだろう。また筆圧などのデータがちゃんととれるのかどうかも謎だし、MIDI キーボードなどが接続出来て演奏できるとかそういうのもまだできない様な気がする。
また、プログラマも仮想マシンではなく実際の PC があった方がイイだろうが、こちらは仮想マシンになっていく可能性がある。というのもコンパイルってスゲー CPU 食うのよ。逆にサーバでやらせた方が速かったりするので、プログラマも仮想マシンになっていくような気がする。

さらに弟の話によると、最近、オフィスに LAN を導入するときは無線 LAN で済ませてしまうことが多くなってきたとのこと。有線 LAN はトラブルが起きたとき、その原因特定が大変だし、LAN ケーブルの取り回しを考えると、オフィス用の無線 LAN AP を置いてしまった方がはるかに楽で低コスト、トラブルも少ないらしい。
もちろん有線 LAN よりも速度は劣るが、現状すでに 300Mbps 以上になっており、ビジネス用途では充分なスピードであるとのことだ。そもそも PC も仮想化されており、社員は仮想デスクトップにアクセスするだけだから、大量のデータが社内 LAN を飛び交うということもない。データのやりとりはすべてサーバの中で完結してしまうのだ。

なんかこういう社内インフラ、面白いなぁ。構築してみたいなぁ。