縄文の風を感じる

取材旅行、続き。昨日は福島県を中心に、神社の写真ツクツクボウシの声を収めた。
それから夜のウチに秋田県に移動、道の駅おおゆで仮眠をとる。場所は秋田県北部とは言え、この季節、結構暑くてあまり寝られなかった。かといってエアコンのためにエンジンを掛けるのはマナー違反だ。

7 時起床。暑くて眠れん。
この道の駅の商業施設が開店するのは 9:00 なのでまだ駐車場にいても迷惑にはならないのだが、このままだと蒸し焼きになりそうなので移動することにする。とりあえず目的地である大湯ストーンサークル館へ。当然開いてない。コチラも 9:00 からだ。

東北は縄文時代に関する資料館や博物館が多い。一番有名なのは青森県三内丸山遺跡だろうか(取材したときの日記)。
三内丸山遺跡ばかり注目されがちだが、同規模やそれ以上の集落は東北のあちこちで発見されており、縄文時代の繁栄ぶりを物語っている。

大湯ストーンサークル館につくと門は開いていたので車を駐車場に入れることは出来た。
が、日陰がないのでここで開館まで待っていても焼け死んでしまう。
というわけでなんか面白いものはないのかと Google Map をなんとなくスクロールしてたら『八郎太郎出生の地』なんていうのがあった。マジか。そんなの同定されていたのか! 八郎太郎というのは秋田県に伝わる三湖伝説八郎潟に住んでいた龍である。1/2 summer の主人公でもある。

これは面白いというわけで行ってみた。碑には簡単なあらすじも書いてあった。丁寧だなぁ。
コレを立てたのは誰なんだろうか? まさか八郎太郎の子孫が今でもここにいるとでもいうのだろうか? いや、伝説の通りなら八郎太郎は田沢湖にいるので子孫もそっちにいそうだが……果たして?

下の写真は八郎太郎出生の地から大湯ストーンサークル館に戻る途中で、通学路とかに使えそうだったので撮った写真。緑が綺麗だなぁ~

で、大湯ストーンサークル館に戻ってきたのは 7:50。まだ一時間以上ある。というわけで飲み物を買いに近くのコンビニへ。するとこれまた景色のいい開けた場所に出たので写真を撮った。場所はこの辺。で、この坂の下を農業用水なのかなぁ? 小さな水路があったのでそっちもなんとなく写真に収めてみた。小さな水路とは言うものの水量は豊富だしこれだけの水量だと、落ちたら一気に流されてしまいそうではあった。

それでもまだ時間がある。というわけでさらに Google Map とにらめっこしていると田道陣没地とされる神社猿賀神社)があったので行ってみる。しかし田道は上毛野とついているということは、本人も蝦夷だったのではないかと思いつつ……まぁ群馬県栃木県は早くから大和王権側についていたようなので、別に矛盾はないのだが……。

ところで説明書きの札が↑の八郎太郎出生の地と同じような感じなので、鹿角市か秋田県が設置したのかねぇ??

さて、ようやく大湯ストーンサークル館、開館である。
中には縄文時代をメインに据えた様々な展示と、土器の製作体験なんかがある。単純に写真を送っていくだけで展示物の内容は把握できると思う。個人的に面白かったのは、縄文という名前のある、縄とそれによって出来る土器の模様。楽しいというか、当時の人たちも考えるの楽しかったんじゃなかろうか。












そして、個人的には一番見たかったストーンサークル。
周囲の景色(道路や木など)は変わってしまったが、地形はほぼ変わっていないはずで、この場所の空気を感じるとことは数千年後である今でも意味はあるとなんとなく思っている。ただ個人的にこの場所が生活の場所であったのかどうかは少し疑問が残る。祭儀の場所ではあったようだが。
大湯ストーンサークル館は実はちょうど丘の上に建っていて、東西と大湯温泉のある北側は標高が下がっている。西側には大湯川が流れていて、おそらく集落そのものはそっちにあったのではないかとなんとなく感じている。集落から見ると(見上げると)、この大湯ストーンサークル館のある場所が高台になっていて、祭儀をするにはちょうど良い場所だったのではなかろうか?

現状、世に出ておるボクの作品で、この時代(縄文時代)から日本にいたのは黒翼熾永ぐらいなものなのだが、連綿と続く人間の営みをイモータルなりにどう捉えていたのかを考える良い機会にはなったと思う。

さて、ここではもう一つ小さな事件があった。
昨日の日記ツクツクボウシの鳴き声を録音するのは 8 年越しだと書いた。なぜ 8 年もかかったかというと、8 年前に南相馬でツクツクボウシだらけの鳴き声を聞いたとき、「ああ、沿岸部はツクツクボウシなんだな」と思ってしまったからである。つまり東北地方は全体的にツクツクボウシが優勢という思考にはならなかったわけだ。

なのでツクツクボウシの声を録ろうと思ったら、東北地方の太平洋側に行かないとなぁとずっと思い込んでいたのだ。
だからその後何度も東北に行っているにもかかわらず、ツクツクボウシの声を録音しようとは思ってもなかったし、また、セミの声に耳を傾けることもなかった。

だが、この大湯ストーンサークル館の林で鳴いていたセミは、ツクツクボウシだったのである!
マジかwww
そして一番良質な音がとれたのである(汗
その音が↓だ。

つまり何が言いたいかというと……南相馬に行く意味はほとんどなかったのであった……orz

というわけで、今回の旅行の目的はすべて果たした。
時刻は 10:00。これから、東北を縦断しながら 12 時間以上かけて東京に戻ることにする。

ツクツクボウシだらけの森

神社巡りの続き。
まず事の発端から。2015 年、とあるボランティアで南相馬に行ったときのことだ。南相馬博物館で展示物の手伝いをしていたとき、そこにある森というか林のセミの声が奇妙なのに気付いた。最初、何のセミか解らなかったが、よくよく聞いて見るとツクツクボウシだった。ただそのときはちゃんとした録音機材を持っておらず、iPhone での録音となった。その動画が下だ。

アブラゼミも混じってしまっていはいるが、ツクツクボウシが大勢を占めているのが解る。
ツクツクボウシだらけの森を録りに行くというのは、ゲームで使う SE のためにこの音を専用のマイクで録りに行くことなのだ。実に 8 年越しの計画である(汗)。今まで東北には何度も来ているのに、なぜ 8 年もかかったのかは明日の日記で解る<ヲイ

ちなみにいうと、1/2 summer という作品では舞台は東北なのに東京と同じセミの SE を使ってしまっている(汗。ただこのゲームを作っていた当時、東北ではツクツクボウシがメインだとは知らなかった(もっともこのことでユーザさんから指摘をいただいたことはない)。

というわけで美里町を後にして南相馬に向かうのだが、基本的に東進するだけである。会津若松 I.C.磐越道に乗り、磐梯山サービスエアリアで朝ご飯兼昼ご飯を摂る。会津名物のソースカツ丼。まぁしかし所詮はサービスエリアの味。ところでカツ丼がソースカツ丼な地域って、結構色々あるよねぇ。名古屋もなかったっけ? 関東だと桐生が有名かな? 福島県は郡山もソースカツ丼だ。あと中津川。福井か富山にもあった気がする
ちなみにボクはいわゆる卵とじで返しで煮たカツ丼の方が好きである。ソースカツ丼はソースがウスターソース系を使うところが多く、あの酸味がイマイチ白米に合わないのとキャベツが食感の邪魔をするのでイマイチ好きになれないのだ。でもさ、酸っぱいソースが白米に合わないって言うけど、酢飯ってものがあるし、トンカツの場合ソースをつけて食べるわけで……なんかボクの言い訳はイマイチ説得力に欠ける気はする。

それからさらに磐越道を東進し、船引三春 I.C. で降りてそこから下道で南相馬市博物館を目指した。
13:45、道の駅さくらの郷で飲み物補給。
ついでになんか面白いお土産とか、あと農産物とかないかなと思ったんだけど……特になし。
お向かいに新鮮野菜直売所っていう幟が立ててあるデイリーヤマザキもあったのでそっちにも寄ってみるが……特になし(汗)。
14:00、南相馬に向かう。この時点で博物館までまだ 54km もあった。

15:00 きっかり、博物館に到着。
ここはほとんど人が来ないのでセミの録音をしていても他の音が入ることがないのは知っていたのでこの場所を選んだんだけど……事件発生。駐車場でエンジンかけたまま寝てる人がいる……orz

マジかー。

あとねー、意外と人が来る。なんだー? 博物館ってそんな来ることある?<偏見
ただ周囲が散策路にもなっていて、池があったり公園があったりするので子連れとかが普通に来てた。

目的の林ではツクツクボウシが大合唱していたので、ダメ元で録音したのが以下である。いちおう最低限のノイズ除去はしてある。

車の音とか気になったのでちょっと場所を移動して、別の木が密集していそうなところに行くことにする。
向かった先は『桜井古墳』。ここでもツクツクボウシは鳴いていた。というわけで、古墳の外で録ったものと古墳の中で録ったもの。古墳の中は……アブラゼミの方が多かった(汗)。

と、今日の取材はここまでである。時間は 16:00。
ここからはただの移動。秋田県を目指す!
常磐道に乗り、仙台東北道へ合流しひたすら北上……する途中、鳥の海パーキングでトイレ休憩。
それから『たかもりの湯』でお風呂と晩ご飯(19:15)。

それからまたひたすら北上し、中尊寺パーキング(21:30)で 24 時まで仮眠をとり、26:20 に道の駅おおゆに到着した。

道の駅かづのの蕎麦と親子丼

二日目は朝食はとらず、夜はキャンプでカップ麺だったので、外食は『道の駅かづの』で食べたお蕎麦と親子丼。
この辺、食べ処があんまりないのか、並んでた。

秋田はけっこう関西的な味付けで、甘めなのだが、こちらの蕎麦つゆはそうでもなかった。親子丼はちょっとぼやけた味。甘みを増すか、醤油感を増すかどちらかに降って欲しかった。
けど鶏肉は比内鶏らしく、柔らかくてホクホクだった。
最近は道の駅の食べ物も侮れませんな。

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