ボクが時々ネタ探しの時に眺めているサイトに、なかなか面白い記事があった。
このスレッドを立てた人は、その人の書き込みを信じるなら医者で有り、そしてその所為かどうかは解らないが、しっかりと「現実」と「知識」に基づいた発言をしているように見えた。端的な区別をしてしまうと、無神論者と思われる。
さて、この記事にあった、以下のグラフがボクの興味を引いた。
この図は縦がその国の人口における宗教者の割合(%)、横がその国の平均 IQ をしめし、各宗教の信者がどこに位置しているかを表している。コレを見ると明らかなとおり、頭のいい人ほど宗教を信じていないことが一目瞭然である。
なるほど、これは面白い。
その他、気付いて欲しいことはそのグラフの周囲にいろいろ書かれているので、ここでの説明は省略したい。
このグラフを誰が集計し、どこに載っていたものなのか、ボクはちょっと解らない。「宗教を信じる人はバカだ」という結果を導き出したいがために統計を操作したグラフなのかもしれないが、まぁ、そこは今疑ってもしようがない。
だが、「宗教の多様性やその容認は頭が良くなくては受け入れられない」という事は、高校で世界史を学んだ人なら、解ると思う(ヨーロッパにおいて宗教の自由が認められるまでの道のりのことを指している)。そして上のグラフはその延長線上にあるとボクは思い、そして誰しもが漠然と心の中で思い描いていたことではないかとも思うのだ。
ここでもう一つ言えることは、やはり宗教(というか、神)というものは人間の想像上のものであって、この世界に存在しないのではないか、ということであろう。
なかなか宗教者にとっては厳しい現実を突きつけられたと言えると思う。
ただ IQ というものは、頭の良さを測るためのある一つの角度で有り、全てを網羅しているのかというとそう言うワケではないという声もある。IQ テストは訓練すれば上がるという話もある。ただ、それにしても頭の良さを測る指標の一つには変わりはないので、ご託を並べたところであまり意味はないだろう。
では IQ さえ高ければ良いのかというと、そう言うワケではない。日本ではわりと意見の割れる、いわゆる「倫理」の部分はまだ IQ では測れないことが解っている。しかしながらこの倫理というものは環境によっても変わるため、なかなか数値化しにくい。ところが、宗教はこの倫理の指針を示していることが多い。
実際、IQ が高かったとしても、その頭で納得のいく罪の犯し方が説明できれば、それを実行してしまうからである。解りやすい例としては、歴史家や資本家が「戦争も経済活動の一つだ」と言い切って、損得だけで戦争に踏み切る(歴史家なら戦争をそのように評価する)ことだろうか。また、資産家などの金持ちが自分の理論において殺人を犯すことも少なくない。たとえば第二次世界大戦のドイツのユダヤ人虐殺などは、そのような理論の元、行われた可能性が高い。ナチス ドイツの高官たちの IQ は非常に高かったことが解っている。
つまり IQ が高いからといって、抽象的な「人間性」とか「愛」とか「良心」などといった部分まで高いとは限らないのである。
もっとも、宗教もまた、神の名の下に犯罪(テロ)を犯すこともあるわけだが、あちらはちょっと事情が異なる。あちらも知恵と知識を使って宗教をうまく利用して犯罪を犯させている(犯している)のであって、宗教そのもののせいではないと思う。
とは言え、倫理がどうとか愛がなんだとか言っても、世の人たちはそういった抽象的なものよりも IQ という数字を信頼してしまうだろう。
そんなわけで、なかなか興味深いスレッドであった。
ついでにコーランを理解する一つの見方としても、今回のスレッドは面白いと思う。
今後、科学が発達して行くにつれ宗教は滅びていくのか、それとも科学によって新たな再発見があるのか、それは解らないが、今後も様々なことがボクらの目の前に露わになっていくだろう。