エロゲの活動限界

ボクはエロゲ業界の人間なんだけど、所属している会社は 18 禁じゃない会社なのね。コンシューマとかソーシャルとかパチンコとか。で、有難いのがそちら側からの視点をもらえることなのね。で、ぶっちゃけちゃうとさ、エロゲなんてのは要するに AV とか風俗なんかと位置づけは同じで、何作ってんのっていう扱いなのよ。
まぁそれはボクも承知してるし、それを承知でこの世界に入ってる。
けど、最近感じているのが、やっぱり二次使用とかでお金を稼ぐには、エロの世界は厳しいなと。Key さんやニトロ+さんや TYPE-MOON さんや Leaf さんなどなど、売れたメーカーさんがメインストリームに流れる気持ちがようやく分かってきたというか(そういう視点で言えば、エロゲにこだわり続けるアリスソフトさんは本当にすごい)。

要するに、ウチのキャラ使ってくださいって言う手の版権商売しようと思うと、そもそも 18 禁の作品ってまったく入れてもらえないのね。そらそうだよね、女性や子どもをターゲットにしている商品があるなかに、エロゲのキャラ入れてくださいって、何寝言いってるんだっていう。
パチンコなんかは、そもそも 18 禁だからまだ許容量高いけど、食品とかオモチャとかそういうものにはまったく受け入れてもらえない。

まぁ、前々からエロなしもやってみたいとは思ってたんだけど、これはいい機会かなと思っている。つまりメインストリーム向けの動きをやらないといけないと。というのも、ゲームがどんなに売れても、ゲームの寿命って短いのよ。でもその短い寿命のゲームのために半年以上の時間をかけて作る。正直、割に合わないんだよね。コピーされまくるし。
だから活躍の場をもっともっと広げないと行けない。そのために今いる会社はいろいろ出来そうな隙間を見つけて、いろいろ頭の中で未来像を思い描いている。

でもだからといって、エロゲを疎かにするのもよくない。今のところ、これがボクの「元」だからだ。この「元」がないと、それ以外の展開も出来ないからね。ただ今一番問題なのは、こうしていろいろなアイデアが出てるんだけど、ボクが忙しすぎて何も進んでない所なんだよね。くそー、どうすればいいんだろ。行動出来ないと、結局今あるアイデアって古くなっちゃうんだよね。そして行動を起こす頃には使い物にならなくなっているという。まぁ、その時には別のアイデアがあるから、いいっちゃぁいいんだけど……でも悔しいのでなんとかせんと。


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コピー問題続き(エロゲの場合

(前の記事はこちら
スラッシュドットでなかなかタイムリーな話題があがったので、またコピー問題について書いてみたいと思う。今回はボク自身がコピー問題をどう捉えているのか、自分でも整理したいと思って書いたのが主目的である。というのも、コピーって問題だよねと頭で思っていても何が問題なのかというのは色々整理してみないと、自分でもどこに解決策を見いだしていくべきか解らなかったりするからである。
タイムリーな話題というのは、以下である。

上の記事の 200 万本売れたソフトの海賊版が 20 万本だという所に注目して欲しい。これをエロゲに当てはめると、200 万本売れたら海賊版が 6000 万本出回っているというのが現在のエロゲの状況である。まぁ実際エロゲはそんな本数は出ないので、1 万本売れたら、30 万本は違法コピーが出回っているという図式だ。
まずはボクの考え方から述べよう。例えば 1 万本売れて、海賊版が 30 万本出回ったとしよう。あり得ないことだが、もしもまったくコピー出来なかったとしたら、30 万本売れたはずなのに、とはボクは考えない。コピー出来なければ「買わないだけ」だろってのがボクの基本的なスタンスである。
だからボクの視点では、プロテクトや DRM はナンセンスだと思っているし、コピーそのものにそんなに目くじらを立ててはない。逆にコピー問題を考えることが大事だと思っている。

次、作り手の心情の問題。「コピー出来ないなら買わない」わけだから、30 万本コピーされても、会社に損失はないよねって言われれば、それは、いわゆるそのゲームそのものの閉じた収支で言えば、その通りだろう。しかし、30 万人の人が金を払わずに遊んでいるわけだ。それって単純に作った方からすると「ムカつく」よね。別にコピーしてまでプレイして欲しくないし、無料でプレイするためにこっちは作ってるんじゃネーよ、と。それにコピー出来なければ買う人もいるだろう。
そして、金を出して買った 1 万人と、コピー・ユーザ 30 万人との間に不公平が生じる。これによって正規ユーザが「次回はコピーでいいや」ってなってしまう危険性がある。だから、コピー出来るって思われるのはメーカーによって非常に損なのである。
ただここで、以下のことを言及する人もいる(笑)。

  1. 正規ユーザはパッケージや特典物など、物理的なアドバンテージがある
  2. 正規ユーザはコピー・ユーザと違って、後ろめたさなどのマイナスの感情がない
  3. 正規ユーザはサポートを受けられる

あっれ、これで本当に正規ユーザは納得してくれるのかな~? サポートとか、コピー・ユーザだって受けてるよね? 後ろめたさって何だ。そんなもん感じてるなら、最初からコピーするな。特典物やパッケージは 8,800 円以上の価値なのか?(そういうものもあるが、普遍的にそのような特典物をつけることはできない)

さて、コピー・ユーザがよく言う「買う気にさせるクオリティのものを作れば、みんな買う」っていうヤツ。これが実は非常に難しい。というのも「買う気になるほどのクオリティ」ってそもそもどんなの? たとえばエロゲ業界トップ・スリーの作品とか!? 仮にそうだとしたら  5 万~ 10 万本売れるようなソフトだけど、そんなソフト 1 年に 2 ~ 3 タイトルしかない。しかも、ユーザの評価なんて千差万別だし、1000 本しか売れないようなソフトでも気に入れば OK してくれるだろうし、10 万本クラスのソフトじゃないとそもそもダメだろって人もいるだろう。
つまり何が言いたいかというと「買う気にさせるクオリティのものを作れ」っていうのはメーカ側からは「なんの基準にもならない」。それこそ、上位 2,3 社以外はすべてつぶれればいい。そうすれば「買う気にさせるクオリティの作品」しか残らないから。でもそれでコピーがなくなるかというと、そんなことはないのは、誰しも解るはずだ。

ただ、エロゲ業界の問題として「供給過多」ってのはあると思う。ボクみたいな売れないヤツがたくさんエロゲ業界に残りすぎだろうっていうwwww。じゃぁ、上位 2 ~ 3 社だけあればいいじゃんって言うのもまた実は難しい話で、スポーツなんか見ていると解るけど、やっぱりその業界の人数が多いってのは重要なことなのだ。野球やサッカーに一流選手が出てくるのは、プロになりたいと目指しているアマチュアが多いってのが大事で、そうした大勢の中に天才が含まれる率も高くなるし、成長の過程も洗練されていく(スポーツで言うなら、トレーニング方法や、優秀な指導者など)。そして下からの突き上げがあるから、上も努力を惜しまない。
だから売れないメーカーが有象無象あるから、売れるメーカーもあるという部分もあるのだ(それがすべてではないが)。

さて、コピーがゲーム業界をダメにしたというと、よく、「そんなことねー」って言うユーザさんもいるんだけど、少なくともボクは今はコピーがエロゲ業界をダメにした一つの大きな要因だと思っていて、そしてそれが覆る要素は今のところ思い当たらない。ボクの持っている今までの情報は、①KONAMI が X68000 シリーズから撤退した理由、②韓国がネトゲばかりになった理由、③Falcom が PSP に逃げた理由、④ヨーロッパとアメリカのゲーム・メーカが PC からコンシューマに逃げた理由がすべてコピー問題で有り、これらのデータを見せつけられると、なかなかコピーが原因ではないと言い切れないのだ。

次に「コピーが宣伝の代わりになる」というのもよく聞く。そしてそれは合っている部分がけっこうあるし、ボクが個人的に作っているゲームは本当は無料で配りたいと思っている。また、Youtube なんかで見つけた曲をボクは CD 探して買うことがよくある。

価格はどうだろう。8,800 円は高いか? おそらく高いのだろう。コンシューマは 6,800 円だもんね。ただこれにはボク個人的には言いたいことがあって、小説+絵画+音楽+プログラムも入ってて 8,800 円なんだぜっていう。CD が 3000 円でしょ、テキスト容量なんて、2MB なんて当たり前。2MB っていったら、ラノベ 8 冊分ですよ。これだけで 4000 円じゃないですかー。ほらー、音とテキストだけで 8,000 円ですぜ。これに挿絵が 100 枚近く入ってて、SE も入ってて、さらにプログラムで動くんですぜ!
8,800 円なんて安いじゃないですか(コンシューマの 6,800 円なんてもっと安い)。ってのが、実はボクのホンネ。 でもそれは世間では許してもらえないのであくまでも心の叫び(ぁ。だってそんなこと言い出したら、ハリウッド映画なんてチケットがいくらになっちゃうんだよって言うwww

で、結局目指すべき方向ってなんだろうね? まぁいいアイデアがあったら、とっくに誰かが始めてるんだろうね。

  1. コピーされても、お金が入ってくる方法を考える
  2. パトロンを探す(2000 万円ぐらいのお金の使い道に困っている人(or 会社)なんていくらでもある)
  3. 切り売りして単価を下げる(共通だけなら無料、1 ルート 1000円。全部買うと 8,800 円)
  4. 寄付を募る
  5. Android / iOS でなんとかする(漠然だなw

1!なんとか 1 番を考えたい~~~。
あとね、3 ~ 5 はエロゲ業界に問題がある。流通とショップさんがエロゲ業界では強いのでどうしようもない。これは流通からお金を借りて作るという構造上、どうしようもない。なんとか自己資金だけで作れるようにならないと、3 ~ 4 が出来ない。でもやってみたいんだよ、3 ~ 4。そうすれば海外でも展開出来るし!!
自己資金でエロゲかー……。


(原曲はこちら

コピー問題っていうか、エロゲのビジネス・モデルをどうにかしないと……

(追記:続きの記事は、こちら
うちらのエロゲ業界なんかでもコピーの問題は大きいけれど、ハードウェアの世界もなかなか大変なようだ。

こういう部品の場合、どういう材質なら基準値を保持出来るのかとか、制作工程はどうかとかいろいろあるんだろうけど、こういう戦いはボクらの業界に限らずどこでもあるのだなぁ。いや、レベル的に言ったらアイシンさんの方が全然大きいわけだけれど。
我々の場合、コピー品に見習うことってなんだろうね。

  1. ネット認証や DVD を入れなくてもプレイ出来る
  2. バックアップが自由

ただ、ボクが作るゲームはおおむね上の二つをクリアしている。
やはり最終的に問題になっているのは、「正規品は金がかかる」ってことだろう(ぁ
TV のアニメがタダなのになんでエロゲは金取るのよって真顔で言われたことあるしなー。
霞食って生きてるんじゃないし。別に誰かがお金を出してくれるわけでもないし(最近は問屋お金を出してくれるけど、売れなければその分が全部借金になる)。
そういえば金と言えば、最近 TV 番組がファミレスだのグッズだの、ソレを売りたいための番組ばっかりだ、(番組内で)製品の宣伝のないアニメを見習えなんて怒ってた人がいたが、アニメだってオモチャを買ってもらうために作ってるんだが? いやまぁ、最近のオタ向けアニメは DVD 目当てのようだが(ぁ。だから、収益モデルが崩壊しつつあるよね。もっとも崩壊してもいいアニメばっかりなのかもしれないけどね。

昔は音楽家や画家、彫刻家とかはパトロンを見つけてたわけですよ。つまりエロゲもパトロンがいて、その人のためにゲームを作って、ついでに売るって言うならタダで配れるよ! もしくはエロゲの中の背景の看板とかに現実の商品や会社の名前が入ってたり、登場キャラクタがコカコーラとかなんか現実の製品を使ったりして、それが充分な広報媒体として認知されるのであれば、スポンサーがつくのかもしれない。

ボクが今着目しているのは、外食産業だ。とにかくすごい。年々値段が安くなっているのに、味は美味しくなっている。どういうこと!? これをエロゲに例えると、一体どんなことが起きているの!? それを知りたい。ただ、人の舌に頼っているところはあるよね、って思う。やっぱり美味しいもの、新鮮なものをちゃんと味分けられる人って少ない。調味料で味をよくしたもので満足してしまうことは多い。もちろん、最近の業務用の調味料やスープのレベルってとんでもなく上がってるんだけどさ。それってエロゲでは何に相当するのか? この辺にエロゲを安く作る秘訣があるとは思うんだけど……なかなか見いだせていない。
ただ壁はもう一つある。それはフェティシズムの細分化である。人類の性への探求はその歴史とともに多岐にわたっており、様々なジャンルがある。さらにオタク文化って、趣味の細分化の最たるものなのよ。「オタク」っていうくくりで見てしまうとそこにはたくさんのお客さんがいるんだけど、彼らはみんな同じ方向を向いているわけじゃない。しかも同じ方向を向いている人たちでも、実は微妙に違う方向を向いている。そうすると一つ一つは凄い少ないお客さんになってしまう。それらを細かく細かく拾い上げてようやく一つのある程度の塊になる。
そんなわけで、ここ 5 年? いや、もっとかな……色んな状況が見えているんだけど、どう手を打てばいいのか解らない状況が続いている。ホント、どうしよう……。

日本の音楽事情

ボクがよく見ている掲示板で 2 月はいろいろ音楽の売上げに関しての記事があったので、紹介しておこうと思う。

  1. 音楽業界低迷の本当の原因は、少子高齢化か?
  2. 「過去1年間のネット音楽配信の売り上げは ピーク時の6割」、その本当の原因は?
  3. 音楽の売り上げは世界規模で見ると増加している

1 の記事は、それに関連するコラムを 2/22 に書いた。
今の日本の CD 売上げランキングは、アイドル・グループ(ジャニーズなど女性向けも含む)がほとんどを占め、邦楽の多様性ってのは「売れ線」では失われつつある。ただこれらは「音楽」で売っているわけではなく、様々な要素(ビジュアルであったり、性的アピールであったり、顧客との親近感であったり、チケットの代わりであったりなど)で売れているので、何とも言えない。2/22 のコラムで「日本人にとって音楽はそんなに重要ではない」と書いたのも、その辺から来ている。要するにエンターテイメント全体として捉えられていて、アーティスト(とは言えないのだろうが)の芸能性(キャラの個性や容姿、性格、タレント性)全体で評価されて、その好きな人が歌を歌っているから、その CD を買うという評価なのだ。あぁ、なんか説明が下手だな(笑)。
だからボクは全然今の邦楽に失望とかなんかしてなくて、それよりも 90 年代後半、いや顕著だったのは 21 世紀に入ってからか。インディーズの文化が定着し、音楽やりたいって人が増えて、儲かっているかどうかは解らないけど、地元で活動し続けるバンドがたくさん増えたことに喜びを感じている。
メジャー・レーベルに所属しなくても、普段は別の仕事をしながら音楽活動ができる。
CD だってリリース出来ちゃうし、ネットで配信もできちゃう。自分たちのライブを放映することだってできちゃう。一人で何でもできちゃう。今まで聞くだけだった人も、作ってみようかなって思ったらやれてしまう時代になった。

そういった中から、時々ばーんと有名になって売れてしまう人も出ることもあるけど、そんなのはどうでもいい。大事なのは「自分の好きな音楽をプレイし続けられること」だ。売れるために何かしなくちゃいけないとか、そのためにストレスがかかって曲が書けなくなるとか、そんなものから無縁な音楽活動ができると言うこと。もちろんそれだけで食っていくのは難しいけどね。
ネットのおかげで、自分が作った音楽が気に入ってくれる人も探しやすくなった。1 万人には売れないけれど、100 人や 200 人に売れる、100 人や 200 人が共感してくれる、そんな音楽が存在できるようになったのを見て、ボクは本当に嬉しいのだ。

そこで日本人の音楽の立ち位置ってのが重要になってくる。ボクはさっき日本の音楽に失望していないとは書いたが、心配していることはあるのだ。
それは、いわゆる第一線(売れ線)の音楽のランキングがアイドルばっかりだと、彼らから「音楽」というものを単体で切り出してみた時、その重要性は非常に低い。ということはつまり、そういった音楽を聞いて育ってくる子供たちは、同じく「音楽の必要性」というものが低くなってくるんじゃないか。そしてそれで導き出されるのは「世の中にはどんな音楽があるんだろう?」とか「自分に合った音楽って何だろう?」とか「精神的な困難に遭ったときに音楽によって克服する」っていうようなことがなくなってしまうんじゃないか。
するとさらにどういうことが起きるかというと、上で書いた様なインディーズの人たち、リスナーやファンが 100 人 200 人でも成り立っている人たちの活動の場所がなくなってしまうんじゃないかって心配している。第一線の音楽が降ってくるのを待っている人、もしくはそれで満足してしまう人ばかりになってしまうと、自分の音楽を探そうと思いつく人がいなくなってしまうのではないかと、心配しているのだ。

せっかく少人数でもプロダクトを組んで、自分たちのバンドを運営していくというか存続していくコストが劇的に安くなり、自分たちをアピールする方法が様々に提供されているのに、「音楽を探そう」「別の音楽を聴こう」っていう人がいなければ広がりようがない。

そこでボクが考えているのが、「外国語」なのだ。
音楽がその民族(国民)にとって非常に重要な地域や国は、世界中にたくさんある。そういった音楽意識の高い国々で自分たちのファンを獲得することが、インディーズというか、小さなバンドの目指す道の一つなのではないかと。しかも配信は世界に対してできる。
もう一つは地元密着型だ。狭いけれども密な関係を地元で築き上げる。それも今は低コストで可能だし、アイデアしだいで何でもできる。本当に凄い世の中がやってきたなぁと思う。ボクも会社のために 100 %時間を使ってる場合じゃないんだって!! 自分の作りたいものを、本当に作れる時代なんだって!! 改めてそう思った。

ちなみにこういう話をすると、聞き手の方が置いてけ堀の印象を受けるかも知れないが、違う。消費者だってその新しい音楽を手に入れるコストは劇的に下がってきているし、自分の好きな音楽を探すコストも下がってきている。そしてまた、「自分は作れないから」と卑下する必要もない。聞き手がいなければ、アーティストは成り立たない。胸を張って、どうどうとそのアーティストの音楽を聴きまくればいいのだ。消費していいのだ。そしてできれば、お金を払って上げよう。そうすれば、それが「作る側を助けて」いるわけだから、あなたもまた「作り手」とも言えると思う。
アーティストも、そして聞き手も、「音」を「楽」しめる、そんな時代が来ているとボクは思うよ!

音楽を買う基準って何?

ボクは親や親戚が音楽関係ということもあって三歳からピアノを習い始めた。色々有り、結局小学校 4 年の時に別の道を歩むことを決めたわけだが、そのまま音楽を続けていれば、おそらく音楽関係の仕事に就いていたと思う。そんな環境であったためか、なんだかんだと音楽に関しては色々と思い入れも有り、新しい音楽を模索し続けたり、古い音楽でもイイ音楽がないか常に探し続けている。
ボクの日記に貼り付けられる音楽がジャンル・年代問わず無節操なのも、そういう所以である。

では音楽をいわゆる義務教育でしか触れなかった人たちは音楽についてどんな思いを抱いているのだろうかというのは個人的に興味があった。というのも、ヨーロッパなどとは異なり、日本は音楽によって国(もしくは民族?)全体が何かを成し遂げようとしたような歴史は、ボクの知る限りないからだ。
だから日本という国で音楽というのは、まさに『消費のみ』の存在なのではないかと、何となく考えているのである。それを裏付けるというわけでもないが、とある知人から「思春期の時に聞いた音楽が自分の魂の音楽で有り、 40 になっても 50 になってもその頃の音楽を聴き続けることだろう」という言葉を聞き、衝撃を受けたからである。
ただ確かに日本で流行した音楽というのは時代とともに遷移し、そして過去隆盛を極めた音楽は時が経つにつれて売れなくなっていく。演歌なんかもそのうちの一つであろうが、とはいえそれは何も日本だけの話ではない。特に軽音楽については、時代を超えて残っていく音楽というのは限られているだろう(かといってクラシックが残っているのは、まったく別の理由であるが)。
かと思えば視点を変えれば、音楽に使用する様々な電子機器が安くなり、さらに CD 化のコストも劇的に下がり、さらにさらにネットワークを介して音楽を配信出来るようになり、今まで生き残ることは難しかったジャンルが復活し始めているというのもある。Jazz や昭和の頃の歌謡曲と言ったジャンルで歌い続けているアーティストたちである。ただそういった人たちのリスナーがどういう層なのか、ボクは解っていない。
例えば Jazz をやっている人たちのリスナーは 50 ~ 70 年代日本で Jazz が流行した頃に聞いていた人たちが圧倒的に多いのか、それとも今の若い人たちも聞いているのかということである。

何が言いたいかというと、「思春期の頃に聞いた音楽を聴き続ける」という人たちは、果たして 50 にも 60 にも 70 にもなってもそれを聴き続けるのはまぁボクの知ったことではないが、それって限界があるというか、新しい曲は提供されないわけだから、結局過去何度も聴いた曲を聴き続けることになる。それって、飽きないのかなぁ? という単純な疑問である。
今の 50 代 60 代に照らし合わせれば、演歌、フォークソング、グループサウンズ、Jazz 、そしてビートルズなどの 60 ~ 70 年代ロックである。これらの音楽は、新しいものが提供されることはほとんどない。

ただ、J-POP に関してはボクは少し思うことがあって、楽器の構成なんかを考えると 90 年代後半からあんまり変わっていない。昔のモー娘。の曲と今の AKB48 の曲がどれくらい違うかというと、これがあんまり差がない(笑)。そういう意味では J-POP では今のところこの 15,6 年は同じジャンルの曲がずっと提供され続けていて、まだまだこれから 10 年くらいはこんな感じなのかしら? と、思わないでもない(笑)。もっともアイドル系の音楽に関して言えば、そもそもそれらの曲は別に音楽で評価されているわけではないというのもあるけど。

音楽は今のボクらの生活になくてはならないものになってはいる。それはカラオケという文化を見ても、疑いようがない。だけれども、ボクら日本人にとって音楽の存在って何だろうって考えると、なんかこうイマイチ本当に音楽って浸透しているのっていうか、音楽が必要な民族ではないよなぁって思ってしまうのである。
ただまぁそんな小難しいことを言う必要もないというもう一人の自分もいる。というのも音楽という言葉を作った人は凄いなぁと思うのだが「音」を「楽しむ」と書く。それでいいのである。芸術性だとか、演奏のテクニックがどうとか、そういうことよりも下手でも何でも歌ったり弾いたり、もしくは聞いたりしてそれで楽しめればそれが音楽である。もっともそんなことを言ってしまうと、今まで上に書いてきたことがすべて無意味にもなってしまうのだけれどね(笑)。

検索窓とアドレス窓を同じにしないで欲しい

最近のブラウザは、検索語とアドレスを入れる場所が同じだ。アドレスというのは URI と言うヤツで、https://ほにゃららと続くアレである。IE10 や Google Chrome はそのアドレスが入る場所と、検索したい言葉を入れる場所が同じだ。これがボクは色々と困っている。どう言うときに困るかというと、LAN 内の HTTP サービスに接続するときである。
LAN 内の HTTP サービスというと、例えばルータの設定画面とか、複合機の設定画面、そしてサーバでも色々な機能を HTTP で提供している。で、これらはボクが設置したものなので、アドレスなんかは頭で憶えていて、いちいちお気に入りやブックマークに登録してない。ではどうやってアクセスしているのかというと、アドレスを入れる場所に単純にアクセスしたい名前をそのまま入れる。printer とか router とか。printer と入れればそれは http://printer/ のことであり、router と入れれば、http://router/ のことである。ところがそこが検索語を入れることも兼ねているので、ブラウザは printer という言葉を検索しに行ってしまうのだ。
あぁぁぁぁぁぁ、ちゃうねん、ボクがアクセスしたいのはそこじゃない!

検索の方でも、実は問題がある。たとえば「ftp 接続方法」という検索をしたくても、エラーが出るのである。アドレスを入れることも兼ねているため、ftp や http から始まる言葉だとそれをアドレスだと解釈し、「ftp 接続方法」っていうサーバにアクセスしようとするのである。そんなサーバねーっつーの!!
ったく、検索語とアドレスを統合するなら、もっとしっかり内部で切り分けられるようになってからしてくれよー。ホント困るんだよ。あと半角のコロン「:」とか入っててもダメなのね。要するにプロトコルの区切りだと解釈するらしくて、これもエラーが出る。もー!!!
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もう一つ、検索窓とアドレス窓が別れている利点がある。それは、今検索している単語が分かること。どういうことかというと、検索窓で検索すると、検索エンジンの検索結果が表示されるじゃない? で、そこから気になるリンクを押すわけだ。そうすると検索サイトは表示されなくなってしまう。けど、検索窓にはその検索した単語がずっと表示してくれているから、何について検索したから今このページが開いているのだというのが解るのだ。
検索作業をしてる途中で別の仕事が割り込んだり、他の色んなサイトを見回ってたりしたとき、ふと「あれ、このページなんで開いてるんだっけ?」ってなることがボクはよくあって(汗)、その時、検索窓を見れば、「あー、そうだ、これを検索していたんだ」って思い出せて非常に楽だったのである。

というわけでボクは検索窓とアドレス窓が別れて欲しいと今でも思っている。ちなみに、iPhone でしか使ったことないけど、Safari は別れてて、よかったなぁ。まー Windows にインストールする気はないけど(っていうかもう Windows には対応してないんだっけ?)
なんか設定で検索窓とアドレス窓、分けられないのかなぁ?

机のお引っ越し

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ボクの部署に人が増えることに伴い、机を引っ越した。
なんだかんだ言って、ボクの部署が拡大中だ。しかしその分責任が重くなっていく(汗)。とは言えボク自身がいつも忙しいので、部下が増えるのは有難い。それでも、ボクの仕事もなかなか減らない。それはきっとボクの仕事のやり方にも問題があるのだろう。変えて行かなければ。
ただボクの中で恐怖心もある。それは、その部下がやめてしまったらどうしようと言う恐怖心だ。その場合誰かが引き継がなければならないが、その部下がやっていた内容を把握しておく必要がある。
それが見た目だけで解るようなものならともかく、解読しなければならないものの場合、代替物を用意したり、代わりの人間を用意したりするだけでも時間と労力を要してしまう。なので見た目で見えない部分はボク自身が用意した方がイイだろうと思ってしまうのだ。
ではその見た目で見えない部分とは何か!? 主に以下の通りである。

  1. 開発インフラ
    ネットワークを中心とした開発に関わる様々なシステム。メール、HTTP、FTP に始まり、社内 LAN、プロバイダや SVN、Redmine などのウェブ・システムなど。
  2. 開発ツール類
    ゲームのエンジン、台本作成やデバッグなどに使われるツール類、インストーラーなど。
  3. 契約関連
    外注さんなどとの契約やギャランティ、支払い時期など。

実際のゲーム作りに関する部分は、見て解る部類に入る。しかしその中でもシナリオやスクリプトに関しては、状況把握に時間がかかる。逆に絵はできているものを見ればよいので、把握そのものは楽である。しかし、絵は代わりを探すのが難しい。
そんなワケで基幹部分に関してはついついボクが丸抱えしてしまい、それでいてボク自身が自分のゲームを作るためにシナリオやあらすじ、企画をやってしまうのでどうしてもキャパ・オーバーとなってしまうのである。
これを解決するには、ボク自身とすごく仲の良い、ボクに付いてきてくれる人がいるとよいのだが、その人の人生をボクが受け持つことにもなり、なかなか難しい。あとネットワーク周りとスクリプトに関しては、実はそういう人がいたのだが、なんだかんだで他の部署にとられてしまった。
はてさて、どうなることやらって感じなのだが、とにかくうまいこと人を使っていかないと……って感じである。

あぁ、なんか机の引っ越しと関係ない話になってしまったなw
で、引っ越しそのものはこれがなかなか面倒くさい。と言うのもボクは自分の机に城を築いてしまう人間なので、とにかく私物が多いのだ。PC とディスプレイだけでなく、外部音源に MIDI 音源、スピーカー、書籍類、事務用品などなど。でもフィギュアとかゲームとかそういうのはないかも。
仕事机の写真は、後ほど公開します。