ネタ帳:Forget Me(私を忘れてください)

今日、愛する人が死にました。
今日、わたしが最後の一人になりました。
この星に、わたし一人になりました。

かつてわたしたちは、力の限り思いの限りこの星を食い尽くしてきました。
どの種でもなしえなかった富を積み、どの種よりも栄えました。
動物たちを喰らい、植物たちを支配してきました。
少なくとも、今までは世界はわたしたちのものでした。

かつて空は青かったと聞いています。
かつて海は蒼かったと聞いています。
見てください、空は暗く淀み、星の光も太陽の光も届きません。
見てください、海は真っ赤な血のようです。

もう一度言います、この星に、わたし独りになりました。
愛する人は、たった今、死にました。
わたしたちは滅びます。

忘れてください。
忘れてください、わたしを。

忘れてください、わたしたちのしてきたことを。

この世界に贖罪というものがあるのなら、それはわたしたちが忘れ去られること。
この星を滅ぼしたことを、わたしごと忘れ去られること。

忘れてください、わたしを。

とある星を開発し尽くし、食い尽くした知的生命体が、最期に滅びを受け入れるが、それを見ていた宇宙人がこの最期の知的生命体が死んだあと、惑星改造し、元の姿に戻す話。
戻し終わったら最期、宇宙人は遺伝子の中に『良心』を埋め込む。

そして、また、新しい生命が誕生していく。
っていう話(笑い

ベタだなぁ。